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ゴラン高原の「トランプハイツ」 イスラエル人入植者が拡大準備

AFPBB News / 2025年1月23日 20時27分

ゴラン高原のイスラエル併合部分にあるユダヤ人入植地「ラマト・トランプ(トランプ・ハイツ)」の入り口。右側にあるのは、「JASHP(ユダヤ系米国人歴史保存協会)」からドナルド・トランプ大統領(当時)に寄贈されたユダヤ教の燭台(メノーラー)と、ワシの彫刻(2020年9月21日撮影)。(c)Emmanuel DUNAND/AFP

【AFP=時事】イスラエル占領下にあるゴラン高原。埃(ほこり)っぽい丘陵地に続く曲がりくねった道を車で進むと、道の終わりに黄色い門が設置されているのが見える。門はゆっくりと開き、中には金色の文字で米国のドナルド・トランプ大統領をたたえる看板が掲げられていた。

入り口にイスラエルと米国の旗が描かれたこの入植地は、2019年にイスラエルのゴラン高原併合を国家元首として初めて、そして唯一認めたトランプ氏へのオマージュとなっている。

開設から5年、居住開始から3年が経過した入植地「トランプ・ハイツ」には現在、ユダヤ人家族26世帯が仮設住宅やキャラバンで暮らしている。昨年12月にAFPの取材に応じた入植地リーダーのヤーデン・フライマン氏によると、ここには成人が約70人、13歳未満の子どもたちが60人以上いる。彼らは今、大幅な拡張を計画している。



フライマン氏は2025年中に人口は倍増するとし、また3年以内には新しいインフラを備えた広々とした区画に、99世帯が新居を構える予定とも話した。

イスラエル政府は12月、ゴラン高原のユダヤ人入植者「倍増計画」に4000万シェケル(約17億円)の予算を承認した。トランプ・ハイツもその公式な支援を受ける可能性がある。

計画は、隣国シリアでバッシャール・アサド大統領が打倒された後、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、ゴラン高原のシリア支配地域で国連(UN)が監視している緩衝地帯の「占拠」をイスラエル軍に命じたことを受けてのものだ。

イスラエルは1967年の第3次中東戦争(6日戦争)で、ゴラン高原の大半をシリアから奪取。1973年の第4次中東戦争でもその部分を保持し、1981年に併合を宣言した。ただし、併合を承認したのは米国だけにとどまっている。

計画には2か所の新入植地の創設が含まれている。うち1か所はトランプ・ハイツの隣、もう1か所はレバノンとの係争地に位置している。

トランプ・ハイツでも、家屋50戸分の土地がすでに整地されている。

フライマン氏は、敬虔(けいけん)なユダヤ人と世俗的なユダヤ人が混在するこの入植地の「人と人のつながり」により、トランプ・ハイツでは23年10月以降のガザ紛争中も全ての家族が移動せずに残ったと話す。

12月に夫婦でトランプ・ハイツに入植したばかりだというイェディディヤ・オストロフさん(31)は、「このコミュニティーのビジョン、人、そして未来への展望が僕たちにとってまさに理想的だった」と話す。

治安の問題に不安はないかと尋ねると、「心配はしていない。残念だけど、これが僕たちの知っている現実だ。落ち着いた状態が続いてはほしいが、これが僕たちの現実だ」と答えた。

【翻訳編集】AFPBB News

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