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絶景…あじさいが池を埋め尽くす「水中華」は息をのむほどの美しさ! 雨引観音・あじさい祭の見どころ

オールアバウト / 2024年6月29日 20時45分

絶景…あじさいが池を埋め尽くす「水中華」は息をのむほどの美しさ! 雨引観音・あじさい祭の見どころ

筑波山からほど近い場所にある雨引観音。坂東三十三観音霊場の1つとして長い歴史を誇るお寺ですが、初夏限定でカラフルなあじさいが彩る美しい風景「水中華」が楽しめます。

初夏から梅雨の時期にかけて色鮮やかな花を咲かせるあじさい。あじさいの名所は全国各地に点在しており、さまざまな形で訪れた人を楽しませてくれますが、少し変わった見せ方をして注目を集めている名所があります。

その名所とは、茨城県桜川市にある雨引観音(あまびきかんのん)。自生するあじさいのほかに、「水中華」と呼ばれる演出を施されたあじさいが人々の目を惹きつけます。

今回は「雨引観音」と、そこで行われている「あじさい祭」をご紹介します。なぜこんなところに? と思うような意外な生き物にも出会えますよ。

坂東三十三観音霊場の札所の1つ、雨引観音

雨引観音の本堂(観音堂)。雨引観音は延命祈願や安産祈願などで昔から多くの方の信仰を集める古刹です(2023年7月撮影)
雨引観音は、正式には雨引山 楽法寺といい、開基は西暦587年と実に1400年以上の歴史を持つ古刹です。

関東平野の中にそびえる独立峰、筑波山の近くにあり、田畑が広がる中に現れる小高い雨引山の上に雨引観音があります。

時は飛鳥時代、病に倒れた推古天皇の回復を観音菩薩像に祈念したり、平安時代初期の干ばつ時に嵯峨天皇が雨を降らせるよう写経し納めるなど、天皇家とゆかりが深く、また安産や延命長寿にご利益があるとされ、昔から多くの人の信仰を集めてきました。

関東地方を拠点とする巡礼「坂東三十三観音霊場」の第二十四番札所でもあります。

黒門からあじさいが咲く石段を上って仁王門へ

雨引観音にお参りする人々を出迎えてくれる黒門(薬井門)(2023年7月撮影)
それでは雨引観音へお参りしましょう。バス停がある1番上の駐車場からも境内に入れますが、おすすめは上から2つ目の駐車場の正面にある黒門から入る参道です。
雨引観音の黒門(薬井門)は、もともとは真壁城の城門。移築などを経て、現在は磴道への入口にあります(2023年7月撮影)
この黒門、正式には薬井門と呼ばれ、雨引観音の公式Webサイトによると、関ケ原の戦いの前は真壁城の城門だったとのこと。現在は仁王門に向かう石段の参道、磴道(とうどう)の入口にあります。
黒門(薬井門)から仁王門へ続く磴道の両脇をあじさいの花が彩ります(2023年7月2日撮影)
あじさいが咲く季節を迎えると、磴道の両脇を自生のあじさいの花が彩ります。全部で3000株ものあじさいが咲くとのこと。
あじさいを愛でながら磴道を上がると、朱塗りの仁王門が見えてきます(2023年7月2日撮影)
石段を上るのはちょっと疲れますが、あじさいの花を愛でながらゆっくりと上りましょう。
仁王門とあじさい(2023年7月2日撮影)
145段ある磴道を上り切った所にあるのが朱塗りの仁王門。阿・吽(あ・うん)の仁王像が門の中にいらっしゃいますので、ここでひと息入れましょう。

ちなみにバス停のある駐車場から参道を上がった場合も、仁王門にたどり着きます。
仁王門の前に設けられたハートをくりぬいた窓があるベンチ。絶好の記念撮影スポットです(2023年7月2日撮影)
仁王門のまわりでも、たくさんのあじさいを愛でることができます。

最近では仁王門の前にハートをくりぬいた窓があるベンチが設けられ、絶好の記念撮影スポットができあがりました。人気スポットなので順番待ちになりますが、譲り合って記念撮影しましょう。

カラフルなあじさいの花による美しい花手水に癒される

カラフルなあじさいの花を使った雨引観音の美しい花手水(2023年7月2日撮影)
仁王門をくぐったすぐ近くにある手水舎。ここにはいつも多くの人が集まっています。

その理由は花手水。今でこそ各地の寺社で見られるようになりましたが、雨引観音は早い時期から花手水を行っていたお寺の1つです。
カラフルな花手水はひときわ目を惹き、記念撮影する人たちでにぎわいます(2023年7月2日撮影)
龍の口から流れる水を受ける水場には、色とりどりのあじさいの花が浮かんでおり、見た目にも鮮やか。

本来の手水の役割である手を清めることはできなくなってしまいましたが、お参りに来た人たちの心は清められるような気がします。
仁王門から本堂へ至る石段を上から望む。ここでもあじさいを愛でながら上ることができます(2023年7月2日撮影)
さて仁王門まで来ましたが、雨引観音の本堂(観音堂)はさらに上。つづら折りの石段をもう少し上りましょう。この石段のまわりも自生のあじさいが咲いており、絵になりますね。

