終末時計、1秒進み残り89秒 滅亡まで最短に

米ワシントンで、終末時計を公開するコロンビアのフアン・マヌエル・サントス元大統領（左）とプリンストン大学のロバート・ソコロウプリンストン名誉教授（2025年1月28日撮影）。（c）SAUL LOEB/AFP

【AFP＝時事】米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は28日、人類が滅亡するまでの残り時間を象徴的に示す「終末時計」の針を1秒進め、滅亡まで過去最短となる「残り89秒」とした。核兵器使用のリスク増大のほか、ドナルド・トランプ米政権が気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱、世界保健機関（WHO）からの脱退へ向け政策転換したことなどが要因。

同誌の理事会メンバーであるノーベル平和賞受賞者のフアン・マヌエル・サントス元コロンビア大統領は米首都ワシントンで記者会見し、「終末時計は真夜中まで89秒となり、過去最も滅亡に近づいている」と語った。サントス氏は、各国の元指導者らでつくる人道活動グループ「エルダーズ」の議長も務めている。

サントス氏は、トランプ氏がロシア、中国との外交を約束したことを歓迎しながら、米政権がパリ協定とWHOからの撤退を表明したことについて、地球にとっての二大リスクへの取り組みからの後退につながるとの考えを示した。

一方、別の理事会メンバーで、公衆衛生専門の米科学者スゼット・マッキニー博士は、人工知能（AI）の進歩が感染症のリスクを複雑にし、悪意を持つ者が生物兵器を拡散させるリスクを増大させ得ると警告した。

【翻訳編集】AFPBB News