「核分裂」は米国の功績 トランプ氏の主張にNZ町長が異議
AFPBB News / 2025年1月22日 11時15分
米首都ワシントンのウォルター・E・ワシントン・コンベンションセンターで開催された大統領就任を記念する舞踏会で、演説するドナルド・トランプ大統領(右)。隣は妻のメラニア氏(2025年1月20日撮影)。(c)Patrick T. Fallon/AFP
【AFP=時事】就任したばかりのドナルド・トランプ米大統領が核分裂は米国人科学者の功績だと称賛したことに、ニュージーランドの小さな町の首長が異議を唱えた。
トランプ氏は就任演説で、米国の偉業として、奴隷制の廃止や宇宙進出、核分裂などを列挙した。
これに対し、ニュージーランド南島にあるネルソン(人口5万人)のニック・スミス町長は、核分裂の研究では、ニュージーランド出身の物理学者、アーネスト・ラザフォードが先駆者だったと指摘した。
スミス氏はソーシャルメディアで、「ドナルド・トランプ新大統領が就任演説で米国の偉大さを訴え、『核分裂』は今日の米国人による成果だと主張したのには少々驚かされた。その栄誉は、ネルソン出身者として最も有名で敬愛されているアーネスト・ラザフォード卿のものだ」と主張。
1917年に英マンチェスター大学での実験で原子核を遊離させたとされるラザフォードについて、「窒素原子核にアルファ粒子を照射して、核反応を人工的に誘発した最初の人物」だと指摘した。
さらに、「誰が最初に原子を分裂させたかという歴史的な記録を正確に保つ」ため、トランプ政権の米国大使をネルソンのラザフォード記念碑に招待するとしている。
ラザフォードは「原子物理学の父」として広く知られ、1908年には放射線に関するそれまでの研究でノーベル化学賞を受賞した。
ニュージーランドでは今でも偉人の一人として知られ、100NZドル紙幣にも描かれている。
【翻訳編集】AFPBB News
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