義母からの奇妙な「毎日LINE」に呆れたウラが? 嫁の介護“能力”を試していたと判明し…
オールアバウト / 2024年6月28日 22時5分
義父の調子が悪いからということで、義母にLINEで呼び出され病院に駆けつけた。しかし、ただ検査が終わるまで待たされただけ。後日、夫から見せられたLINEのトーク画面には、呆れた「合否結果」が記されていた!
時は環境を変える。加齢は人を不安にするかもしれないし、人を頑固にするかもしれない。
結婚生活が長くなり、子どもを成人させると、待っているのは「介護問題」。義父母とどうやって付き合っていけばいいのかと悩む人たちがいる。
突然、私との距離をつめてきた義母
「夫の実家から1時間ほどのところに住んでいます。私の実家からも同じくらいの時間がかかる。結婚してから家を買うとき、お互いの実家のちょうど中間点にしようということになったんです」結婚20年。今年19歳になる長女と15歳の長男がいるマナさん(49歳)。共働きを続け、子どもたちが小さいときは実の両親や義両親にも助けてもらった。
「ここ半年ほど、義母が急に私との距離を詰めてきたんです。以前はほとんど連絡もなかったのに毎日のようにLINEを送ってきたりして。
夫の実家には、離婚した義妹が子連れで戻ってきていた。でもその子どもが成人して家を離れ、義妹はそれまで付き合っていた人の転勤にともなって地方に移り住み、勝手に再婚してしまったそうです。
勝手にとはいっても、義妹の子どもふたりは賛成していたようですけどね。あくまでも義母にとっての『勝手に』です。
それまで両親と義妹とその子どもふたり、5人で賑やかに暮らしていたのに急に夫婦だけになったから寂しくなったのかもしれません」
義母が距離感を縮めようとする目的
それに加えて、後期高齢者となった義両親だけに健康不安も生じたようだ。今日はお父さんが歯医者に行った、私は膝が痛くて整形外科に行ったと、病院での受診もまめに伝えてくるようになった。「義母が何を望んでいるのかわからないので、お大事にとだけ返信していたんです。そうしたら突然、『明日は○○大学病院でお父さまが受診するの。あなたもいらっしゃい』って。
もともと義母はどこぞの令嬢らしく、言葉遣いが異常に丁寧になることがあるんですが、そのときもそうでした。
私は仕事がありますからと返信したんですが、義母は夫にも私を寄越すように頼んだみたい。『なんだかオヤジが重い病気かもしれないという話なので、今回だけ頼む』と夫に言われて。
それなら夫が行くべきだろうと思いましたが、どうしてもはずせない会議があるというので、急遽、午前中だけ休みをとって大学病院に駆けつけました」
ところが行ってみると、義母はマナさんが挨拶しても心ここにあらずという状態。いったいどうしたのかと聞いても、ろくに返事もしない。
「『あなたはここで待ってて』と、消化器内科の前で待たされました。その後、義母と義父が出てきて、私の目の前を通り過ぎようとするんです。あの、と言ったら『これから検査に行って参りますから』って。
私は待っていればいいのか行けばいいのか。行かなければあとで何か言われそうだったのであわててついていきました」
何のために自分が呼ばれたのか、さっぱりわからないまま時間が過ぎていった。
「あなたが役に立つかどうか試してみた」と
検査が終わると、義父母は病院前からタクシーに乗り「じゃあね」と去っていった。残されたマナさんは、結局、その場に呼ばれて「待った」だけ。頼られたわけでもなく、不安を打ち明けられたわけでもない。そもそも、義父のどこが悪いのかもわからない。
「そのまま会社に行って仕事をし、帰宅するとその日は早めに帰った夫が夕飯の支度をしてくれていました。病院での顛末を話すと、『さっき、おふくろから連絡があってさ』と言いにくそうな顔をするんです。
言ってよと促すと黙ってLINEの画面を見せてくれました。そこには『私たちの老後をマナさんに託すのは無理ね』と書いてある。気が利かない、配慮が足りないと言いたい放題。
そもそもどうして私が呼ばれたのかもわからず、一方的に来いといっておいて現場では何も言わない。
こっちこそ老後の面倒なんて願い下げだわと思っていると、『おふくろ、マナを試したみたいなんだよ』って。結婚して20年もたってどうして今さら……とショックでしたよ」
息子の妻は未来の介護者なのか?
自分たちが介護を必要とするようになったとき、息子の妻はどんなふうに対応してくれるのか。それを検討するためにマナさんは「試された」らしい。「私は意味がわからなかったけど、義両親は当然、私が介護をするべきだと信じ込んでいる。だからどのくらい役に立つのか試したというわけです。でも前提が間違ってる。
私は義両親を介護はしませんから。お金はあるんだからふたりで施設に入ってもらうのが一番だと思う」
夫にそうはっきり言うと「うん……。でも冷たいな、マナは」と寂しげに言った。
だがマナさんは自分の両親にも同じことを言っている。遺産など残さなくていいから、私の時間と自由を奪わないでほしい、と。
「こういう言い方をするのは申し訳ないけど、いくら介護をしても何かが返ってくるわけじゃない。こっちだって老いはやってきているわけですよ。
自分がやりたいことをやるためには時間がいくらあっても足りない。せっかく子どもの手が離れたんですから、私は自分の人生を生きたい。
施設に行く資金がないならしかたがないけど、資金がある人たちはそちらを頼ったほうがお互いに幸せだと思うんですよね」
言っていることはもっともだが、それが義両親や夫には冷たく聞こえるのだろう。しかし、現実的に考えれば、彼女の時間も労力も「無駄に」奪われるのは事実だ。
「私は子どもには頼らない。介護してもらわないほうが対等な関係でいられるから。そのための資金は貯めるつもり。そのぐらい現実的に考えないと、これからの老後は生きていけないんじゃないかとさえ思う」
マナさんはきっぱりとそう言った。
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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