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上司や友人、家族にする「転職相談」は役に立たない? 人材コンサルが教える“受け取り方”の正解は

オールアバウト / 2024年5月17日 21時15分

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転職の際、人に相談したくなるものだが、もらった助言をどのくらい真に受けるかは悩ましい。会社の同僚、先輩、上司、はたまた会社とは無関係の友人、家族など、親しい人にする転職相談の受け取り方について考える。

これまで、あなたは転職相談を誰にしてきただろうか。会社の同僚、先輩、上司、もしくは会社とは無関係の友人だろうか。兄弟や両親、妻や夫のようなパートナーに相談するという人もいるかもしれない。

一方、他人には転職相談をしたことがないという人もいるだろう。後に転職の報告はするが、事前に転職相談はせず、自分で考え、そして決断したという人も少なくないはずだ。

相談した相手次第では、自らの転職判断をゆがめられる可能性がある、そう警戒する人もいるのだろう。

親しい人にした転職相談をどう役立てるべきか、注意したい転職相談のポイントについて考えてみよう。

最も多い転職相談は「転職の損得勘定」を評価すること

転職の際、人に相談したくなるものだが、もらった助言にどのくらい従うかは悩ましいのではないだろうか。転職相談をする人の動機、それは転職に失敗したくないからだ。

この転職の判断が正しいのか、自信がない場合もある。仮に、いい転職になると確信していても、第三者の意見を聞くことは有益だと考える人も多いのではないだろうか。

なぜなら、転職の失敗の代償は大きいからだ。転職の失敗を経験したことがある人なら、よく理解できるはずだ。

もう少し我慢して元の会社に残っていればよかった、迷っていたもう1社の方に転職した方がよかったかもしれない、もし誰かに事前に自分の転職について相談していたら、別の決断に至っていたかもしれない。そう思うから、転職相談をするのである。

実際、最も多い転職相談は転職の損得勘定を評価することである。転職先の会社はいい会社か、この転職はキャリアアップになるか、この程度の待遇改善で納得していいだろうかなど、転職そのものの損得勘定について他人の意見を聞きたい人は多い。

転職先企業の人気ランキングや年収ランキング、転職市場における自分の市場価値などが気になるのは、誰しも損をしたくない、できれば得をしたいと考えるからである。

ただ、この判断は実は難しい。なぜなら転職することで何を重視したいのか、それは人によって異なり、当然、転職にあたっての損得勘定も人それぞれとしか言いようがないからだ。

友人や上司、家族からの助言に含まれるバイアスを知っておく必要がある

日頃から仲の良い同僚や先輩、友人など、あなたと同格の立場にいる人は、あなたとの人間関係の継続性に悪影響がないように配慮をしながら、あなたの承認欲求を満たす方向に話を持っていきがちだ。

親しいがゆえに「忌憚なき意見をしてほしい」と相手に伝えたとしても、「下手なことは言いたくない」という心理が働くのが自然であり、特に否定的な意見を言うことは難しい場合が多い。

また、もし相手が後にその転職に失敗したとしても、そのことに責任を持ちようがないため、「転職すべき、もしくは転職すべきでない」というような突っ込んだ発言をすることは避ける人が多いのではないだろうか。

親しい間柄であればあるほど、こうした状況下での発言には慎重になる人は多いだろう。

転職で期待するような結果が出ず、悲しみと後悔の淵にいるとき、人は自分以外の誰かに責任転嫁したくなるものだ。親友からのアドバイスに背中を押されて転職を決断した人が、後にその親友との関係がぎくしゃくしたという話は枚挙にいとまがない。

また、相談相手が仕事のできる信頼している上司であったとしても、その上司には自分の置かれた立場があり、特に優秀な部下が転職を迷っているとしたら、本人を思いとどまらせるのが会社の立場上、上司の大切な役割であって、それを度外視して部下の転職の相談に乗ることは少ないだろう。

家族の場合も同様だ。例えば、あなたの両親が終身雇用型の日本企業で長年働いてきたとしよう。実力主義が徹底されている外資系企業に転職しようとするあなたに対して、どのような根拠をもって転職判断ができるだろうか。

時代も違うし、親子でも似た性格もあれば異なることもある。あなたに合っている、合っていないと言うことはたやすいが、本当にそうだろうか。

基本的に、相談された相手にもさまざまな感情があるため、本当に相手にとってプラスとなるような合理的な判断をもとにしたアドバイスをしているかといえば、そうではないかもしれない点に注意が必要だ。

そもそもアドバイスというのはその人の価値観や生き方などに基づいた主観によるものだし、相手に対する好き嫌い、嫉妬や妬みの感情なども混じれば、適切なアドバイスなのかどうか疑わしい場合がある。

情報取得を怠らず、プラス・マイナス両面を考慮して決断した者に道は開かれる

よって、転職相談は、あくまで転職先の企業やその仕事に対する追加情報の収集といった認識に留めておくのがいいだろう。転職をするときは、さまざまな立場の人からできるだけ多くの企業情報や業界情報を得ることが大事だ。

転職先の企業について、自分が知らない情報を他者から教えてもらって、自らの判断材料を増やすのである。

情報の収集に留めると意識している場合でも、親しい知り合いや付き合いの長い人、特に自分よりも目上の人から話を聞くと、つい相手の話を信じがちなので、できるだけ複数の人から情報を仕入れて、その情報の正確性を確認してみる必要がある。

特に転職先候補の会社からは、入社後にどのような挑戦が待ち受けているか、具体的にできるだけ多くの生の情報を入手すべきである。

その上で自分が能力的に、そして経験的に相手の期待に応えることができそうであるか、そこを総合的に判断することが必要だ。待遇の良し悪しは、転職するタイミングや相手の会社の基準、そしてあなたの過去の実績が総合的に加味された評価となる。

もちろん運不運もある。職場の人間関係や職場環境、社風も大事である。これらすべては、やはり転職の当事者であるあなたが一番よく知っている必要がある。完璧に情報収集することは無理なため、適度なところまででいいだろう。

マッチングについては親しい人との会話の中で、自分でよく考えてみるといい。他人の意見を鵜呑みにはしすぎないことだ。

転職は、総合的な判断でするものである。大事なことは、そうした事前の情報収集や他社の意見に耳を傾ける努力を怠らず、その上でこの転職にはどのようなリスクがあるのか、それを想定しておくことである。

プラス面だけでなく、マイナス面もあることを理解した上で、リスクを取ってチャレンジすることで、誰しも成長するチャンスが生まれるはずだ。転職は慎重に考え、最後の決断は大胆にする。転職で自分の人生を前向きに切り拓いていこう。
(文:小松 俊明(転職のノウハウ・外資転職ガイド))

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