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45歳、リボ払いの残高が130万円。子ども2人の学費、老後生活が不安

オールアバウト / 2024年7月1日 22時20分

45歳、リボ払いの残高が130万円。子ども2人の学費、老後生活が不安

今回の相談者は、ショッピングリボ払いの残高が多く、貯金ができないという45歳の会社員の方。子どもの学費と老後のお金が心配だといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

まったく予算どおりにいかず貯金ができません

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回の相談者は、ショッピングリボ払いの残高が多く、貯金ができないという45歳の会社員の方。子どもの学費と老後のお金が心配だといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

アルさん
女性/会社員/45歳
近畿/持ち家(一戸建て)

家族構成

夫(46歳)、長男(11歳・小6)、次男(8歳・小3)

相談内容

毎月の予算を立てているにもかかわらず、まったく予算どおりにいかず貯金ができません。ショッピングリボ払いの残高が130万円あり、毎月3万6000円ずつ返済しています。

毎月、給料から持ち株会費として2万1000円積み立てています。社会保険は夫婦とも22歳から加入しています。夫婦ともに定年は60歳、退職金は不明です。

来年次男が4年生になったら、時短正社員制度が終わるのでパートとなり、月の手取りが13万円ほどになります。社会保険はそのまま継続され、ボーナスはなくなります。

このままでは子どもの学費、老後生活が不安でご相談させていただきました。どう手をつけてよいのか、ご教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。

家計収支データ

アルさんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「アル」さんの家計収支データ

家計収支データ補足

(1)ボーナスの使い道について
固定資産税12万円、自動車税4万円、地震保険2万円、車検用預金9万円。

相談者コメント「残りは日々の不足や、カード払いに補填され、貯蓄できていません」

(2)児童手当について
相談者コメント「毎月2万円の児童手当は家計には組み込んでおらず、貯蓄に回していますが、実際には子どもの物の購入に使用してしまっていて、ほとんど残っていません」

(3)投資について
相談者コメント「会社の持株会で毎月積み立てしていて、株式200万円とのことです。その時の株価で現金化するといくらなのかわからない、と夫は言っておりました。実際は200万円もないのかもしれません」

(4)住宅ローンについて
・ローン借入額/3350万円
・借入金利/0.55%(現在は0.775%)
・返済期間/35年
・ローン残債/2693万円
※毎月返済のみ

(5)車両費について
ガソリン代4000円、自動車保険8000円。

相談者コメント「車が今8年目なので、5年以内には300万円ぐらいの車に買い換えたいです」

(6)加入保険について
[夫]
・生命共済(死亡保障3000万円)=毎月の保険料4800円
・医療共済(入院、休業、がんに対応)=毎月の保険料3400円
・長期休業保障共済=毎月の保険料3100円

[相談者]
・生命保険(死亡保障1500万円)=毎月の保険料2400円
・医療共済(入院、がん、女性特約に対応)=毎月の保険料2400円

(7)その他の家計支出について
・光熱費/電気8000円、ガス8000円、水道6000円
・通信費/Wi-Fi6000円、夫5000円、相談者3000円、子1000円
・教育費(2人分)/楽器1万6000円、スポーツ1万4000円、英会話1万8000円、学校費用・給食代など1万5000円
・家族の小遣い/相談者定期代4000円、美容、化粧品代1万2000円、昼食代6000円、制服代1万円
・雑費/子ども用品、レジャー、外食、交際費

(8)リボ払いについて
・A社/残債67万円(毎月2万円)、金利15%
・B社/残債46万円(毎月6000円)、金利14.5%
・C社/残債17万円(毎月1万円)、金利0%

(9)働き方について
相談者コメント「来年から時短正社員制度が終わり、パート勤務になります。フルタイムですと、就業時間が遅番の場合21時までとなり、それだと子育てに支障をきたすと考えるため、パートになろうと考えております。ただ、正社員希望なので交渉し、早番のみにしてもらえるか?とは考えております」

(10)公的年金の見込み額について
相談者コメント「ねんきん定期便の見方がよくわからないのですが、これまでの加入実績に応じた年金額は99万円です。これは私の分で、夫も同額か、それ以上あるかと思います」

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:危機的状況を3年で改善するためには、本気で家計改善を
アドバイス2:借金体質が続いていれば、高校、大学の費用が不足する可能性大
アドバイス3:パートではなく、現在の収入をキープ。60歳から老後資金を貯める

アドバイス1:危機的状況を3年で改善するためには、本気で家計改善を

この段階でご相談をお寄せいただいたことは、まだ救いがあります。かなり危機的な状況だと、再度認識していただきたいと思います。ここから本気で家計改善をしていかなければ、子どもの教育費、住宅ローンの返済、ご夫婦の老後資金は厳しいと言わざるを得ません。

まずは3年。次男が中学に上がるまでに、ある程度の貯蓄を確保できるように考えていきましょう。本気で取り組んでください。

一見、家計支出を細かくつけているようで、実際には子どもの児童手当も使ってしまい、ボーナスで生活費の補填をしています。毎月4万6000円の貯蓄をしても、結局それも取り崩して使っていませんか? ここからは1円単位で家計簿をつけ、現状を把握してください。

