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価値観もつづりも国も違う カナダ国民、トランプ氏の併合計画を拒絶

AFPBB News / 2025年1月16日 17時0分

モントリオールのロイヤルモントリオールゴルフクラブで開催された2024年プレジデンツカップ4日目のシングルスで、米国とカナダの旗を身に着けたファン(2024年9月29日撮影)。(c)Harry How/GETTY IMAGES NORTH AMERICA/AFP

【AFP=時事】価値観も、英語のつづりも、国も異なる。ドナルド・トランプ次期大統領の北の隣国カナダを併合して51番目の州にするというあり得ない計画を受けて、カナダでは愛国心と、しばしば威圧的な米国に対する反発が高まっている。

カナダのジャスティン・トルドー首相は多くのカナダ国民の感情を代弁し、「カナダが米国の一部となる可能性はゼロに等しい」と述べた。

カナダの世論調査機関アンガス・リード研究所が新たに実施した調査では、カナダ国民の90%が米国への併合を拒否していることが明らかになった。

カナダ人がAFPに語ったり、SNSに投稿したりしたところによると、カナダと米国の国境線である北緯49度線を越えるとさまざまな違いがある。Zの発音は米国では「ズィー」だが、カナダでは「ゼッド」、気温の単位も米国は華氏だが、カナダは摂氏、医療費も米国では有料だが、カナダでは無料となる。特にカナダ人が医療費を支払うのに決して慣れることはないという。



カナダ人は、米国人になったら国旗にビーバーやメープルリーフ(サトウカエデ)を追加するなど冗談を交わしながら、カナダが英連邦を離脱することを誰がチャールズ英国王に伝えるのかを心配していた。

バンクーバーのあるストリップクラブは看板に「永遠に『neighbours』。決して『Neighbors』ではない」とジョークを書き、カナダ人は米国式のつづりには従わないと強調した。

トランプ氏の熱狂的な支持者でさえ、併合には冷ややかな態度を取っている。

トロント在住のトランプ氏支持者、ポール・コイディスさんはAFPに対し、「私はカナダ人であることをとても誇りに思っている。この国を愛している。米国を訪れるのも、米国でビジネスをするのも楽しいが、カナダが故郷だ」と語った。

コイディスさんは、米国人とカナダ人は同じ映画を見ていて、話し方や見た目が似通っている人もおり、両国の経済と安全保障は深く結び付いているが、それでも考え方は大きく異なると強調した。


■「アメリカ帝国主義」

カナダのジャン・クレティエン元首相は公開書簡で、トランプ氏が「これまでになくカナダ人を団結させた!」と指摘し、トランプ氏の発言を侮辱であり、「わが国の主権そのものに対する前例のない脅威」と呼んだ。

クレティエン氏は「われわれは想像し得る限り最も険しく困難な地形の上に建国した。われわれは困難を乗り越えてそれを成し遂げた。われわれはおおらかで温厚に見えるかもしれないが、誤解しないでもらいたい。われわれには気骨と強さがある」と述べた。

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