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遺言書を法務局が預かってくれる?自筆証書遺言書保管制度ってなに?

オールアバウト / 2024年6月3日 19時5分

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遺産相続で子や孫に揉めてほしくないと思う方は多いのではないでしょうか。その際は「遺言書」を書いておくことで遺族が争うリスクを減らすことができます。今回は自分で遺言書(自筆証書遺言)を作成した際に利用できる「自筆証書遺言書保管制度」について解説します。

遺産相続で子や孫に揉めてほしくないと思う方は多いのではないでしょうか。その際は「遺言書」を書いておくことで遺族が争うリスクを減らすことができます。

自分で作成する「自筆証書遺言」は手軽ですが、紛失や偽造の可能性もあります。そのため「自筆証書遺言書保管制度」を利用すると安心です。今回は自筆証書遺言書保管制度について解説します。

自筆証書遺言書保管制度とは?

自筆証書遺言書保管制度とは、自分で作成した遺言書(自筆証書遺言)を法務局が預かり、亡くなった際には遺族に遺言書の存在を知らせてくれる制度のことです。

遺言書には「公正証書遺言(*1)」「秘密証書遺言(*2)」「自筆証書遺言」の3種類があります。そのうち「自筆証書遺言」は費用がかからない、自分だけで作成でき手軽、などのメリットがある一方で、本人が全文(*3)を手書きで作成し日付および署名・押印するなど一定の要件を満たさないと無効になる、亡くなった際に家庭裁判所の検認(*4)が必要、紛失や改ざんの可能性がある、などのデメリットもあり、相続時に故人の意向が反映されないリスクがあります。

自筆証書遺言書保管制度は作成した遺言書を法務局が預かるため、紛失や偽造などのリスクがなく、亡くなった際は指定した遺族に通知が届くため、遺産配分など故人の意向を遺族に正確に伝えることができます。また検認の必要もありません。

*1:2名以上の公証人が遺言者から聞いた内容を文章にまとめて作成する遺言書
*2:遺言内容は秘密のまま封じ、遺言書の存在だけを公証人に証明してもらう遺言書
*3:2019年1月13日以降、財産目録はPCや代筆での作成も可能
*4:相続人に対し遺言の存在および内容を知らせ、遺言書の偽造などを防止する手続き

自筆証書遺言書保管制度を利用するには?

自筆証書遺言書保管制度を利用するには、法務局に事前に申請の予約をしておく必要があります。予約は法務局の窓口以外に、電話やホームページでも受け付けています。

保管の申請は「遺言者の住所地」「遺言者の本籍地」「遺言者が所有する不動産の所在地」のいずれかを管轄する法務局(遺言書保管所)に行います。

なお予約した日には、遺言者本人が申請した法務局(遺言書保管所)に出向く必要がありますので、申請する法務局は近隣を選んだ方が無難です。

申請に必要な書類や費用は?

自筆証書保管制度の申請にあたっては、以下に挙げる書類と手数料が必要です。

・自筆証書遺言書
・保管申請書
・住民票(本籍・筆頭者の記載があるもの)
・本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
・手数料3900円(1件につき)

なお保管申請書は予約する際に法務局窓口で受け取るか、法務省のホームページからもダウンロードすることができます。

自筆証書遺言書保管制度の注意点は?

自筆証書遺言書保管制度は「法務局が遺言書を預かってくれる」制度であり、遺言書の内容についての審査は行いません。また作成についての相談には応じてくれないので、あらかじめ書式に則った遺言書を作成しておく必要があります。

自筆証書遺言書を作成する際の主な注意点は以下の通りです。

・本人が全文(*3)を手書きで作成
・財産目録をPCや代筆で作成した場合はページごとに署名押印
・加筆・削除の箇所は変更箇所に押印し、変更したことを付記し署名
・作成した日付を手書きで記入(○年○月吉日などは不可)
・本人の署名を記入
・本人の押印(認印も可だがスタンプ印は避ける)

*3:2019年1月13日以降、財産目録はPCや代筆での作成も可能

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は法務局が遺言書を預かってくれる、自筆証書遺言書保管制度について解説してみました。子や孫のためを思って残した財産も、それが原因で相続時に争族(*5)が起きては故人も浮かばれません。たとえ少額の財産でも争族は起こる可能性があります。自筆証書遺言は他の遺言方法に比べ手間も少なく、保管制度は3900円で利用できます。皆さんも時期が来たら、遺言書を作成し法務局に預けておくことを検討してはいかがでしょうか。

*5:遺産を巡り親族で争うこと

文:川手 康義(ファイナンシャルプランナー)

CFP・1級FP技能士。製薬会社に勤務し、お金にも詳しいMR(医薬情報担当者)として活躍。日本FP協会に所属しており、協会会員向けの研修会や一般の方へのセミナーの企画・運営活動にもボランティアとしてかかわる。
(文:川手 康義(ファイナンシャルプランナー))

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