コロンビア、移民送還拒否を撤回 トランプ氏の圧力受け

米アリゾナ州ツーソン国際空港で、出身国への送還を前に米軍の大型輸送機C17グローブマスターIIIの機内で離陸を待つ不法移民（2025年1月23日撮影）。(c)Devlin Bishop/DVIDS/AFP

【AFP＝時事】コロンビアは26日、米国から送還された移民の受け入れ拒否を撤回した。不法移民の強制送還を進めるドナルド・トランプ米大統領はこの数時間前、送還者を乗せた米軍機2機の受け入れをコロンビアが拒否したことへの報復として、広範な関税と制裁の発動をちらつかせていた。

米国のコロンビア移民送還について、同国の左派指導者グスタボ・ペトロ大統領はX（旧ツイッター）に「米国はコロンビアの移民を犯罪者として扱うことはできない」と投稿。米軍機ではなく民間機での送還など「尊厳」のある方法でのみ市民を受け入れるとし、移民を乗せた米軍機を追い返したと発表していた。

これに対し、就任から1週間足らずのトランプ氏は不快感をあらわにし、コロンビア製品に25％の関税を課し、1週間後には50％に引き上げると表明した。

ペトロ大統領は当初、米国製品に同様の関税を課すことで対抗しようとしたが、最終的に取りやめた。

コロンビアのルイス・ヒルベルト・ムリジョ外相は夜遅くの会見で、「こう着状態を克服し」、送還されるコロンビア市民を受け入れると述べた。

米ホワイトハウスは声明で、コロンビア政府は「米国から送還されるコロンビア出身のすべての不法移民を、米軍機を含む手段で、無制限かつ遅滞なく受け入れることに同意した」と説明。

「本日の出来事は、米国が再び尊敬される国となったことを世界に示した」「トランプ大統領は引き続きわが国の主権を断固として守るとともに、米国内に不法滞在する自国民の送還を完全に受け入れるよう、世界中のすべての国に全面的な協力を求めていく」と述べた。

【翻訳編集】AFPBB News