ドイツ中道右派、極右の支持受け入れで非難の的に
AFPBB News / 2025年1月25日 12時41分
【AFP=時事】ドイツの中道右派政党「キリスト教民主同盟(CDU)」と姉妹政党の「キリスト教社会同盟(CSU)」は24日、移民規則の厳格化に関する連邦議会での採決で、同会派は極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持を受け入れる構えだと報じられたことで非難を浴びた。
CDU党首で次期首相の最有力候補と目されているフリードリヒ・メルツ氏は、今週、幼児と男性が刺殺された事件を受けて、移民規則の「抜本的な」見直しを求めた。
刺殺事件では、当局の手を逃れたアフガニスタン出身の28歳の男が主犯と特定され、ドイツでは移民をめぐる激しい議論が再燃している。
メルツ氏は23日のCDU幹部会議で、移民規則を厳格化する動議を来週中に連邦議会に提出する意向を表明。「誰が賛成票を投じるかは問わない」として、AfDの支持を事実上受け入れる形を示した。
これを受け、AfDのアリス・ワイデル共同代表はX(旧ツイッター)に「ファイアウオールが崩壊した」と投稿した。
「ファイアウオール」とは、主流政党はAfDとのいかなる協力も排除するというドイツ政界の長年のタブーを指す。
ワイデル氏は「CDUとCSUは、ドイツの運命を決する移民問題について、連邦議会でAfDと共闘するという私の申し出を受け入れた」と主張した。
CSUはCDUの姉妹政党で、連邦議会では統一会派「キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)」を組んでいる。
だが、他の各党は直ちにCDUとCSUを攻撃した。
オラフ・ショルツ首相が所属する中道左派政党「社会民主党(SPD)」のマティアス・ミエルシュ書記長は、ニュース週刊誌シュピーゲルに対し、AfDとの共闘は「致命的なシグナル」を送ることになると主張。
そうした動きはAfDとの「協力の始まり」になると述べ、CDU/CSUは「状況を明確に説明すべき」だと付け加えた。
「緑の党」の党首を務めるロベルト・ハーベック副首相はメルツ氏に対し、AfDと協力しないという「約束を守る」よう要請。
一方で、独メディアグループ「フンケ」に対し、「メルツ氏がAfDと協力しようとしているのではないかと懸念している」と語った。
ショルツ氏所属のSPD、緑の党、自由主義市場経済の推進を掲げる中道政党「自由民主党(FDP)」の連立政権は、昨年11月に崩壊。2月23日に総選挙を予定している。
総選挙を前に実施された世論調査での支持率では、メルツ氏のCDU/CSUが約30%で首位。AfDは約20%で2位につけている。ショルツ首相のSPDは16~17%。
だが、たとえ世論調査通りの結果になったとしても、すべての政党がAfDとの連立を否定しているため、AfDが政権に加わる可能性は低い。
【翻訳編集】AFPBB News
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