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「全て失った」米LA山火事で住民憔悴

AFPBB News / 2025年1月9日 16時53分

カリフォルニア州ロサンゼルス郡アルタデナで、焼けた自宅の前で涙する住民(2025年1月8日撮影)。(c)JOSH EDELSON/AFP

【AFP=時事】米カリフォルニア州アルタデナは8日、激しい火災に見舞われて多数の家屋や店舗が焼失して爆撃を受けたような様相を見せ、住民は憔悴(しょうすい)し切っていた。

「これが自宅です」とウィリアム・ゴンザレスさんは、煙突だけが燃え残り、今も火がくすぶり続けている廃虚を指さした。

「ほぼ全て失った」とため息をつき、「私たちの夢がみんな焼き尽くされてしまった」と話した。

ロサンゼルスでは7日以降、大規模な山火事が発生し、少なくとも5人が死亡。火災が広がり、最大風速40メートル以上の突風が吹き荒れる中、10万人以上に避難指示が出されている。

ロサンゼルス北方のアルタデナでは、家屋を含め、約500戸の建物が焼失した。



AFPが取材した8日、市内の通りは灰で覆われ、至る所で建物が燃えていた。

60代の男性が、がれきと化した自身の酒店の前で泣いていた。

「この店が私の人生のすべてだったのに」

暴風で火の粉や燃えさしが飛び、消火する前に別の場所で新たな火災が発生している。

現在吹いている「サンタアナ風」は、カリフォルニアの秋と冬に典型的な局地風だ。しかし、気象学者によると今週、2011年以来の強風となり、乾燥状態と相まって、火災が拡大しやすい条件がそろった。


■水が尽きる

高級住宅地パシフィック・パリセーズでは、巨大な貯水タンクが空になったため、消火栓が機能しなくなっていた。

デービッド・スチュワートさんは、自分が住むこの地区を山火事に明け渡すつもりはないと話した。

「郡が水の供給を止めたので、私たちはシャベルで火に土をかけて(消し止めて)いる」

「私たちで、これまでに近所の家を3軒救ったと思う。でもまだ、火の手が私たちの家に向かって進み続けている」と話した。

ジェシー・バンクスさんは、避難した息子と連絡を取ろうとしていた。

「息子は私たちより先に徒歩で家を出たが、携帯電話も何も持っていないので、息子を捜しているところだ」

「この地域に20年以上住んでいて、山火事や丘陵地帯での火事はあるが、こんなことは初めてだ」と話した。

闘いは、まだ終わってはいない。

予想では風の勢いは弱まるとみられているが、火災のリスクが高いことを示す警報は10日夕方まで継続される見込みだ。

【翻訳編集】AFPBB News

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