トランプ米大統領、沿岸警備隊の女性司令官を解任

沿岸警備隊のリンダ・フェーガン司令官。　米ワシントンで（2022年6月1日撮影）。(c)SAUL LOEB / AFP

【AFP＝時事】ドナルド・トランプ米大統領は21日、沿岸警備隊のリンダ・フェーガン司令官を解任した。沿岸警備隊は米軍の6軍種の一つで、フェーガン氏は6軍種初の女性司令官だった。解任理由は「リーダーシップの欠如」とされている。

沿岸警備隊を監督する国土安全保障省（DHS）のベンジャミン・ハフマン長官代理は21日、沿岸警備隊への通達で「彼女は長く輝かしいキャリアを持ち、その奉仕に感謝する」とたたえた。

一方で、DHSの高官の一人は、フェーガン氏が「リーダーシップの欠如、業務上の失敗、沿岸警備隊の戦略的目標を推進させる能力の欠如」により解任されたとのより批判的な見解を示した。

匿名を条件に語ったこの高官によれば、フェーガン氏は国境警備の脅威に対処できず、ヘリコプターなどの調達を誤り、多様性・公平性・包括性（DEI）プログラムを「重視し過ぎた」という。

また、性的暴行疑惑の捜査への対応をめぐり、沿岸警備隊に対する「信頼の低下」もあった。

高官は「この捜査で明らかになった組織的な問題に適切に対処しなかったことは、説明責任と透明性を確保しようとするリーダーシップ文化が欠如していることを浮き彫りにした」と付け加えた。

トランプ氏と他の共和党員は、多様性促進を目的とした政府プログラムを長らく非難してきた。また、大統領就任初日の20日にメキシコとの国境で国家非常事態を宣言したトランプ氏にとって、国境警備は重要な優先事項となっている。

【翻訳編集】AFPBB News