淡水産動物の4分の1、絶滅の危機 研究
AFPBB News / 2025年1月9日 16時35分
【AFP=時事】魚や昆虫、甲殻類を含む淡水産動物の4分の1が汚染やダム、農業などの脅威により絶滅の危機にひんしているとする新研究が8日、査読済みの科学誌「ネイチャー」に発表された。
河川や帯水層、湖沼、湿地帯を含む淡水域は、地球上の表面積の1%未満にすぎないが、魚類の半分、脊椎動物の3分の1を含む既知の種の10%以上が生息している。
この多様性は、数十億人の生活を支え、気候変動に対する防壁にもなっているが、「相当なストレス」にさらされているという。
淡水産動物2万3000種以上を対象にした新たな評価では、調査対象グループ間でばらつきはあるものの、全体で24%が絶滅の危機にひんしていることが明らかになった。
絶滅の危機に瀕している種の割合は、エビやカニ、ザリガニなどの十脚類の節足動物で約30%、魚類で26%、カエルや爬虫(はちゅう)類を含む四足類の脊椎動物で23%、トンボ類で16%だった。
1500年以降、淡水産動物89種ほどが絶滅したと報告され、さらに178種が同じ運命をたどっているとみられている。
研究の著者らは、ほとんど分かっていない種も存在するため、こうした数字は過小評価である可能性が高いと指摘。
「種のさらなる減少や喪失を防ぐため、脅威への対応が急務だ」と警告している。
■湿地帯の減少ペースは森林の3倍
淡水産動物への主な脅威としては、汚染やダム、取水、土地利用の変化、農業、侵略的外来種、病気、気候変動、異常気象が挙げられている。
淡水源の減少は、淡水産動物の重要な生息地であり、気候調整装置としての機能を有するという重要性にもかかわらず、「ほとんどの場合は目に触れず、意識もされないまま」起きているという。
この研究によれば、沼地や湿地、池などの湿地帯は1970~2015年に約35%が失われた。森林の3倍のペースだという。
長さ1000キロを超える川の約3分の1は、もはや全域でよどみなく流れてはいない。
著者らは「最近まで、淡水域は地球環境ガバナンスにおいて陸地や海水域と同じ優先順位を与えられていなかった」と指摘している。
【翻訳編集】AFPBB News
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