【2024年】7月に買ってはいけない業種とは?
オールアバウト / 2024年7月3日 12時20分
![【2024年】7月に買ってはいけない業種とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/allabout/allabout_108974_0-small.jpg)
一般的に7月の相場は、新たな株価材料が乏しく閑散としやすいため、株価が下がりやすい時期といわれています。そこで今回は、7月相場で株価が下がりやすい傾向がある業種を、過去のデータから統計的に検証してみました。
24年間の過去データから7月株式市場の傾向を検証
7月相場は新たな株価材料が乏しいため、閑散としやすく、株価が下がりやすい時期といわれています。今回は、日経平均採用銘柄を対象に、特に株価が下がりやすい傾向がある業種を調べてみました。■検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
■検証期間:2000年1月1日~2024年5月31日
■1銘柄当たりの投資金額:20万円
■買い条件:6月末の最終営業日の寄り付きで買い
■売り条件:25日経過後の翌日営業日寄り付きで売り
6月末に日経平均採用銘柄(225銘柄)を購入し、25日経過後に売却した場合について、業種ごとに検証を行います。仮に、勝率が50%以上で損益がプラスならば、その業種の7月の株価は上がりやすい月となります。反対に、勝率が50%未満で損益がマイナスであるならば、7月の株価は下がりやすい月といえるでしょう。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。今回は、7月相場で特に不調だった業種をご紹介いたします。
7月相場で不調だった業種その1:電力(3銘柄)
まず、7月相場で不調だった業種は電力です。![システムトレードの達人](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/550/auto/aa/gm/article/5/0/4/4/3/0/202406281211/orig__2_1den.jpg)
勝率:40.85%
勝ち数:29回
負け数:42回
引き分け数:1回
平均損益(円):-1,895円
平均損益(率):-0.95%
平均利益(円):12,054円
平均利益(率):6.03%
平均損失(円):-11,572円
平均損失(率):-5.79%
合計損益(円):-136,451円
合計損益(率):-68.23%
合計利益(円):349,563円
合計利益(率):174.79%
合計損失(円):-486,014円
合計損失(率):-243.02%
PF(プロフィット・ファクター):0.719
平均保持日数:25.00日
7月相場で不調だった業種その2:鉱業(1銘柄)
次に、鉱業銘柄も7月相場では不調といえるでしょう。![システムトレードの達人](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/550/auto/aa/gm/article/5/0/4/4/3/0/202406281212/orig__2_2kougyou.jpg)
勝率:44.44%
勝ち数:8回
負け数:10回
引き分け数:0回
平均損益(円):-1,429円
平均損益(率):-0.71%
平均利益(円):11,442円
平均利益(率):5.72%
平均損失(円):-11,725円
平均損失(率):-5.86%
合計損益(円):-25,719円
合計損益(率):-12.86%
合計利益(円):91,535円
合計利益(率):45.77%
合計損失(円):-117,254円
合計損失(率):-58.63%
PF(プロフィット・ファクター):0.781
平均保持日数:25.11日
7月相場で不調だった業種その3:海運(3銘柄)
最後にもう1つ、7月相場で不調だったのは海運関連です。![システムトレードの達人](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/550/auto/aa/gm/article/5/0/4/4/3/0/202406281213/orig__2_3kai.jpg)
勝率:47.89%
勝ち数:34回
負け数:37回
引き分け数:1回
平均損益(円):-2,028円
平均損益(率):-1.01%
平均利益(円):9,451円
平均利益(率):4.73%
平均損失(円):-12,632円
平均損失(率):-6.32%
合計損益(円):-146,039円
合計損益(率):-73.02%
合計利益(円):321,328円
合計利益(率):160.67%
合計損失(円):-467,367円
合計損失(率):-233.69%
PF(プロフィット・ファクター):0.688
平均保持日数:25.00日
以上が、7月相場の中で、特に下落傾向が強かった3業種の検証結果です。検証結果を見てみると、平均損益はマイナスです。したがって「電力、鉱業、海運」の3業種は、7月に特に下がりやすい傾向があると判断できるでしょう。
7月の低成績銘柄ランキング
では最後に、これらの業種の中でも、7月相場で特に成績が不調だった個別銘柄をご紹介します。表は先ほどの検証結果において、特に勝率の低かった銘柄のランキングです。これらは、7月相場で特に冷え込みやすい銘柄だといえるでしょう。![システムトレードの達人](https://imgcp.aacdn.jp/img-a/550/auto/aa/gm/article/5/0/4/4/3/0/202406281214/orig__2_4.jpg)
・東京電力ホールディングス<9501>
・中部電力<9502>
・関西電力<9503>
電力銘柄を筆頭に勝率が低い結果となっております。
7月相場は、3月期決算企業の決算発表が6月で一巡し、相場全体でサプライズとなる株価材料が出づらい月です。株価材料が少ない中では積極的な買いが入りにくいと考えられ、株価は下落する傾向があります。
どの業種の個別銘柄も、月によって株価が上がりやすい時と下がりやすい時があります。今回のような簡単な検証は、7月の投資戦略を考えるうえで、有効な判断材料の1つになることでしょう。
(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社および関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)
文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー)
国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。
(文:西村 剛(証券アナリスト、ファンドマネジャー))
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