サウジ、24年は338人の死刑執行 過去数十年で最多
AFPBB News / 2025年1月2日 11時1分
【AFP=時事】サウジアラビア内務省は1日、麻薬密売の罪で死刑判決を受けたイラン人6人の刑を執行したと発表した。公式発表に基づくAFPの統計によれば、同国は2024年、過去数十年で最多となる少なくとも338人の死刑を執行した。
国営サウジ通信(SPA)が伝えた内務省の発表によれば、6人はペルシャ湾岸のダンマームで、「大麻樹脂(ハシシ)を密輸した罪」で死刑に処された。執行日時は明らかにされていない。
イラン外務省によれば、同国はサウジ大使を呼び出し、国際法規範の「容認できない」違反に対して「強く抗議」した。
AFPの統計によれば、サウジは2024年、少なくとも338人の死刑を執行。2023年の170人から激増し、過去数十年で最多となった。
1990年代からサウジでの死刑執行を記録している国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによれば、これまでで最も多かったのは2022年の196人、次いで1995年の192人だった。
2024年に死刑を執行された338人のうち、少なくとも117人は麻薬密売の罪に問われ、死刑が確定した。
サウジは2年前に麻薬関連の罪での死刑執行のモラトリアムを終了し、それ以降、麻薬密売犯の死刑を立て続けに執行している。
当局は2023年、麻薬撲滅キャンペーンを大々的に開始。強制捜索や逮捕などを相次いで実施した。
サウジは、中毒性の高い覚せい剤カプタゴン(フェネチリン)の主要市場となっている。カプタゴンは、先月のバッシャール・アサド政権崩壊につながった内戦下のシリアで大量に生産されていた。
2024年に死刑に処された338人のうち、129人は外国人だった。内訳は、イエメン人25人、パキスタン人24人、エジプト人17人、シリア人16人、ナイジェリア人14人、ヨルダン人13人、エチオピア人7人など。
サウジは2022年3月、「テロ罪」で有罪となった死刑囚81人の刑を1日で執行し、国際的な非難を巻き起こした。
アムネスティによれば、2023年の死刑執行人数でサウジを上回ったのは、中国とイランの2か国のみだが、両国はまだ2024年の人数を発表していない。
サウジ当局は、死刑は治安維持に必要であり、上訴の手段が尽きた場合のみ執行していると説明している。
【翻訳編集】AFPBB News
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