山下智久主演『ブルーモーメント』が大好評! 視聴者が思わず感情移入してしまうワケとは?
オールアバウト / 2024年5月22日 18時30分
山下智久さんが主演を務めるドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ系)が、放送のたびに大きな話題を集めています。この記事では、『ブルーモーメント』の魅力を、元テレビ局スタッフが徹底解説していきます。(サムネイル画像出典:『ブルーモーメント』公式Webサイト)
山下智久さんが主演を務め、放送のたびに話題を集めているドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ系)。災害をテーマとした新感覚のドラマとなり、小沢かなさんによる同名の漫画作品が原作となっています。
第1話の視聴率は、「水10ドラマ」が復活してからの数値で歴代トップを記録。さらに、「無料見逃し配信」が255万再生を達成したことをフジテレビが発表しました(ビデオリサーチが算出、TVer・FODの4月24~30日までの7日間の合計値)。
大きな話題を集めている『ブルーモーメント』ですが、この記事ではまだ見ていない人のために作品の魅力を解説。全てのテレビドラマをチェックする元テレビ局スタッフの筆者が、分かりやすく『ブルーモーメント』の楽しみ方を伝授いたします。
災害に立ち向かう「SDM」が活躍
まず、『ブルーモーメント』のあらすじを解説していきます。山下さんが演じる主人公・晴原柑九朗は、報道番組のお天気コーナーに出演する有名な気象庁気象研究所の研究官です。人気の高い気象予報士として有名なのですが、その裏では甚大な気象災害から人命を守る「SDM(特別災害対策本部)」を率いています。このSDMは内閣府直属の部隊で、晴原は気象班統括責任者を担当。現場の指揮を取り、気象データを基に割り出した情報で、さまざまな災害から人命救助を行います。SDMには気象班の他に、消防班、医療班、情報班、ドライバー兼料理人、通信班が所属。階級や年齢に関係なく、各所から能力本位で集められたエキスパートで構成されています。
今回の『ブルーモーメント』では、それぞれの災害に対して晴原が正確な気象情報を割り出し、そのデータを基に各部隊が動いて人命救助を実行。全ての班が協力しなければ救助できないような難しい災害ばかりで、毎回手に汗握る展開が繰り広げられます。
救助のツワモノたちが次々と仲間になっていく展開が魅力
そんな『ブルーモーメント』ですが、5月15日に放送された第4話までの間に各班のエキスパートがそろいました。第1話では、序盤で出口夏希さん演じる雲田彩が派遣スタッフとして登場。さらに、福島県北部で発生した大規模な雪崩の被害者救助で、ドライバー兼料理人の丸山ひかる(仁村紗和)、情報班の山形広暉(岡部大)が紹介されます。遭難救助を行う中で、過去に晴原との因縁があった消防士長・園部優吾が信頼できる仲間に。若手俳優として注目される水上恒司さんが園部を担当し、第2話までにわたり極限状態での救出劇を晴原と共に実行。互いの能力を認め合いながら、2人はわだかまりがいつしか消えSDMの一員として力を合わせるようになります。
そして、第3話では大規模火災に対応する中で、かつて天才脳外科医と言われた夏帆さん演じる汐見早霧がSDMに加入。汐見は当初、SDMへの参加を渋っていましたが、過去のトラウマと向き合うことで人命救助の最前線であるSDMに加入することを決意します。
『ブルーモーメント』は、活躍する登場人物のバックボーンを描きながら仲間に加えることで、視聴者が感情移入しやすいように構成。RPGを進めるように強力な仲間を晴原が増やし、どんな災害にも対応できるSDMを作り上げる様子が見られます。SDMがチームとして強くなっていく様子をわれわれは一緒に追いかけることができ、視聴者も含め一体感が生まれ、ドキドキ、ワクワクしながら楽しくドラマを見られるのが魅力です。
日本で身近な「災害」がテーマの“世界的にも珍しいドラマ”
