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鉄道ファンが驚いた、クルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS」のJR東海エリア運行

オールアバウト / 2024年6月1日 9時30分

鉄道ファンが驚いた、クルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS」のJR東海エリア運行

東急のクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS」は、横浜~伊豆急下田の通常運行に加え、全国展開第3弾としてJR東海エリアで静岡・富士クルーズトレインを運行すると発表した。運行の背景には何があるのだろうか。JR東海に聞いた。

東急のクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS(ザ・ロイヤルエクスプレス)」は通常、横浜~伊豆急下田間で運行している。それに加え、全国展開として、これまで北海道クルーズ、四国瀬戸内クルーズを行ってきたが、第3弾としてJR東海エリアで静岡・富士クルーズトレインを運行すると発表した。どんな旅になるのか、詳細を見てみよう。

新たな観光列車「THE ROYAL EXPRESS ~SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN~」とは

東急とJR東海は、2024年5月30日に静岡市内で両社社長による記者会見を行い、東急のクルーズトレイン「THE ROYAL EXPRESS」を使った観光列車を運行すると発表した。2024年11月から12月にかけて、3泊4日のツアーを6回催行する。「THE ROYAL EXPRESS ~SHIZUOKA・FUJI CRUISE TRAIN~」という名称で、横浜駅を出発、東海道本線を西に向かう。熱海駅からJR東海の管内に入り、車窓から富士山を眺めながら昼食。富士川駅で折り返し、三島駅着。伊豆の名宿に宿泊する。車窓から眺める富士山の麗姿(写真は東海道新幹線からのもの)2日目は沼津駅から乗車。東海道本線を西進し、浜名湖畔の新居町駅まで。東海道の宿場町・新居町を観光後、浜名湖畔の宿に滞在する。

3日目は、浜松駅から静岡駅まで乗車。車内で静岡の海の幸をたっぷりと味わいながら、のんびり3時間かけて移動する。希望者は久能山東照宮を観光し、日本平ホテルへ。日本平ホテルに宿泊(写真提供=東急)最終日(4日目)は、静岡駅から横浜駅までクルーズのフィナーレ。車内で、名店「羅漢」の絵画のように彩られた料理を楽しみながら、旅を終える。名店「羅漢」の絵画のように彩られた料理(写真提供=東急)

クルーズの料金、申込方法、列車の運行形態

3泊4日の行程マップ(東急の公式Webサイトより)3泊4日の料金は、宿の2名1室利用の場合、最低で75万円(税込)から。複数の宿を選べるので、いくつかのプランがあり、最高は114万8000円(税込、1名1室利用)。

公式Webサイトもしくは郵送での申し込み受付後、希望者多数の場合は抽選での販売となる。募集人員は1回あたり30名(最少催行人員16名)。

なお、列車は8両編成。北海道クルーズ、四国瀬戸内クルーズの場合は、非電化区間(北海道の大半の区間)や狭隘(きょうあい)トンネルの存在(JR四国の予讃線)ゆえに自力走行できず、機関車牽引で5両編成と短い編成だった(電源車の容量の関係)。今回は、全線直流電化区間で車両通行の妨げとなる箇所もないため、電車としての自力走行が可能で8両フル編成で運行する。

もっとも、東海道本線はわが国屈指の幹線であり、地域輸送と貨物輸送がメインではあるものの、列車本数は極めて多い。クルーズトレインは、列車をゆっくり楽しむというコンセプトでもあるので、車内での時間を十分に確保することが求められる。したがって、通常の列車の合間を縫ってダイヤを作成するのに苦労した、とのことだ。車窓からのオーシャンビューも期待できそうな静岡・富士クルーズトレイン

クルーズトレイン運行の背景は?

地域輸送と貨物輸送に専念している比較的地味な路線(東海道本線静岡エリア)でのクルーズトレイン運行は注目の的だ静岡県とJR東海の関係は、リニア着工問題がこじれているために話題となっている。ただし、JR東海によると、今回の企画は、これとは関係はないとのこと。目的は静岡エリアの観光振興・ 地域活性化を図るため。静岡地区で事業を展開する鉄道会社として地域の人々との連携は重要であり、今回はそうした機会の1つであると考えている、とコメントしている。

東急は、2023年3月の新横浜線開業以来、JR東海との協力関係を強め、東海道新幹線塗装のラッピング車両を走らせるなどして新横浜駅利用者を開拓し、利用増を図っている。そうした連携の第2弾がクルーズトレインの走行にあるのかもしれない。

これまで、観光列車走行に関しては消極的であったJR東海の方針変更とも思える快挙に驚いた関係者は少なくない。観光地としては一流のエリアだけに、好評を博すとともに、地域活性化に貢献でき、かつクルーズトレイン運行が末永く継続することを祈って止まない。

取材協力=東急、JR東海

この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。(文:野田 隆)

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