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義父母の「言い方」にイラッ!「女はやっぱりかわいげ」「妻は夫の好きな料理をつくるもの」

オールアバウト / 2024年7月5日 22時5分

義父母の「言い方」にイラッ!「女はやっぱりかわいげ」「妻は夫の好きな料理をつくるもの」

70歳を超える老人の価値観を正していくのは、ほぼ不可能だと思ったほうがいいかもしれない。悪気はなく男女差別的な発言をするのは日常茶飯事だろうし、ましてやそれが義両親だったときには、余計に腹が立つ。

男女差別に関して特に神経質になっているわけでなくても、今の感覚からいうと「あれ?」と思うようなことは多々ある。それが身内からの発言となれば、なおイラッとすることもあるだろう。

「もらってもらえなくなる」

高校生の息子と中学生の娘がいるヒナコさん(48歳)。夫の両親は70代後半になるが、ふたりとも元気で近所に住んでいる。

「ふたりとも楽しみにしているので、週に1回くらいは私や夫、ときには子どもたちも行って一緒に食事をとるようにしています。でも最近、やたらと息子と娘に対して、男女差別的な発言が多くて困るんです」

息子はサッカー、娘はヒップホップ系のダンスに夢中なのだが、娘のダンスに義両親はいつも「あんなこと、女の子がやるもんじゃない」と説教をする。

「娘が聞く耳を持たないので、業を煮やしたのか、先日は『あんなことしていると、お嫁さんにもらってもらえなくなる』と。さすがに私も夫も『今どき、そんな言い方はないでしょ』と言ってしまいました。息子に対してはテレビを見ながら、『こういう女は嫁にもらってはいけないよ』と。

もらう、という言い方がどうもひっかかる。犬猫の話じゃないんだから。何度言ってもわかってもらえませんけど」

高齢者だから見過ごしていいとか、そのまま受け流せばいいとかいう問題ではないとヒナコさんは考えている。ふたりとも認知症の気配もなく、しっかりしているのだ。だからこそ考え方を変えてほしいと思っている。

「女はやっぱりかわいげ」

「義父はときどき学生運動のことなどを話すんです。自分たちは男女の別なく、正義と自由のために闘ったのだ、と。そういうことを言いながら、娘には『女の子なんだから、もっとものの言い方に気をつけなさい』なんていう。

おかしいだろと思いますよね。ダブルスタンダードであることにも気づいてない。指摘すると『女はやっぱりかわいげがないとダメ。それが現実でしょう』って」

“かわいくない”は義父母のキーワードらしく、ヒナコさん自身も義母からしみじみと「あなたはかわいくないわね」と言われたことがある。別にかわいいことに価値を見いだしていませんが、とヒナコさんが言うと、そういうところがかわいげがないのよ、いつか息子に浮気されるわよと脅されたそう。

「浮気はするほうが悪いんですと一蹴したら、『やっぱりかわいくない』と烙印を押されました」

ヒナコさんはそう言って笑った。

いくつになっても息子が一番の義母

義母にとって「いくつになっても息子が一番なんだろうなと思う」と言うのはサキエさん(45歳)だ。

「息子の幸せが少しでも欠けるようなことがあれば、それは“嫁”のせいだと義母は思っているようです」

13歳と7歳の子がいるが、間でひとり流産したサキエさん。そのとき義母は「かわいそうに」とさめざめと泣いた。

「私は自分が同情されているんだと思ったんですが、義母がかわいそうだと言ったのは夫、つまり自分の息子のことだった。いや、目の前の私に同情してほしいんですけどと思いましたよ。そのときわかったんです。義母にとっては、一番大事なのは自分の息子。次は孫で、私は実家の犬より下かもしれない、と」

基本的に「嫁」は、いなくてもいい存在なのだが、いなくなれば息子がかわいそうな状況になるからいてもいい。ただ、自分の息子を大事にしてくれないなら闘う姿勢を見せるのが義母なのだとサキエさんは言う。

「夫は大事にしなさい、夫を立ててこそ妻と義母はよく言うんですが、そのわりには義父には冷たい。義父はいい人なんです。いつも『うちのおかあさんが失礼なことばかり言ってごめんね』とフォローしてくれる。義父がいるから、私も本気で義母に怒るのはやめようと思うほど。

でも義父は義母に『あなたはいつもそうやって私の邪魔をする』と怒られている。義母の言動不一致は気になるところですね」

「妻というのは夫の好きなものを作るもの」

仕事を続けているサキエさんのもとには、ときどき義母から大量の作り置き惣菜が届けられる。味が濃い上、子どもたちの好みではないのだが捨てるわけにもいかず困っているのだそう。

「余ってしまうので、夫から『まだ冷凍庫にあるから、しばらくいらない』と言ってもらったんですが、『古いのは捨てなさい』とまた新たに持ってきてしまう。味が濃いとか子どもが食べないとか言えませんからね。食品は無駄にしたくないので近所に配ったりもしていましたが、今どき、そういうこともしづらい世の中だし」

義母は持ってくるたび、「妻というのはね、こうやって夫の好きなものを作るものなの。あなたができないから私がやってるんだからね」とドヤ顔をする。困りながらも、さすがに「あなたの作ったものは誰も食べない」とは言えない。

「言えたらどんなに気持ちがいいかと思うこともありますが、そこは私も大人なので……。それこそ、もうちょっと義母が奥ゆかしい女性なら、うまくいくんだろうなと思うことがあります。結婚して15年、我慢することを覚えた私って偉いと思うしかありません」

義父母との関係は、どういう状況であろうとなかなか一筋縄ではいかないものなのかもしれない。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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