さて、チームとして放送回を重ねるごとに強力になっていくSDMですが、立ち向かうのはさまざまな災害です。ドラマの高田雄貴プロデューサーも公式サイトで語っていますが、「気象災害に立ち向かう世界的にも珍しいドラマ」となっています。現在、日本では地震を中心として多くの災害が各地で起きています。そんな日本に住んでいるわれわれだからこそ、ドラマの中で起きている災害は人ごとではありません。ここまで『ブルーモーメント』では、雪崩や火災、台風がテーマとなり、多くの人が被災者になる可能性の高い災害ばかり。身近に迫る可能性があるテーマだからこそ、見ているわれわれもドラマに引き込まれていきます。
ラブストーリーや複雑な伏線回収がテーマのドラマが多い中、『ブルーモーメント』は真っ向から災害に立ち向かう勇敢な戦士たちの姿がテーマに。現実に多くの災害が起きている中で、SDMメンバーのように救助活動を行っている人たちが多くいます。このドラマは、そんな国民の味方たちの姿を思い浮かべながら見ることができ、災害に対しての備えや心構えをしようと思い起こさせてくれる作品です。
また、ドラマの中ではさまざまな専門用語や災害への対応策も登場。番組の公式Webサイトでは、「気象監修・荒木健太郎先生の気象解説!」として、それぞれのストーリーに関連した気象情報などを解説しています。子どもが見ても理解できるストーリーとなり、親御さんにもおすすめのドラマといえるでしょう。
フジテレビが挑戦ともいえる取り組みを行っている『ブルーモーメント』は、歴史的な作品として必見の内容となっています。
【ネタバレあり】今後『ブルーモーメント』はどうなっていくのか?
そんな『ブルーモーメント』ですが、災害に立ち向かうメンバーの活躍とともに、SDMを巡った政治家たちのきな臭い動きも裏で描かれています。SDMは舘ひろしさん演じる内閣府特命担当大臣(防災担当)の園部肇一を中心に設置。メンバーを信じ、全面バックアップする頼れる上司として描かれています。そんな園部とSDMに対峙(たいじ)するのが、真矢みきさんが担当する総務大臣の立花藍です。今後のストーリーの中では、立花がSDMの前に立ちふさがりさまざまな因縁が描かれていきそうです。
また、多少のネタバレとなりますが、晴原の亡き婚約者である園部灯(本田翼)は肇一の一人娘。灯は想定外の豪雨で命を落とし、晴原は恋人を救えなかったトラウマを抱えています。2人は同じ悲しい過去を共有し、SDMの設立にもこの災害が大きく関係しているようです。灯の死という因縁も今後はストーリーの大きな鍵となりそうで、展開が気になります。
シリーズ化や映画化にも期待!?
そして、筆者の憶測になりますが、『ブルーモーメント』は山下さんが主演を務めた『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)と同じく、シリーズ化や映画化が想定されているように感じます(※筆者の願望も大いに含む)。ここ最近のドラマでは珍しく、『ブルーモーメント』は圧倒的なスケールの撮影を行っています。気象庁、国土交通省、東京消防庁の協力を受けており、第3話では街中で迫力ある放水シーンも披露。とにかく、フジテレビのドラマの中では桁外れの予算感で撮影が行われています。
さらに、同局の『コンフィデンスマンJP』シリーズ、『翔んで埼玉』シリーズを手掛けるスタッフも制作に参加していることもあり、否が応でも映画化の期待が出てきます。もちろん公式に発表されているわけではないですが、そんな憶測をしてしまうほど『ブルーモーメント』は魅力的な作品に仕上がっているといえます。
今期の春ドラマではスケール感、設定の斬新さで他のドラマを引き離している『ブルーモーメント』。TVerなどで追いかけることも可能なので、まだ見ていない人はぜひとも第1話から視聴してみてください。
この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。
(文:ゆるま 小林)
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