「男の短パン」「カジュアルおばさん」論争だけじゃない! 義母の“すっぴん批判”に華麗なる反撃
オールアバウト / 2024年6月18日 22時5分
![「男の短パン」「カジュアルおばさん」論争だけじゃない! 義母の“すっぴん批判”に華麗なる反撃](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/allabout/allabout_108073_0-small.jpg)
「男の短パン」はすね毛が気持ち悪いとか、「カジュアルおばさん」は若作りで痛いとか。性別とファッションを結び付けた話題がネット上で議論になったが、義母から「女性なんだから……」と服装やメイクについて批判されたという30代女性もいる。
X(旧Twitter)ではこのところ、男女のファッションについてさまざまな意見が投稿されている。最近では、「男性の短パン、ありかなしか」という話題を夕方のニュース番組でも扱っていた。
男性の「短パン」、おばさんの「カジュアル」問題
「女性のミニスカ、ありかなしかと言ったら女性たちは怒るだろう。これは男性差別」と男女ともに声を上げる人が多いなか、「悲報。女性は男の短パンが好きじゃないそうだ」と嘆く男性の声も多発。「男はこういうところで怒ってはいけない」という度量を見せたというか、本気で嘆いているというか。同時期、今度は「カジュアルおばさん」が話題になった。カジュアルおばさんをポジティブ表現と受け取った人も多かったが、実は「イタい若作り」とセットの言葉。Tシャツにジーンズ、スニーカーは痛い若作り、きれいめファッションを取り入れましょうという提案だった。
これに対する反発が、女性たちから寄せられた。
「うるせー、好きな服着させろ」「この夏、イタいカジュアルおばさんになってやる」など、吹っ切れたような威勢のいい明るさが心地いいくらいだ。まじめに受け取っていきり立ったりはしない。率直につまらない価値観を打破していく感がある。
「お食事なのに、その恰好?」という義母
カジュアルおばさんの何が悪い。女性たちのそんな声が聞こえてくるなか、「うちの義母は」と話してくれたマミさん(38歳)。「つい先日、1時間ほど離れたところに住んでいる義母が『お孫ちゃんの誕生日にみんなで食事しましょうよ』と言い出したんです。うちの娘は4歳。入れる飲食店は限られています。義母がうちのほうまで来てくれるというので、夕方の早い時間に近所のカジュアルなレストランを予約しました。
娘の誕生日であること、娘はまだしも2歳の長男もいるので騒いだら店を出ることなども告げました。ただ、そのレストランには家族で時々行っていることもあって『気にしなくて大丈夫ですよ』と言ってくれて……」
店も気遣って少しだけ早めに夕方、店を開けてくれた。義母とは店で待ち合わせたのだが、マミさん一家が入っていくと、義母はマミさんを上から下までじろりと見て、「あなた、お食事なのに、その恰好?」と呆れたような声を出した。
「2歳児がいますからね、私はブラウスっぽいTシャツにパンツ、ぺたんこ靴。息子が走り出したら追わなければいけないのでヒールなんて履けません。でも一応、きれいな色にしたんですよ。なのに義母は……」
夫はTシャツにジーンズである。だが義母は息子には何も言わない。義母はその後もマミさんの服にケチをつけそうだったのだが、夫はすかさず「子育てしてるとこういう服が一番なんだよ、オレもマミも」とさらりと言った。
「男なんだから」と夫だけ許す義母
「義母は、『あなたはいいのよ、男なんだから』って。わけのわからない理屈ですよね。義母は以前からそうなんです。女性はきれいでいるべき、夫より早く起きて化粧をするべき、とか時代錯誤的な意見をかましてくれる(笑)。夫が『無視すればいいよ』というタイプだから助かっていますが」その食事会では、義母は最後まであまり機嫌がよくならなかった。孫娘が笑顔を見せるとつられて笑みを浮かべるだけだった。
さすがにマミさんもイライラして、「お義母さん、ここはカジュアルなレストランですし、私たちがよく知っている店なんです。子どもがいるから身軽に動ける服装をしていないといけないこともわかってくれています。
万が一、子どもたちが何かあって走り出したら、私はそれ以上に早く走ってつかまえなければならないんですよ。わかってください」とはっきり言った。
すると義母、すっぴん批判を始める
「そうしたら、『服はいいわよ。あなたがまったく化粧をしないのはなぜ? そんなことじゃ夫に浮気されても何も言えないでしょ』って。化粧しないくらいで浮気するような男なんですか、あなたの息子はと言ったら、夫がプッと吹き出してしまって……。私も思わず笑いました。意味はわかってないのに、娘も息子もうれしそうに笑っていて。ね、みんなで笑いましょうよと義母を煙に巻くことに成功したんです」
そのときはそれで済んだが、義母の「カジュアル否定」は変わらず続いている。時短で働くマミさんは、めったに会わないからと今は右から左へと流しているそうだ。また、子どもたちがもう少し大きくなったら、髪の色を変えて遊ぼうと思っているという。この分では一筋縄ではいかないだろうと予測してはいるが。
「義母は今、60代後半。私が義母の年齢になるころには、青とか赤とか、いろいろな色に髪を染めて革ジャンでも着て歩きたい。母はこんなファッションをすべきとか、妻なら化粧をするべきとか、どうでもいいことなんですよね。義母にはわかってもらえないと思うけど」
よほどTPOを無視しない限り、好きなようにすればいいのだ。男性も女性も。それについて他者がとやかく言うべきではない時代である。
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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