LA山火事、気候変動で35%発生しやすく
AFPBB News / 2025年1月29日 17時37分
【AFP=時事】米ロサンゼルス市とその周辺地域で発生したこのほどの山火事について、人為的な気候変動による降水量の減少と草木の乾燥、さらには火災が起きやすい空気の乾燥した状態と高温で乾燥したサンタアナの風が吹く期間が持続的に重複したことがその背景にあったとする研究論文が28日、発表された。
専門家数十人が参加したこの研究では、山火事が起きやすい気象条件が、化石燃料の燃焼による地球温暖化によって約35%発生しやすくなったと結論付けた。
ロサンゼルス市とその周辺で7日に発生した山火事では、少なくとも29人が死亡、家屋1万棟以上が損壊。同市史上最悪の被害をもたらした。
研究では、山火事の直接の原因には触れていない。その代わりに、気象データと気候モデルを分析し、世界の平均気温が産業革命以前と比べて1.3度上昇した現在の気候において、今回の山火事とその背景にあった状況を調べた。
研究の結果、気候変動によって高温で乾燥し、風の強い状況が発生する可能性が1.35倍高まっているとした。
また、2100年までに世界の平均気温が産業革命前と比べて2.6度上昇するという現在のシナリオでは、山火事が発生しやすい同様の状況が1月に発生する可能性は、さらに35%高くなると警告している。
歴史的に10~12月の降雨は、山火事シーズンの終わりを示している。だがここ数十年、こうした雨は減少している。
この研究では10~12月の降水量が減少する可能性が、エルニーニョでもラニーニャでもないニュートラル(中立)な状態で2.4倍高くなり、12月と1月のサンタアナの風のシーズンのピークまで山火事が発生しやすい乾燥した状態が続くことも明らかになった。
【翻訳編集】AFPBB News
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