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医療系教育機関で学ぶアフガン女性ら絶望 タリバン、通学禁止通告

AFPBB News / 2025年1月20日 11時57分

アフガニスタンの首都カブールにある私立病院の新生児室で働く助産師(2024年12月10日撮影)。(c)Wakil KOHSAR/AFP

【AFP=時事】アフガニスタン人女性のサジャさん(仮名、22)にとって、首都カブールの医療系大学で看護学を学ぶことは、自立に向けた最後の頼みの綱だった。政権を掌握したイスラム主義勢力タリバンは2022年、女子の大学教育を禁止したが、医療系の教育機関は例外となっていた。

しかし複数の情報筋によると、2024年12月、タリバン政府は医療系の女子教育まで禁止する方針を打ち出し、関係機関に衝撃を与えることとなった。

大学で学んでいたサジャさんの夢も打ち砕かれた。

「女子に生まれたという罪ですべてを奪われた」

医療系教育機関の責任者や職員はAFPの取材に対し、タリバンの最高指導者の指示により保健省の担当者から口頭で、追って通知があるまで女子学生への教育を禁止するよう通告を受けたと語った。



しかし、明確な発表や規則を明示した文書がなく、現場は混乱状態となった。

■若い女性が助産師を目指す理由

保健省の情報筋によると、アフガニスタンでは現在、2年制の公立機関約10校、私立150超に計3万5000人の女子・女性が在籍し、看護・助産・歯科・研究などのコースで学位取得を目指している。

NGOのノルウェーアフガニスタン委員会(NAC)は、保健省と共同運営している教育機関で588人の女性を育成しているが、同じく口頭で授業を「一時的に中止する」との通告を受けた。

NACの担当者、テリエ・マグヌッソン・ワッタルダル氏は「(口頭の指示でも)書面による指示と同様に受け止めなければならない」とする一方で、「現政権で要職にある多くが今回の決定には反対している」とし、公立の教育機関だけでも女子教育を再開してほしいと続けた。

同氏によると、特に熱心に学んでいるのは産科の学生たちだ。「多くの若い女性たちが助産師を目指しているのは、母親やおば、姉妹が出産で命を落としているため」とした。

国連をはじめとする国際機関は、アフガニスタンの女性は「ジェンダー・アパルトヘイト(性別を理由とした差別)」の犠牲者だと指摘しており、妊産婦死亡率と乳児死亡率が世界で最高水準にある同国で、女性を医療分野の教育から締め出す計画は壊滅的な結果をもたらすと警告している。

アサルさん(仮名、20)は最近、前倒しで学位資格の免状を受け取ったが、失業率が高く、女性が働く機会がますます制限されているこの国での就職は望み薄だ。

「医療を実践し、もっと研究を続けていきたいと思っていた」と語るアサルさん。

「私たち女性は、いろいろなものをすでに奪われてきた。この次は、息をすることさえ許されなくなるだろう」と続けた。

【翻訳編集】AFPBB News

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