「朝の果物」で太りやすくなることはある? 気を付けたい果物の種類と食べ方は【管理栄養士が解説】
オールアバウト / 2024年6月22日 20時15分
健康やダイエットを意識して、朝に果物を食べている人もいるかもしれません。しかし、食べる果物の種類や食べ方に気を付けないと、体重増加の原因となってしまうこともあるのです。注意したいポイントを解説します。
健康やダイエットを意識して、朝に果物をとるようにしているという人も少なくないのではないでしょうか。
確かに朝に果物をとることは、含まれている栄養素などから考えても理にかなっているといえます。しかし、食べ方や選び方によっては、本来果物に含まれていた栄養素をうまく摂取できなかったり、かえって体重が増加する原因になる可能性もあるのです。
今回は、朝に果物をとる際に気を付けたいことから、おすすめの果物まで解説していきます。
「朝の果物」にはどのようなメリットがある?
よく「朝の果物は金」といわれますよね。これは、果物は1日の活動を始めるにあたり必要な栄養素が手軽に摂取できる上、加熱調理する必要がなく忙しい現代人でも比較的食べやすいためです。
果物には身体の調子を整えるビタミン、ミネラル、食物繊維や、抗酸化作用のある機能性成分が多く含まれています。また、水分も多く含まれているので、朝食にとり入れることで寝ている間に失った水分を補うのに役立ちます。さらにはかみ応えがあり、適度に甘味があるため満足感にもつながりやすいのです。
果物に含まれる果糖は、直接血糖値を上げることはないため、ダイエットにも最適というイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし、果物には果糖だけではなく、ブドウ糖やショ糖も含まれています。これらの糖は、吸収が早く、血糖値を上げやすく脂肪蓄積につながるため注意が必要です。
「量」や「食べ方」に気を付けないと体重増加の原因にも……
では、実際にどのような点に注意して、朝に果物を摂取すればよいのでしょうか。
まず気を付けたいのが、食べ過ぎないこと。特に果糖を多く含む果物の場合、食べても血糖値がそれほど上がらないため、満腹中枢が刺激されず、食べ過ぎが起きやすくなっています。その結果、中性脂肪の増大や肥満につながる可能性もあります。
果物の1日の目安量はカロリーだと80kcal、グラムだと100~200g程度です。適量を心がけながら正しくとり入れていくことが大切です。
また、量だけでなく、どのような形で食べるかも重要です。
例えば、甘いシロップに漬けてある缶詰や、コンポートやジャム、ドライフルーツやジュースなどは、砂糖を加えて加工してあることが多く注意が必要。また、加工の段階で大切な栄養素が失われている可能性もあります。
ほかにも、果物をミキサーなどでジュースにすると、カサが減るためたくさん食べることができてしまい、結果的に食べ過ぎに繋がりやすくなってしまいます。
おすすめの種類と食べ方は?
では、何をどのように食べれば、太りにくく、かつ栄養素を上手に取ることができるのでしょうか。
血糖値の観点から考えれば、果物の中でもブドウ糖やショ糖を多く含む果物は控えた方がよいので、朝食には、キウイフルーツ、グレープフルーツ、オレンジ、リンゴなどがおすすめ。逆に、バナナやパイナップルは、ブドウ糖やショ糖を多く含むので気を付けましょう。
また、果物の皮の周りには、体の酸化を防ぐビタミンやポリフェノール、不足しがちな食物繊維がたっぷり含まれています。リンゴやブドウのような皮が薄い果物はよく洗ってそのまま食べるのがおすすめです。
併せて気を付けたいのが、朝食が果物だけにならないようにすること。タンパク質が不足してしまうためです。ヨーグルトや牛乳、豆乳を合わせたり、卵や豆腐などのメニューをとり入れ、足りない栄養素を補うようにしましょう。
果物は美容や健康に役立ちますが、種類によっては糖質の量が多いこともあります。種類や食べ方に気を付けて賢くとり入れていきましょう。
岡田 明子プロフィール
管理栄養士。特別養護老人ホームや病院での栄養指導・給食管理に携わったのち、2014年に一般社団法人NS Laboを設立。個々の生活習慣に合わせた的確な指導に定評があり、食事サポート実績は延べ1万人に及ぶ。『朝だから効く!ダイエットジュース』(池田書店)など著書多数。(文:岡田 明子(管理栄養士))
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