13歳少女2人を「性奴隷」に 英児童性的搾取事件
AFPBB News / 2025年1月23日 10時54分
【AFP=時事】英国で22日、子どもを手なずけて性加害・搾取を行った「グルーミング・ギャング」スキャンダルとして知られる事件の最新の陪審裁判が行われ、少女2人が「汚いアパートの臭いマットレスの上で、一日に何人もの男」との性行為を強要されていたことが明らかになった。
ロッサノ・スカマルデッラ検事はマンチェスターの法廷で、起訴された8人の男がイングランド北西部の町ロッチデールで13歳の少女2人を虐待したと主張。少女らは「汚いアパートの臭いマットレスの上で、一日に何人もの男との性行為を強要されることもしばしばあった」と続けた。
「車の中や駐車場、路地、使われていない倉庫などでも性行為を求められた。男たちが求める場所ならいつでもどこでもだ」「少女たちは性行為のために順に回され、虐待され、辱められ、その後、捨てられた」と訴えた。
また、少女の1人については、今回起訴されていない「他の多くのアジア系の男にも搾取・虐待されていた」と指摘した。
「グルーミング・ギャング」スキャンダルとして知られるこの事件は最近、米実業家イーロン・マスク氏がX(旧ツイッター)で、英政府が国による捜査の要請に抵抗したと激しく批判したことで、世界中の注目を集めた。
この事件では、イングランド各地で数十年にわたり、主に南アジア出身の男らが数千人の少女を性的に虐待した疑いをかけられている。被害者は主に労働者階級出身の白人少女で、家庭に問題を抱えている子どもが多かった。
スカマルデッラ検事は、マンチェスターの被告らは少女2人の「問題のある家庭環境」に付け込んだと指摘。「まず、少女たちに酒やたばこ、ドラッグ、寝泊まりする場所、一緒に過ごす相手を与え、大人になった気分にさせた」と続けた。
被告の1人は「少女たちに下着や現金、酒、食べ物を与え、見返りに自分やロッチデール在住の他のアジア系の男と定期的に性行為することを求めた」という。
少女たちは脅迫され、「誰とでも性行為をすると暴露される恐れと、恥ずかしさのため」言いなりになっていたとされる。
2001~2006年に行われたとされる性的虐待には、レイプや強制わいせつ、児童に対するわいせつなどが含まれている。
今回の被告8人は39~66歳。全員が罪状を否認している。
事件について国による捜査を求める声はこのところ高まり、賛成派は、捜査によって制度上の欠陥が明らかになるだろうと主張している。
スカマルデッラ検事は法廷で少女2人について、「社会福祉局などの当局によく知られた存在で、年上のアジア人の男らと性行為をしているのも周知の事実だった」と指摘。だが、「警察への通報もなく、何の手立ても講じられていなかった」と続けた。
少女の1人は何度も行方不明になり、そのたびにロッチデール児童福祉局に連絡があったが、助けになるようなことはほとんど何もできないとの見解を示されたという。
2010年にロッチデール地域での児童性的搾取事件に関する捜査が始まってようやく、少女の1人に手が差し伸べられた。
この少女は当初、捜査への関与を拒否していたが、2015年に警察に通報した。
【翻訳編集】AFPBB News
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