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「パパのお嫁さんになりたい」炎上に世間は?「ぞっとした、初潮時の父の態度が浮かんで…」

オールアバウト / 2024年7月2日 22時5分

「パパのお嫁さんになりたい」炎上に世間は?「ぞっとした、初潮時の父の態度が浮かんで…」

「パパのお嫁さんになりたい」は時代にそぐわない表現なのか? ある30代女性は、「ぞっとした」といって過去の父親からの発言を振り返った。

6月16日、父の日にあわせて掲載された新聞記事がX(旧Twitter)上で炎上した。最初の記事タイトルは「『パパのお嫁さんになりたい!』 かなえる記念写真 父の日に好評」だった(のちに変更)。

記事の内容は、関東圏を中心に展開するフォトスタジオが、父の日に父と娘がドレスアップして記念写真を撮るというもの。別にウエディングドレス風でなくてもかまわないのだが、実際に取材された父娘は、幼い娘が「まるで小さな花嫁さんのよう」だと記されている。これはあくまで取材者側の印象。

娘が「パパのお嫁さんになりたい」と言った事実はなさそうだ。

実父、あるいは継父による娘への性加害事件はたびたび耳にする。「パパのお嫁さん」は、昔は微笑ましい言葉だったかもしれないが、今は聞いただけで「うわっ」と思いがち。

時代が変わったのである。

父親からの性的発言を思い出し「ぞっとした」

このキャッチコピーと幼い娘のドレス姿の写真に「ぞっとした」と言うのは、タエコさん(32歳)だ。

「私は小さいころは父が好きだったんです。でも初潮があったとき、なぜか母が父にそれを伝えてしまい、父がニヤニヤしながら『おめでとう』と言った。それがすごく気持ち悪かった。父が私を『女』として見たと本能的に感じたんだと思う。それ以来、父を避けるようになりました」

だが鈍感な父親はそんなことに気づかない。今まで通り、かわいい娘をからかうようなことを言ったり、通りすがりにさらっとお尻を触ったりした。

「本気で嫌だったのに、父も母も気づいてくれない。高校生になったころ、父が私をしみじみと見て『だんだん女っぽくなってきて気持ちが悪い』と言ったんですよ。それはトラウマになるくらい傷つきました」

自分でも「女」という意識をどう持ったらいいのかわからない10代半ばの女の子は些細なことでも傷つきやすい。

「気持ち悪い発言」で父娘の関係性は悪化した

もちろん一方で、父との距離がもっと近く、何を言われても言い返す娘もいるから、タエコさんの父親が特別おかしいわけではない。タエコさんの反応がおかしいわけでもない。ただ、どこかで父娘の歯車がかみ合わなくなったのか、もともと相性が悪かったのか。そう考えるしかないだろう。

「高校生のころは父とは、ほとんど口をききませんでした。大学進学のときも父には相談もしなかった。自分が行きたいところを受験しただけ。合格したときは報告だけしました。すると父が『よく頑張ってたもんな。おめでとう』としみじみ言ったんです」

少し関係が変わりそうではあったが、結局、彼女は父とはあまり話をしないまま大学を卒業、希望する企業に就職した。

「それを機に独立して親とは別に住んでいますが、今でも父親とはあまり話したくないですね。父はあの頃、自分が何を言ったかなんて覚えてないでしょうけど」

だからこそ、今回の「父のお嫁さん」には、「我ながら過剰反応してしまいました」と苦笑する。

「職場のセクハラに準じた対応を」

「僕は妻に厳しく言われて、娘たちには気を遣っていますよ」

そう言うのはジュンジさん(49歳)だ。現在、17歳と14歳の娘がいる。大人のような子どものようなふたりには、職場のセクハラに準じた対応をしている。

「ただ、親子ですからね。今日もかわいいね、くらいのことは言うけど、パーツを褒めるとかけなすとか、そういうことは絶対に言いません。次女は一重まぶたを気にしてるらしいけど、僕からは何も言わなかった。次女が『パパ、どう思う? この目』というから、切れ長の一重だからとっても素敵だと思うと答えました」

女の子だからと特別視するわけではなく、人の容貌をとやかく言わないのは人間関係で当然のこと。その距離感を保つようにしているのだという。

「ただ、男の心理みたいなことはわりと教えたかもしれませんね。男の中には、恋愛感情と欲望をいっしょくたにするヤツもいるから、きみたちは『NOと言える強さを持て』ということは小さいころから言ってきた。

妻からは、子どもであってもひとりの人間として接してと言われ続けていたのでそこは気をつけてきました」

娘を「女」として見たことなど一度もない

今のところ、娘たちは父親を嫌ってはいないようだ。娘を「女」として見たことなど一度もないから、とジュンジさんは苦笑した。世の中の大半の父親はそうであるはずだが、不用意な発言が娘に誤解されるケースも多々ある。

「それにしてもあの記事があんなに非難を浴びるのも、今の時代ならではなんでしょうね。女の子にとって最初の異性は父親なんだけど、異性を感じさせるのは御法度になっている。難しい時代だとちょっと感じるところもあります」

ジュンジさんは考え考え、言葉を選んでいた。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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