1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 国際
  4. 国際総合

鳥との衝突、世界中で航空事故原因に 専門家

AFPBB News / 2024年12月31日 13時25分

カラスの群れ(2013年11月27日撮影)。(c)RADEK MICA/AFP

【AFP=時事】韓国南西部・務安空港で29日にタイ・バンコク発の格安航空会社(LCC)、済州航空のボーイング737-800型機が着陸に失敗・炎上し、搭乗していた179人が死亡した事故について、当局は調査の初期段階で鳥との衝突(バードストライク)が原因だった可能性を挙げている。さらなる調査が必要だが、世界では航空交通の拡大に伴い、鳥との衝突事故は増加傾向にある。

米連邦航空局(FAA)のデータによると、2022年には米国だけで鳥との衝突は1万7190件記録された。

フランスの民間航空局(CAA)の記録では、仏本土で毎年発生している民間航空機と鳥との衝突は約600件で、うち8%弱が深刻な事案となっている。



航空輸送分野における野生動物の危機管理を推進する非営利団体(NPO)「オーストラリア航空野生動物ハザードグループ(AAWHG)」によれば、今回の韓国での事故を除き、1988年以来、鳥との衝突で破壊された航空機は250機、死者は262人に上る。また、鳥との衝突が航空機に与える損害は、毎年12億ドル(約1900億円)超に上るという。鳥との衝突は通常、離着陸時の0~15メートルの比較的低高度で発生することが多い。

高高度での空中衝突は非常にまれだが、まったくないわけではない。最も著名な事故の一つは2009年1月、米ニューヨークでハドソン川に不時着したUSエアウェイズ旅客機の事故だ。この時はパイロットが冷静に機体を着水させ、乗客・乗員155人は無事だったが、同機はガンの群れと衝突していた。


■深刻な事故は「極めてまれ」


匿名で取材に応じた仏航空事故調査局(BEA)の元専門家は「鳥との衝突はほとんどの場合、重大事故とはならない」と述べた。大半は機体のへこみや衝撃といった限られた物的損害にとどまる。

しかし、1羽でも鳥が「エンジンに入ると、被害ははるかに深刻になる可能性」があり、特にコンプレッサーが損壊した場合、「故障やエンジン停止を引き起こす可能性がある」という。

そうした事態が起きた場合には「エンジンの停止、予防着陸、離陸中止」や、遅延を伴う地上への引き返しなどが行われ、「航空安全や運航の継続に影響を与える可能性がある」と、同専門家は指摘した。

そうしたリスクは、鳥の大きさや数、渡りの時期などに応じて増大することもある。

また、衝突に伴う鳥の死骸や損壊した航空機部品も、エンジン火災を引き起こす恐れがある。

双発機のエンジンは、1基が故障しても安全に飛行できるように設計されている。2つのエンジンに同時に衝突すれば全停止することはあるが、専門家によるとそうしたケースは「極めてまれ」だ。

航空機メーカーや空港は、鳥関連のリスクについて一連の対策を実施している。それらの対策は、エンジンに鳥の死骸を投げ込んで行うストレステストから、空港周辺の鳥に対する警告音、空中での威嚇発砲といった予防措置まで、多岐にわたる。

【翻訳編集】AFPBB News

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください