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老齢厚生年金を繰上げ受給するデメリットはある?

オールアバウト / 2024年7月18日 8時10分

老齢厚生年金を繰上げ受給するデメリットはある?

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、老齢厚生年金を繰上げ受給するデメリットについてです。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、老齢厚生年金を繰上げ受給するデメリットについてです。

Q:老齢厚生年金を繰上げ受給するデメリットって?

「老齢厚生年金のみを繰上げ受給するデメリットとは、どんなことがあるのでしょうか? 62歳ぐらいから受給を開始したいと思っています」(59歳・会社員男性)

A:年金が生涯にわたり減額されます。老齢基礎年金も同時に繰り上げるので、万一のリスクの保障がなくなる可能性も

老後の生活の柱となる老齢基礎年金、老齢厚生年金は、受給要件を満たすことで65歳から受給できますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受給できます。

繰上げ受給をすると65歳になる前に老齢年金を受け取れるものの、繰上げ支給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。現在の減額率は、1カ月早めるごとに0.4%(※)で、最大60歳まで(60カ月)早めると24%減額されます。

※2022年(令和4年)4月1日から、昭和37年4月2日以降生まれの方を対象に減額率が0.5%から0.4%に緩和されました。昭和37年4月1日以前生まれの方の減額率は0.5%のままです

65歳未満で一定の年収以下等の要件を満たした配偶者がいる場合は、老齢厚生年金に「配偶者加給年金額」が加算されますが、この加給年金額も65歳になるまでは加算されないので注意してください。

また、老齢厚生年金の繰上げを請求すると、老齢基礎年金も同時に繰り上げることになります。片方の年金だけ繰上げ受給することはできません。

したがって、老齢基礎年金を繰上げ受給した場合の注意も必要です。大きなデメリットは以下のようなものがあります。

【1】60歳以降に加入できるはずの国民年金の任意加入ができない

【2】取り消しや変更することができない

【3】事後重症(障害認定日には基準に該当しない障害状態の場合、その後障害の状態が重くなり、障害年金を請求する方法)などによる障害基礎年金を請求することができなくなる

【4】寡婦年金は支給されない、既に寡婦年金を受給されている人は寡婦年金の権利を失う

【5】65歳になるまで、遺族厚生年金(遺族共済年金)と繰上げ受給した老齢基礎年金は併給できない

このように、万が一の場合の公的な保障を失うこともありますので、注意しましょう。

現在のような長寿社会において、公的年金は、生涯にわたり受給できる大切な収入源となります。繰上げ受給を申請する前に、慎重に考えましょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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