さらに来年からは、収入が6万円も減り、ボーナスもなくなるわけです。支出を減らさない限り、ショッピングのリボ払いを使い続けることになるでしょう。収入が35万円になり、現在の支出36万円のままでは、この時点で赤字です。そのことにも気づいてください。

貯蓄3年計画として、1年目は毎月6万円の貯蓄を確実にします。そのために、子どもの習い事は1つにする。いろいろ習わせたい気持ちはわかりますが、その余裕はありません。これで3万円捻出します。

さらに、家族の小遣いと雑費から2万円の削減。食費と通信費で1万円の削減。これらの削減で毎月6万円の貯蓄をします。

ポイントとしては、残ったら貯蓄ではなく、給料が入ったら、先に自動積立定期預金などで6万円を貯蓄し、残ったお金で家計をやりくりすることです。これができないと、先には進めません。

ボーナスからも貯蓄したいところですが、毎月の家計収支が整うまでは貯蓄ゼロもやむを得ません。ただし、カード払いにあてるのはNGです。カード使用は最低限にすること。これも大事なことです。本来なら、ボーナスから少なくとも4万~5万円は貯蓄してほしいところです。

1年目で72万円貯めることができ、2年目も同じように貯蓄できれば、144万円です。現在の貯蓄20万円を加えて164万円。

2年経つと、A社のリボ払いは残り40万円ほど。ここで一括返済します。貯蓄は124万円に減りますが、A社のリボ払いの2万円はそのまま貯蓄に回せます。C社のリボ払いはすでに終了していますから、3年目の毎月の貯蓄額は9万円できることになっているはずです。年間で108万円。3年経てば貯蓄額は232万円になっています。

もうひとつ、可能であれば、会社の持ち株会も最低限(もしくは中止)にし、2万円を貯蓄に回してほしいところです。3年で72万円。これが加われば、3年後には300万円が貯められていることになり、ようやく一息つけます。

ここまでできたら、もう一度、相談をお寄せください。その時点の状況次第で、これ以降のアドバイスは変わってきます。

今すぐ、家計改善に取り組み、3年で300万円貯めること。これが危機的状況から脱出するための、最初のステップです。

アドバイス2:借金体質が続いていれば、高校、大学の費用が不足する可能性大

4年目からも、もちろん気を抜かず、貯蓄を続けます。毎月9万円に、持ち株会をやめて2万円を加えた11万円が毎月の貯蓄額です。年間132万円で、5年後には564万円になっています。ここで最後に残っているB社のリボ払い、おそらく10万円程度ですが、一括返済します。これで借金はなくなります。

しかしながら、5年以内に300万円の予算で車の買い換えをするとのこと。せっかく500万円以上貯められたのに、車の買い換えをしたら、残りは200万円。また振り出しに戻ってしまいます。買い換えをするのなら、50万円の中古でもいい、というぐらいの覚悟が必要です。

5年後には長男が高校になり、ある程度まとまった教育資金が必要になります。少なくとも貯蓄300万円は常にキープできるように考えてください。このままであれば、高校は国公立。大学進学費用を捻出するのは、かなり厳しいと言わざるを得ません。

足りなければ、カード払い、リボ払い、という借金体質がなくなっていることを願います。カードのリボ払いは即刻契約変更するのはもちろんのこと、返済が終わったカードは契約自体を解約し、1枚だけにする、できるだけ現金払いにする、それぐらいの強い気持ちが何よりも大事です。

アドバイス3:パートではなく、現在の収入をキープ。60歳から老後資金を貯める

ここまで厳しい話をしてきましたが、子どもの進学、教育費を優先と思うなら、来年春から、パートになり収入を減らす選択は再考すべきではありませんか?

体調がすぐれない、会社都合というのならまだしも、お子さんのためにパートになり、収入が減り、結果、大学進学が厳しくなるのでは、本末転倒です。勤務時間が遅くなる時は、ご主人の協力も不可欠です。ご夫婦でよく話し合ってください。

仮に次男も大学進学できたとして、大学を卒業した時には、ご主人は60歳。この時点でまだ住宅ローンは残っています。子どもの教育費がなくなったとしても、ローン返済を続けるためには、70歳まで働くことは必然です。それと並行して、60歳から70歳までにどれだけ、ご夫婦の老後資金が貯められるか、ということにもなります。

唯一の救いは、公的年金が年間約200万円は見込めるということです。年金で生活をやりくりすれば、なんとか老後を過ごすことができるからです。突発的な支出への対応や、潤いのある老後にするためには、60歳からの貯蓄ではなく、今の家計改善、収入UP、少なくとも収入維持が重要です。

もう一度、最初に立ち返って、この危機的状況を乗り切る3年計画にすぐに着手してください。3年後のご相談を待っていますよ。

相談者「アル」さんから寄せられた感想

深野先生、このたびは厳しくも温かい、具体的な策のご教示、誠にありがとうございました。どこをどうしたらよいか悩んでいたので、大変わかりやすかったです。

さっそく、見直しにとりかかりました。まずは6万円の貯蓄をするべく、教えていただきました項目から削ります。3年後によいご報告ができるよう、がんばります!

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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