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マスク氏、欧州の極右を後押し 進歩派は警戒

AFPBB News / 2025年1月4日 15時52分

政治コメンテーターのパトリック・マグワイア氏は3日付の英紙タイムズで、「2025年が幕を開け、マスク氏はもはや英国政治に対する偏見に満ちたコメンテーターではなく、内部の有力者だ」と指摘した。

衛星放送スカイニューズ・テレビの政治記者ベン・ブロック氏はXで、「英政府はイーロン・マスク氏と彼の介入への対処法を考える必要がある。これまでの対応をいつまでも続けるわけにはいかない」と指摘した。


■「独裁者」

マスク氏が欧州で標的にしているのは英国だけではない。

ハンガリーの極右、オルバン・ビクトル首相とも面会した。オルバン氏は最近、米フロリダ州でトランプ氏とも会談している。

マスク氏はまた、ドイツで2月に実施される連邦議会(下院)選挙を前に、同国の極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への強い支持を表明したとして、ドイツ政府への介入だと非難されている。



1月9日にはXで、AfDのアリス・ワイデル共同代表との対談を主催する。

ルーマニアについても、ロシアが介入した可能性を指摘して大統領選を無効とした判事らを「独裁者」と非難。

さらに、1945年以降のイタリアで最も右寄りの指導者であるジョルジャ・メローニ首相を熱烈に支持。これに対し、メローニ氏もマスク氏を「天才」と称賛している。


■政治とビジネス

専門家は、マスク氏の政治的な取り組みと経済的利益との密接な結び付きを指摘している。

新自由主義に関する批判的な研究で知られるカナダ・トロントのヨーク大学のイラン・カプール教授は、マスク氏とトランプ氏にとって「民主主義や議論、意見の不一致、国家福祉制度はすべてビジネスの邪魔になる」と主張。

「だからこそ彼らは、権威主義的な政府を好意的に捉えている。こうした政府は、政敵を排除し、政府の役割を減らすことで効率化できると考えているためだ」とし、「ただし、彼らが考える『法と秩序』という問題に関しては、国家による介入をたくさん必要とする矛盾も生じる」と指摘した。

マスク氏は、EUの行政執行機関、欧州委員会も非民主主義的だと批判。欧州議会の役割を拡大するよう要求した。

ソーシャルメディアにあふれる偽情報対策に努めるEUは、違法コンテンツの削除をIT企業に義務付ける「デジタルサービス法(DSA)」に基づき、マスク氏のXへの規制を試みている。

ベラ・ヨウロバー元欧州委員は昨年10月のポリティコのインタビューで、マスク氏を「悪の推進者」とさえ評した。

欧州外交問題評議会は昨年12月、マスク氏がXを利用して「市民や極右政党を動員し、取り締まりを進めるEUの意思決定機関の政治的コストを増大させる」恐れがあると警告した。

【翻訳編集】AFPBB News

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