いざというときに「頼りになる夫」はいる? 妻が突然の体調不良、夫は慌てる“だけ”だった…
オールアバウト / 2024年6月26日 22時5分
![いざというときに「頼りになる夫」はいる? 妻が突然の体調不良、夫は慌てる“だけ”だった…](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/allabout/allabout_108515_0-small.jpg)
家族で公園に行き、熱中症になってしまった妻。夫は家でおろおろするばかりで役に立たない。挙げ句、怖くなったといって救急車を呼んでしまった。一番頼りになったのは、肝心の夫ではなく9歳になる息子だった。
急に夏のような暑さになったりして体調を崩す人が少なくない。家族の中で誰かが急な体調不良に陥ったとき、頼りになる「夫」はどのくらいいるのだろう。そんな思いにかられた一件だったと話してくれた女性がいる。
急な夏日、妻が熱中症気味で調子を崩す
「つい先日、家族で公園に遊びに行ったんですが、帰りに私の体調がおかしくなってしまったんです」サエコさん(41歳)が夫と9歳、4歳の息子たちと出かけたのは、妙に蒸し暑い日だった。
「冷たい水はもちろん、携帯扇風機やら帽子やら、いろいろ装備して出かけたんです。徒歩20分くらいで楽しめる場所だから、みんなで散歩がてら行きました。子どもたちは池の水に足をつけたり走り回ったりと楽しそうでした」
そういう場所でも、いや、そういう場所だからこそ今の時代、親は子どもから目を離せない。ある程度、緊張感を保ちながらサエコさんは子どもたちを見守っていた。
だが、夫はもっと気楽である。気が向けば子どもをかまい、疲れれば自分だけその場に寝転んでしまう。
「ねえ、ちゃんと子どもたちを見ててね! と夫に念を押して、次男をトイレに連れて行ったんです。戻ってくると案の定、長男が見当たらなくて……。夫がうっかり目を離したと。広い公園なので、あわてて探しに走りました」
長男は少し離れたところに興味のある遊具を見つけ、その場にいた他の子たちと遊んでいたようだ。心配するほどのことではなかったが、サエコさんは子どもを見つけると安心してへなへなと座り込んでしまった。
「そんなこんながありながらも、数時間、持っていったおにぎりを食べたり公園の売店でソフトクリームを買って食べたりと楽しく過ごしました。帰りは下の子が眠ってしまったので夫が背負って。帰宅後は子どもたちにシャワーを浴びさせました。
帰り道のあたりからなんとなく調子がおかしかったんですが、子どもたちがシャワーを浴び終わったころ、私は妙に寒気がして頭が痛くなって……」
帰宅後、体調がどんどん悪くなっていく
過去にサエコさんは熱中症になったことがある。そのときと同じだと感じたので、夫に「冷凍庫に保冷剤があるからもってきて」と頼んだ。ところが夫はなかなか戻ってこない。保冷剤、どこにあるのと声は聞こえるが、サエコさんは気分が悪くて答えられない。
「上の子があわてて保冷剤を探し出してくれました。それを首の後ろや脇の下、ももの付け根などに当ててとにかく体を冷やしたんです。夫は『え、ね、熱中症? どうすればいいの』とあわてふためくだけ。スポーツドリンクが冷えているはずだから持ってきてと上の子に頼みました」
夫がおろおろしているのが目の端に見えた。
「ママ、救急車が来たから!」と夫
うとうとまどろんでいると、少しずつ気分がよくなってきた。頭痛も吐き気もおさまりつつある。起きようとするとめまいがしたのでまた横にはなったが、この分ならもうじき起きられるだろうと判断した。すると夫が部屋に飛び込んできて、「ママ、救急車が来たから!」と言う。
「はあ? なんで、今さら? と思いました。夫は『なんか寝息が荒くて怖くなって呼んじゃった』と。救急隊の人たちが来て、親切にいろいろ聞いてくれましたが、私は大丈夫なのでと搬送は断りました。脱水状態からは抜け出したみたいですから、と。熱も寒気もなくなっていましたし」
それでも何かあったらすぐ連絡ください、病院に搬送しますからと救急隊は帰っていった。忙しい救急隊をわざわざ呼ぶ必要ないでしょう、もっと重篤な人を運べなくなったらどうするのよとサエコさんは怒った。
「だったら私に一言聞いてくれればよかったのにと言うと、『どうしたらいいかわからなくて、ずっと迷ってたんだけど怖いから119番してしまった』と、夫はぐじぐじ言っていました。
自分が怖いから呼ぶという発想が幼稚ですよね。この件でいちばん頼りになったのはまだ9歳の息子でしたね。冷静にいろいろ判断してくれた。少しは長男を見習ってよと言ったら、夫はむくれてしまいましたが」
冷静に対処できる「備え」が必要
突発的な事態が起こったとき、どういう対応ができるのかは重要だとサエコさんは言う。熱中症など誰にでも起こりうることだからこそ、冷静に対処しなければいけないのに、と。「夫にはネットで検索、対処法を覚えておいてと言いました。すると夫は、『そもそもママが熱中症にならないようにすればよかったんだ』と文句を言い出して……。確かにこの夏も暑いというから、今から気をつけなければいけませんよね。私ももっと猛暑対策を緻密にしなければと反省しています」
どんなに気をつけていても、熱中症というものは程度問題こそあれ、なるときはなるもの。しかも母親は、つい子どもを優先させて自分を後回しにしがちだ。
だからこそ、熱中症になる危険性をいち早く察知して対処することが必要だ
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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