「職場結婚」なんてタイパが悪いだけ……今どきの婚活は合理性重視の「タイパ婚」が主流?
オールアバウト / 2024年6月12日 22時5分
Z世代において「タイパ」は婚活にも及びます。ゆっくりと親密になるような付き合いよりも、マッチングアプリで条件に合致した相手と短期間で結婚するほうが「タイパが高い」と考えるそう。「タイパ婚」あなたはどう思いますか?
Z世代において「タイパ」は婚活にも及びます。職場などの身近な出会いからゆっくりと親密になるような付き合いよりも、マッチングアプリで条件に合致した相手と短期間で結婚するほうが「タイパが高い」と考えるそう。
「タイパ婚」あなたはどう思いますか?
「Z世代」にとっては婚活すら“タイパ”の時代?
タイパとは「タイムパフォーマンス」の略。コスパ(=コストパフォーマンス)が費やした金額に対する効果や満足度を指すように、タイパは費やした時間に対する効果や満足度を指します。「Z世代」において、タイパは重要なポイント。この年代の若者は、仕事に時間を費やし(お金を稼ぎ)、消費(浪費)するよりも、そこそこの収入で節約し自分の時間を得ることを好みます。
時間においてはタイパ重視──極力ムダを省き合理的に進める傾向は、動画の倍速再生やTikTokのショート動画などの影響もあると思われます。
子どもの頃からスマホを使いこなしているZ世代にとっては、選びきれないほど膨大な情報を効率よく収集するために、タイパを日頃から意識するようになっているのでしょう。
彼らにとっては、婚活すらもタイパ重視。職場などの身近な出会いからゆっくりと親密になるような付き合いを好むのは少数派なのかもしれません。
タイパ的視点で考えれば、もっとも効率的なのはマッチングアプリや結婚相談所。はじめから結婚を目的とした出会いならば、意気投合してゴール(結婚)へ向かう道のりは最短コースを辿れます。
マッチングアプリ『Omiai』を手掛ける株式会社Omiaiによると、同マッチングアプリユーザーは、職場婚の夫婦と比べて約1/3ほどの短い期間で結婚に至る(※)とのこと。
※“出会いから結婚までの期間”における「ライフスタイルに関するアンケート」
出会いから交際を経て結婚に至るまでの期間が、職場などであれば相当の時間を要するのに対し、マッチングアプリであれば最初から結婚を見据えた相手探しなので、効率よく短期間で進められます。
20代のマッチングアプリ登録者が増加しているのも、婚活にタイパを求める傾向の表れではないでしょうか。
交際期間が長ければいいというものではない
かつて恋愛結婚のスタンダードといわれた「職場結婚」は、出会ってから交際に至るまで時間を要し、また恋人になってから結婚を決めるまでも数年かかるのが普通でした。昨今は社内恋愛を禁止している企業も少なくないため、例え恋愛感情を抱く相手がいてもコンプライアンス的に進展を望めないこともあります。
職場結婚が多い環境であろうと、別れを恐れ交際そのものに二の足を踏んでしまったり、結婚後のことを考えプロポーズのタイミングを逃してしまうなど、順風満帆にいかないケースは多々あります。
Z世代的にはまさに「タイパが悪い」のでしょう。
マッチングアプリと違い、リアルな恋愛結婚は「愛する人とずっと一緒にいたい」という望みをかなえた結果です。さぞかし幸せな結婚生活になるのではないかと(未婚のうちは)想像すると思います。
しかし実際のところ、交際期間が長くなるほど結婚生活は新鮮味が薄れます。同棲していたらなおのこと、もはや妊娠でもしない限り、結婚することに意味が見いだせなくなってしまうことも……。
筆者の友人に、10年以上交際したあげく「(女性の年齢的に)責任を取る」ようなニュアンスで結婚したカップルがいました。
2人は10年以上も気が合っていたはずなのに、結婚した途端関係がギクシャクしてしまい、結局1年ほどで離婚してしまいました。
長く付き合い互いをよく知っていたとしても、夫婦として良い関係が築けるとは限りません。むしろ知り過ぎるほど相手への期待が薄れたり、結婚によって逆に「外に刺激を求め」相手を裏切ってしまうことも。
しかし逆にマッチングアプリで電撃婚といった「短期間の交際で結婚を決める」のも、リスクを伴います。
何より相手を知らなすぎる場合、ちょっとしたことで衝突したり「こんなはずじゃなかった」と冷めてしまったら、結婚生活を続けていくのは難しくなるでしょう。
時間や若さは有限……「タイパ婚」は合理的な面も
恋の醍醐味(だいごみ)ともいえる「あの人、私のこと好きなのかな」という好意の探り合いや駆け引き、交際スタートしてからプロポーズされるまでの「恋愛ドラマ」な時間……それらを「タイパが悪い」と一蹴する人は、マッチングアプリや結婚相談所のように「目的ありきの出会い」から結婚するほうが合っていると思います。しかし、婚活市場にいる人が全てタイパ重視とは限りません。例えば筆者は今の夫とマッチングアプリを通じて出会いました。
交際スタートから結婚内定(互いに結婚前提の関係と認識した)までは半年くらいでしたが、実際に入籍するまでは丸3年の時間を要しています。
もちろんそこには互いの事情があったのですが、もし相手が「そんなに待てない」と思ってしまったら、たとえ両思いであろうと「タイミングが合わない」という理由で白紙になっていたかもしれません。
時間は有限。若さも同様。結婚したいのにかなわない時間が長引くほど、婚活市場においても結婚相手に巡り合うことが難しくなっていきます。
ならばタイパを意識し、ダメなら「はい次」と気持ちを切り替えていった方が、早く結婚できる相手に出会えるでしょう。
恋愛期間を経るかどうかと結婚生活がうまくいくかどうかは必ずしも合致しないので、マッチングアプリで結婚相手を見つけるのは理に適っているといえます。
「結婚生活もタイパ」はNG! 時間をかけて向き合うことも重要
しかしタイパ婚活にて結婚できたとしても、その後の結婚生活においては、なるべくタイパを意識しないで欲しいと筆者は望みます。結婚はしてからがスタート。結婚生活は(離婚しない限り)一生続くもの。
例えば妊活してもなかなか子どもができなかったり、新居を買いたくてもなかなかお金が貯まらなかったりしても、すぐに投げ出して「離婚」してしまったら元も子もありません。
あなたに残るのは、戸籍についた離別の痕跡と「なんで結婚なんかしちゃったんだろう」という後悔だけ。
結婚生活がうまくいかず「辛かった」「無駄だった」と感じる時間が積み重なってしまったとしても、夫婦として問題を解決しようと努力したことは、他では得難い貴重な経験です。
ギリギリまで投げ出さず向き合い続けたならば、解決できなかったとしても後悔は残りません。
もちろん、解決できたあかつきには、問題を夫婦で乗り越えた経験がふたりの絆となり、結婚生活のステージは上がっていくはず。
いくら願っても、結婚したい相手と両思い(結婚する意思の合致)にならなければ、結婚は成立しません。結婚相手は世界でたった1人、深い縁が生まれた故の「契約」です。
大事なのは、一生かけて「自分の家庭」を夫婦で作り上げていくこと。タイパであろうとなかろうと、その伴侶となる相手に巡り合えればいいのです。
(文:島田 佳奈(恋愛ガイド))
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