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49歳、貯金1500万円。コミュ障のため人づきあいが苦手で、少しでも早く仕事を辞めたい

オールアバウト / 2024年7月14日 12時20分

49歳、貯金1500万円。コミュ障のため人づきあいが苦手で、少しでも早く仕事を辞めたい

人づきあいが苦手とのことで、早く仕事を辞めたいがお金が足りるかを心配している49歳のパート女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

早く仕事を辞めたいのですが、貯蓄額が心配であと何年辛抱して働くべきか教えてください

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、人づきあいが苦手とのことで、早く仕事を辞めたいがお金が足りるかを心配している49歳のパート女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

マリ子さん
女性/パート・アルバイト/49歳
三重県/親の家で同居

家族構成

母親(80歳)、姉(55歳)

相談内容

コミュ障のため人づきあいが極度に苦手で、49歳ですが30年間働いたり働かなかったりで生きてきました。最近の7年間の収入はひと月8万5000円です。30年で貯めたお金は1500万円です。6年ほどは1人暮らしをしましたが、今は母親と独身の姉と暮らしています。

最近ますます人間関係が苦痛で、少しでも早く仕事を辞めて家にいたいと思っているのですが、貯蓄額が心配であと何年辛抱して働くべきか教えていただきたいです。将来母親がいなくなったとしても、住むところは問題ないと思いますが、自宅はすでに築20年なので、私が譲り受けた時の修繕費も心配です。

とにかく苦手なのが人づきあいです。一方、節約などは全く苦にならないので、自分としては親がいなくなったあとも7万~8万円あれば暮らせるのではと考えています。投資も興味があり、NISAをしてみたいと思っていますが貯蓄を切り崩してするべきか悩んでいます。

家計収支データ

マリ子さんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「マリ子」さんの家計収支データ

家計収支データ補足

(1)支出データの補足
雑費の1万1000円は、猫の餌代、日用品、趣味代。

雑費のうち毎月必ずかかるのが猫の餌、爪とぎ代2500円です。猫のトイレは新聞紙を使っています。残りの8500円は毎月貯めておいて趣味代、日用品ほか、何か急に出費があった時のために現金でよけてあります。衣服代は姉の古着をもらうのでほとんどかかりません。

社会保険料の2万6000円は、国民年金1万6000円、国民健康保険料1万円。

(2)貯蓄について
毎月4万3000円の貯蓄は、給料として振り込まれたものが自然と貯まる感じです。以前は50万円貯まるごとに定額貯金にしていましたが、今は金利もほとんどつかないのでそのまま放ってあります。

(3)母親の収入と「親負担」となっている支出について
母の収入は、年金が8万円あるほか、祖父母からの相続で譲り受けた一戸建ての借家2軒分の家賃収入が24万円ほどあります。

母が払っている電気、ガス代は季節により増減ありますが、一番多い月で合わせて1万4000円。その他に母が負担しているのは、水道代2カ月で7000円、通信費5000円、NHK受信料2000円、新聞代3000円、自治会費700円、固定資産税年間12万円(住んでいる住居の分)、食費1万円とのことです(私自身も食費として6000円を負担している)。

姉は、正社員で働いています。姉もまた母とは別に、食費として月2万円とお米代を負担してくれています。

将来は姉と暮らすことになると思うので、母が払っている支出については半分ずつ負担することになると思います。

(4)国民年金保険料について
2年間未納の期間あり。現在追納不可。60歳になると払えるようですが支払うべきでしょうか。ねんきんネットによると、今から60歳まで国民年金を納めた場合、ひと月の年金額は7万3000円になっていました。それから、年金の付加保険料400円を払っていなかったのですが、今から支払っても遅いでしょうか。

(5)働き方について
週3日勤務で、1日6時間働いています。今の勤務時間なら働き続けられるとは思いますが、若い人が多い職場で私が一番年上なので60歳までが限度かと思われます。

(6)相続について
現在住んでいる家はそのまま住めるとは思うのですが、借家の2軒については、諸事情によりもらえないと思います。その分、現金でいくらかくれると母は言っております。借家の2軒分は計算に入れないで試算していただけたらと思います。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:もしも55歳まで今の働き方を続けられたら、それで十分
アドバイス2:家の修繕費や家電の買い換えなどの出費を考えておく
アドバイス3:投資よりも付加保険料を払って年金の上乗せを

