「社会保険料が大変なことに」で大炎上! 些細な愚痴がママ友LINEグループで攻撃の対象に
オールアバウト / 2024年7月7日 22時5分
![「社会保険料が大変なことに」で大炎上! 些細な愚痴がママ友LINEグループで攻撃の対象に](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/allabout/allabout_109186_0-small.jpg)
SNSで炎上はつきものだが、友だちとだけでつながっているはずのLINEグループでも同様のことが起こっているという。やっかみが飛び、マウントを取り合い、そして鬱憤をぶつけ合っている。
SNSを誰もが利用するようになったことで、「どうでもいいような些細なこと」が非難されがちだ。自分と意見が違う、自分が思っている「一般常識」からはずれているだけで中傷される。
ただ愚痴をこぼしただけで、ひどいときは「日本から出て行け」とまで言われてしまう。本人の言葉に対して、浴びせられる言葉の悪意が強すぎる。そこに他人への敬意も思いやりも感じられない事例が多々ある。
どうやらそれは顔見知りのグループにも起こっているようだ。
ママ友グループのLINEでトラブル発生
「ほんの愚痴だったんですよ。だけどそれがもとで私はママ友たちの輪からはずされ、さらに友人たちをも分断したと責められました」暗い表情でそう言うのはノリコさん(41歳)だ。9歳と4歳の子の母であるノリコさんは、それぞれの子のママ友グループLINEに入っていた。だが、共働きでフルタイム勤務のノリコさんは多忙で、LINEへの返信もなかなかできない。
「大事な連絡網は別にあるので、そこは友だち同士が軽い世間話をするような場だったんです。ときどき見てはいたけど、ずっと張りついている人もいればめったに出てこない人もいるので、私は私のペースでいいやと思っていました」
些細なひと言が「マウント」と解釈された
ところがあるとき、みんなが「ノリコさーん」と呼びかけているのに気づいた。ちょうど彼女が出張している最中で、手伝いに来てくれた義母とのやりとりのほうに比重がかかっていた時期だった。「とりあえず、『ごめんなさい。今、出張中でなかなか書き込めなくて』と送っておいたんですが、あとから『さすが、キャリア街道猛進中のセレブは違うわねー』なんていう言葉が飛び交っているのを知りました。
『貧乏暇なしですよ』と送っておいたら、それがまた火をつけたらしい。私自身はそういう流れをほとんど知らないままだったんです。
でも出張から帰って、義母にもお礼を言って、ほっと一息ついて日常に戻ったときLINEを見返したら、なんだかけっこうひどいことを言われているのに気づきました」
さらに個別に、「○○さんがノリコさんのこと、ひどく悪く言ってたわよ」「何マウントとってるんだって噂になってる。気をつけたほうがいい」といった密告も入っていた。家庭にはそれぞれ事情がある。
放っておいてくれと言いたくなったそうだ。
「健康保険料がとんでもないことに」も地雷だった
その後もノリコさんは、たまに会話に加わる程度の距離感を保っていた。あるとき他のママが「こんなに物価が高いときついわね」と言い出した。「健康保険料や税金がかなり引かれていて、うちも本当にきついなと思っているところだったので、うっかり『健康保険料がとんでもないことになってて』と愚痴ってしまったんです。
すると『高いというなら、自費診療でいいんじゃない?』という文言が。うち、共働きといっても決してふたりとも給料が高いわけじゃないんです。
ママ友の中には、夫がひとりでうちの世帯収入くらい稼いでいる人がいるんじゃないかと思う。なのに、なぜかうちが金持ちということに決めつけられてる。
内情をぶちまけてしまおうかと思ったくらいですが、自費診療にすればいいという言葉には傷つきました。そういうことを言ってるんじゃないし、単なる愚痴なのに」
ストレスが渦巻く世間
誰かが何か言うと、「おまえが言うな」という風潮は強い。たとえば嘘をついている人が「嘘はいけないよね」と言えば、おまえが言うなになるだろうが、そうではない状態なのに「おまえが言うな」は幅を利かせている。「いったい、人は何にそんなに苛立っているんだろうと思いますよね。もちろん社会的正義から怒りたいことは山ほどある。社会にも政治にも文句をつけたいです、私も。
だけどそういううっぷんがあっても、別に身近なママ友に向かって晴らそうとは思わない。
でも他の問題を抱えていて、それがストレスになって身近で発散って、わりとよくあるパターンでしょう。なんだかそういうのが信じられないんですよね。
他に問題があるなら、それを解決すれば関係ない人に意地悪なことを言わないですむんじゃないかな、と」
ノリコさんの言うことは至極まっとうだ。いくらストレスを抱えていても無関係の他人に、うっぷんをぶつけるのは大人げない。だが、そんなストレスが渦を巻いているのが世間でもあるのだろう。
今の時代、些細なことでのぶつかり合いが多すぎる。
「LINEの中では、今から『○○さんの家は夏休みに海外に行くらしい』なんていう話が飛び交っているようです。誰がどこへ行こうとどうでもいいのに……」
やっかみが飛び、マウントとりが行き交う。いつ抜けてもいいと思いながらも、ノリコさんは抜けた後に何を言われるかと思うとグループから去るのも案外難しいと、仕方なさそうな笑みを浮かべた。
亀山 早苗プロフィール
明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。(文:亀山 早苗(フリーライター))
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