やっと貯まった「1000万円」!賢い使い方って?
オールアバウト / 2024年6月18日 11時30分
![やっと貯まった「1000万円」!賢い使い方って?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/allabout/allabout_107792_0-small.jpg)
先日、こんな質問をいただきました。「やっと1000万円を貯金できました。でも、貯金が増えても生活は楽にならず、お金の扱い方が分かりません。これから、どうすればよいでしょうか?」。今回は、この質問にお答えします。
先日、こんな質問をいただきました。
「やっと1000万円を貯金できました。でも、貯金が増えても生活は楽にならず、お金の扱い方が分かりません。これから、どうすればよいでしょうか?」
今回は、この質問にお答えします。
そもそも、貯金はあくまで「有事の備え」
本題へ移る前に、そもそもの話として「貯金は効率が悪い」ことを説明します。ほどよい貯金は「有事の備え」になります。しかし、度がすぎると「宝の持ち腐れ」です。
極論、お金はただの紙切れです。しかも、この紙切れの価値は日に日に薄れていきます。なぜなら、国が次々にお金を印刷していて、希少価値が薄れていくからです。
通貨の価値が薄れること。これを「インフレ」と言います。物価が上がり、通貨1枚1枚の価値が減ってしまうのです。
さいきんは、日本でもインフレが起きています。2022年度、日本の消費者物価指数は前年比3%上がりました。つまり、「1年で3%物価が上がり」「1年で3%貨幣価値が下がった」ということです。
そんな「ただの紙切れを蓄える(=貯金する)」ことに、何の意味があるのか?というと、それは「有事に備えるため」です。
有事に備えるというのは、大きな支出に備えて、念のため、すぐに使えるお金を用意しておく……ということです。たとえば、急に病気になるとか、ケガをするとか、そういったときに、蓄えておいたお金が役に立ちます。
しかし、蓄えは「あればあるほど良い」……というワケではありません。
たとえば、手元に1億円のお金を「有事に備えて備蓄する」ことは、自宅に非常食や飲料水を10年分、蓄えるようなものです。宝の持ち腐れです。1年分の生活費が貯まっていれば、有事に対応するには十分でしょうから、多すぎる蓄えは「もったいない」と言わざるを得ません。
お金の価値が低下する?インフレの脅威
先にも述べたとおり、お金はインフレで価値が下がります。肉や魚が腐るのは「あっという間」なので分かりやすいですが、お金の価値が下がっていくのには時間がかかります。何年もかけて少しずつ下がるので、なかなか危機感が出てこないのが恐ろしいところです。少し話が逸れますが、1つ経験則をご紹介しましょう。それは「世界で争いが増えるほどインフレが加速する」という経験則です。
バブル崩壊以降、日本の物価はほとんど上がりませんでした。それは、米ソ冷戦が終結してから、大きな争いがなかったからです。世界中のものを安く手に入れられる時代だったからこそ、ここ30年、僕らは「安い買い物」ができました。
しかし近年、その前提が崩れてきています。ロシアがウクライナを侵攻してから、物価が急騰しています。
ちなみに、前回の冷戦があったときには、日本では激しいインフレが続いていました。
たとえば、吉野家の牛丼を例にとって考えてみましょう。吉野家の牛丼は1965年までは120円でしたが、1990年には400円になりました。25年で価格は「2倍以上」になっていたのです。
「世界で争いが増えるほどインフレが加速する」という経験則は、いまも昔も変わりません。
インフレが起きる世界では、過度な貯金は腐っていきます。だから、腐らせないためにも、うまく使い道を見つけて、融資をするなり、投資をするなりしたほうが良いです。
お金の賢い使い道は3つ
過度な貯金を腐らせないために、賢く使う方法は3通りあります。1:誰かに貸し出して、金利を受け取る
1つは、「誰かに貸し出して、金利を受け取る」ことです。たとえば、僕らの場合は「上場企業にお金を貸し出す」とか「国にお金を貸し出す」といったことができます。もちろん、お金を貸すのにはリスクが伴います。ですが、その対価として利息を受け取れます。
「お金を持ち腐れにするリスク」を取るか、「企業に貸し出して貸し倒れにされるリスク」を取るか。この2つのリスクを天秤にかけて、より美味しいほうを選ぶと良いでしょう。
2:誰かに投資して、配当を受け取る
もう1つは、「誰かに投資して、配当を受け取る」ことです。たとえば、僕らの場合は「上場企業に投資する」とか「自分自身に投資して事業を興す」といったことができます。投資先を選ぶのが難しい場合は、インデックス投資などで運用すると良いでしょう。3:これから希少価値の高まるものを買う
さいごの1つは、「これから希少価値の高まるものを買う」ことです。たとえば、ロレックスなどの高級腕時計や、純金などを買うことが挙げられます。「将来、みなが欲しがる。でも生産量が限られている」というものを先回りして買うことで、貨幣よりはマシな資産になります(貨幣は自由に印刷されてしまう分、希少価値は薄れる一方だからです)。投資というよりは投機ですが、1つの選択肢として知っておくと良いでしょう。
まとめ
要点をまとめると、以下のように言えます。(1)貯金の目的は「有事の備え」
(2)貯金の度がすぎると「宝の持ち腐れ」になる
(3)お金も腐る(特に、世界で争いが増えたとき)
(4)お金の使い道は、「融資」「投資」「投機」の3つ
貯金が1000万円を超えてくると、ここから先はインフレが足を引っ張ります。貯めても貯めても、インフレのせいでお金が腐っていき、貯金の価値が目減りしていってしまうのです。
インフレの悪影響を少しでも抑えるためには「貯金は必要最低限」にして、賢くお金を使う必要があります。いまある貯金を腐らせないためにも、「どうやったらうまく使えるか?」と考えてみてはいかがでしょうか。
文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)
18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。
(文:中原 良太(個人投資家・トレーダー))
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