アドバイス1:もしも55歳まで今の働き方を続けられたら、それで十分

ご家族の支えもあったと思いますが、よく頑張ってこられたと思います。今の働き方で十分です。つらい気持ちを抱えながら働くことはありません。今すぐ仕事を辞めて穏やかに生活を送っていただきたいと思います。

ただ、ご相談者も心配されているように、これまで多くの貯蓄をしてこられましたが、今すぐ辞めてしまうと、将来的な生活が厳しくなるのは事実です。では、あと何年働けばいいのか、考えてみましょう。

現状の家計収支のままだとして、あと6年。55歳まで働くとします。毎月4万円貯蓄できていますから、年間で48万円。6年間で288万円です。今の貯蓄1500万円を加えると1788万円です。もし55歳で仕事を辞めるとしたら、公的年金の受給が始まるまでの10年間は、貯蓄から取り崩していくことになります。

6年後の家計支出は今より少し増えているかもしれません。現在、母親が出している水道光熱費や通信費など新たな支出があると仮定します。

ご本人も月7万~8万円あれば生活できると書かれていますので、6年後の支出は月8万円とします。年間で96万円、約100万円です。10年で1000万円を生活費として使うことになり、65歳時点での貯蓄の残りは、788万円ということになります。60歳からは国民年金の払込みがなくなりますから、その分、貯蓄はもう少し残ります。

65歳からの公的年金の額は、仕事を辞めたとしても60歳まで年金保険料を払い込んでいれば、月7万円程度になるということですから、生活費の不足は年間で12万円ほどです。65歳時点での貯蓄788万円が底をつくまでには65年かかります。つまり、一生涯、大丈夫ということです。

アドバイス2:家の修繕費や家電の買い換えなどの出費を考えておく

ただし、将来的に家のリフォーム・修繕費が必要になること、家電の買い換えなどまとまったお金が出ていくことを考えると、手元資金は少なくなり、一生涯大丈夫、とは言い切れなくなります。

まだ先の話ではありますが、いつ仕事を辞めても心配ないかどうかは、この大きな出費にかかっています。お姉さんとの同居も続くのであれば、家のリフォームの予算など話し合われておくといいかもしれませんね。その金額によっては、アドバイス1では55歳まで現状維持で働くことを前提にアドバイスしましたが、1、2年早く仕事を辞めても生活に困らないかもしれません。

大きな出費だけが、不安材料として残ります。

アドバイス3:投資よりも付加保険料を払って年金の上乗せを

また、投資にも興味があるとのこと。それはとても大事なことです。しかしながら投資にはリスクがあります。運用で損失が出た場合、ご相談者が耐えることができるのかが心配です。

ここまでのアドバイスのとおり、投資で増やすことを考えるよりも、今の貯蓄を減らさないことのほうが大事ではないでしょうか。貯蓄を切り崩してまで投資する必要はありません。

それよりも、年金の付加保険料を払ったほうが、将来の年金受給額が確実に増えるので、加入を検討してみてください。

月額400円で仮に今後10年払い続けたとすると、付加保険料の総額は4万8000円です。対して、65歳から受け取る付加年金は年2万4000円(200円×加入期間10年で計算します)で、これが生涯続きます。つまり、付加保険料分は2年で元が取れるということです。

年間で2万4000円ですから、わずかな金額と思われるかもしれませんが、その分は貯蓄から切り崩さなくていいわけですから、加入するほうがトクと言えます。

細かな数字はご相談者が把握されていると思います。ここまでアドバイスしてきたとおりに、ご自身でも計算してみてください。

生活費はもう少し抑えられそうなのか、大きな出費はいくらぐらいになりそうか、そうした数字を入れ替えてみれば、何歳まで働けばいいのかが見えてくると思います。または、週2日に減らす、6時間を4時間に減らす、それで60歳まで働くという選択があってもいいのかと思います。

いずれにしても心身が健康であることが一番大事です。お姉さんとも相談してみてくださいね。

相談者「マリ子」さんから寄せられた感想

このたびは、私の情けない質問にお答えいただき本当にありがとうございました。性格に問題があり人並みに働けず将来が不安で仕方なかったのですが、今回のお答えでなんとか暮らしていけるかもと少し希望が持てました。

たとえ短い時間でもできるだけ長く働き続けられたらと今は思っています。これからも生活をコンパクトにし、その中で小さな幸せを大切に穏やかな気持ちで生きていけたらと思います。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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