極右、マスク氏敬礼に「狂喜乱舞」
AFPBB News / 2025年1月22日 10時44分
【AFP=時事】米実業家で大富豪のイーロン・マスク氏がドナルド・トランプ米大統領の就任行事で見せたジェスチャーは、たちまち「ナチス式敬礼」になぞらえられ、オンラインでは一部の極右過激派の間で反響を呼んでいるようだ。
マスク氏は20日に演説した際、右手で左胸をたたいた後、真っすぐ突き出すジェスチャーを2回行い、「皆さんに心から感謝する」と述べた。
このしぐさは直ちに話題となり、この瞬間を捉えた切り抜き動画を複数のネオナチ指導者も共有している。
複数の歴史家を含む多くの人々は、このジェスチャーを総統アドルフ・ヒトラーが率いたナチス・ドイツのスローガン「ジークハイル(勝利万歳)」を唱える際の敬礼だと指摘しているが、こうした批判をマスク氏は「汚い手」「プロパガンダ」と一蹴した。
しかし、AFPが確認した投稿の一つでは、オーストラリアのネオナチ団体の代表がテレグラムで「ドナルド・トランプ氏の白人至上主義の瞬間」と称賛している。
ネオナチのフォーラム「ストームフロント」では、ユーザーの一人が、マスク氏がこのジェスチャーをしている画像に「ハイル・ヒトラー(ヒトラー万歳)」とのメッセージを添えて投稿。
極右団体「プラウドボーイズ」の支部も、テレグラムでマスク氏の動画を共有し、「ハイル・トランプ(トランプ万歳)!」というメッセージを添えた。同団体の一部メンバーは、2021年1月6日に米連邦議会を襲撃した罪などで服役していたが、トランプ氏に恩赦された。
憎悪と過激主義に対抗する団体「Global Project Against Hate and Extremism」の共同創設者、ハイディ・ベイリッヒ氏は、「白人至上主義者は、マスク氏がナチス式敬礼をしたと確信している」と指摘。
極右は「狂喜乱舞」し、「マスク氏が腕を上げたのは、極右思想への支持表明だと大半が思い込んでいる」と続けた。
バージニア大学で修辞学と過激主義を研究しているT・ケニー・ファウンテン氏はブルースカイへの投稿で、マスク氏の「意図も重要だが、受け止められ方も重要だ」と指摘。
「熱心な聴衆がこのジェスチャーを意味のある承認と解釈するなら、われわれは危険な領域にいる」「当然ながら、極右の多くはそのように解釈しているようだ」と続けた。
SNSのGabの創設者、アンドリュー・トーバ氏はマスク氏の写真を投稿し、「すでに信じられないことが起きている」と書き込んでいる。
ネオナチ団体「ブラッド・トライブ」のリーダー、クリストファー・ポールハウス氏はテレグラムで、ジェスチャーをしているマスク氏と、かぎ十字(ハーケンクロイツ)の旗を掲げてナチス式敬礼をしている覆面をかぶった同団体のメンバーを並べた動画を共有した。
これに対してフォロワーは、ナチス親衛隊(SS)の隊章を想起させる稲妻の絵文字を相次いで投稿した。
マスク氏が所有するX(旧ツイッター)では、ヒトラーの演説を最上部に固定表示している匿名のアカウントが、マスク氏のジェスチャーとヒトラーの動画を比較する別のマッシュアップ動画を投稿。「ジーク・ハイル?? つまり、われらの時代が再び?」とのコメントが添えられていた。この投稿の閲覧数は22日時点で既に400万回を超えている。
【翻訳編集】AFPBB News
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