本堂で観音さまにお参りし、多宝塔を望む

雨引観音・本堂(観音堂)。室町時代後期に造られた建物です(2023年7月撮影)
つづら折りの石段を上りきると広い空間に出ます。ここが本堂などの建物がある雨引観音の境内です。境内の右側に室町時代後期に造られた本堂(観音堂)がありますので、お参りしましょう。
江戸時代に造られた多宝塔。和傘で彩る演出が施されて絵になります(2023年7月2日撮影)
本堂の左には大日如来を祭る聖見堂、多宝塔と建物が並びます。境内が細長く、奥行きが広くないため、多宝塔は存在感たっぷりですね。

あじさい祭のメイン、境内の池をあじさいの花が埋め尽くす「水中華」は必見!

毎年6月10日から7月20日までの間、雨引観音ではあじさい祭が行われます。

あじさい祭のメインイベントの1つが「水中華」。境内にある池にあじさいの花を浮かべて彩ります。
雨引観音のあじさい祭のメインイベント「水中華」。円形にまとめられたあじさいが絵になります(2023年7月2日撮影)
あじさいの花の浮かべ方は、ほぼ全面をあじさいの花で埋め尽くす池もあれば、ハートや円などの形に整える池などパターンはさまざま。絵になる風景ゆえに多くの人が池のまわりに集います。
雨引観音のあじさい祭のメインイベント「水中華」。あじさいの花が埋め尽くす中をアヒルが動く姿が見られることもあります(2023年7月2日撮影)

そして池にはコイやカモ、アヒルが顔を出すことがあります。タイミングが良ければ水中華とコイ、カモ、アヒルを1つのフレームに入れるチャンスもありますよ。

他にもあじさいの花を楽しめるスポットが豊富にそろう

境内の左奥にある奥の院。建物にあがる石段の両脇にあじさいが飾られていました(2023年7月2日撮影)
水中華が人気No.1の雨引観音のあじさい祭ですが、あじさいは全部で5000株にも及んでおり、境内を見渡すと他にもあじさいの花をあしらった演出が楽しめます。
あじさいの花を丸いガラスボウルに入れて並べた演出もありました(2021年7月11日撮影)
水中華も含めて、年ごとに演出が少しずつアレンジされており、1年空けて再訪するとまた違った景色が楽しめます。
石段の途中から、あじさいと筑波山を望む(2023年7月2日撮影)
そして境内から関東平野を見下ろせる所でもあじさいを望むことが可能です。お気に入りの風景を探して、境内をゆっくり散策するのも良いでしょう。

境内で孔雀に会えるかも……!?

聖見堂の前に現れた孔雀。自由気ままに境内に現れます(2023年7月2日撮影)
雨引観音の境内には、ちまたでは見慣れない生き物がたまに現れます。その生き物とは孔雀(クジャク)。孔雀が1羽放し飼いされていて、境内にいるとその姿を見ることができます。
本堂の手すりにつかまる孔雀(2023年7月2日撮影)
不思議な感覚に陥りますが、出会えたらラッキーだと考えてもいいかもしれませんね。

あじさいの絶景を目の当たりにできる雨引観音のあじさい祭を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

近隣にある筑波山や笠間観音などの名所とあわせて行くことが可能な雨引観音へぜひお参りしてください。

雨引観音へのアクセス

拝観料:無料
あじさい祭:毎年6月10日~7月20日

鉄道

雨引観音へのアクセスとなる桜川市バス「ヤマザクラGO」。平日は雨引観音の麓まで、土曜休日のみ雨引観音の駐車場まで乗り入れます(2023年7月撮影)
JR水戸線 岩瀬駅下車。桜川市バス「ヤマザクラ GO」筑波山口行きに乗車。土日祝日は雨引観音までバスが乗り入れます(1日5便のみ)。平日は大曽根バス停で下車し、県道152号線の坂道を30分程度上る必要があります。

バスの運行間隔が2時間から3時間近くあく時間もありますので、旅程によっては岩瀬駅からタクシーを利用する方が良いでしょう。

県道41号線からの雨引観音への道案内(2023年7月撮影)
北関東道からは、桜川筑西インターチェンジで下りた後、国道50号線・県道41号線を進みます。案内看板に従って県道152号線に入り、坂道を上って雨引観音に到着。

常磐道からは、土浦北インターチェンジで下りた後、国道125号線・県道14号線を進み、筑波山方面へ。その後県道41号線に入り、案内看板に従って県道152号線へ。

駐車場は雨引観音の参道に近い所から5カ所ありますが、満車になった場合は雨引観音へ上がる県道が駐車場待ち渋滞となり、1時間以上かかることもあります。時間に余裕を持ってお参りしましょう。
(文:村田 博之(名所・旧跡ガイド))

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