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娘の離婚を喜ぶ実母の本心とは? モラハラ夫から実家に逃げ帰った38歳シングルマザーの後悔

オールアバウト / 2024年7月17日 22時5分

娘の離婚を喜ぶ実母の本心とは? モラハラ夫から実家に逃げ帰った38歳シングルマザーの後悔

頼りがいがあると思って結婚してみたら、夫はモラハラがひどい。子どもができても一向に変化なしで、おまけに義母のモラハラもひどい。耐えかねて離婚を決断、実家に帰ってみたら予想外の事態に……

離婚はしたものの、子どもを抱えてどうやって生きていこうかと悩む人は多いだろう。そんなとき実家が近ければ、どうしても親を頼ってしまうのは当然のことだ。だが、親と必ずしもうまくいくとも限らない。

結婚したとたん、夫がモラハラの権化に

短大卒であるために夫や義母から下に見られ、それでも子どものためにと頑張って共働き主婦を続けてきたユミコさん(38歳)が、ついに耐えきれずに子どもを抱えて家を出たのは1年前だ。

「2歳年上の彼と結婚したのは34歳のときです。頼りがいのある恋人だった彼が、結婚したとたんモラハラの権化になってしまった。近くに住む義母も『短大卒なのねえ。うちはこの子の姉も四大卒なのに』と嫌味を言ったり。私はある専門職についているので、そのためには短大がよかったんです。早く仕事をして家を出たかったということもあって」

ユミコさんは過干渉に近い実母から早く離れたかったのだという。母はそういう人だと割り切っていたものの、夫に対しては諦めがつかなかった。

夫が私をバカにする理由

「そんなに私をバカにするなら、どうして結婚したのよと聞いたことがあるんです。そうしたら『オレの言いなりになると思ったから』って。結婚してみたら、彼が思うほど言いなりにはならなかった。だから常にストレスだったんでしょうね、私の存在が。

でも夫は家事もできないし、お金の管理もずさん。私が家計を仕切ってうまくいっていたんです。でもあるとき義母が、『あなた、自分が稼いだお金を妻に渡したら大変なことになるわよ。この人に家計管理なんてできるはずがないでしょ』と騒ぎだし、夫もその気になって自分で管理すると言いだした」

案の定、夫は生活費もろくに渡さなくなった。もうだめだ、家を出ようと思ったとき妊娠に気づいた。子どもができれば夫も義母も変わるかもしれないと思った。

「まあ、でも変わるわけがないですよね。女の子を出産後、子どもにばかり気持ちがいって夫を顧みないと言われました。『子どもなんかミルク飲ませて寝かせておけばいいだけだろ。もっとオレのことを考えろ』とはっきり言ったときはびっくりしました。あなたはこんな小さな命を守ろうと思わないの? って。さすがに夫も何も言えませんでしたけど」

そんな夫が会社では「デキる社員」として通っているらしいのだから、外面と内面でこんなに差がある人もいるのだと、ユミコさんは驚くだけだった。

暴力まがいのことが起きて

1年前、当時1歳だった娘と寝ていると、深夜、酔った夫が部屋に入ってきた。ぶつぶつと何か言っているが聞き取れない。

「子どもが寝てるからとリビングに誘導しようとしたら、『おまえはオレをバカにしてるだろ』と叫んで。びっくりして泣き出した娘に、夫は自分のバッグを投げつけたんですよ。

酔ってるから当たらなかったけど、私、それを見て夫を突き飛ばしました。夫は転倒したけど、そんなの知らない。娘を抱いて飛び出そうとしたら、夫が『ごめんなさい、ごめんなさい』と泣いて謝っている。その日は家にとどまりました」

ただ、どう考えても今後、一緒にやっていけるとは思えなかった。ユミコさんは職場復帰したばかりだったが、もう夫とは距離を置いたほうがいいと決めた。

次の日、実家でひとり暮らしをしている母に電話をした。母に頼るのも片腹痛いところはあったが、この状況ではしかたがなかった。

「母は、自分が天然で人に愛されていると思い込んでいるタイプ。世話好きだと言っていたけど、要するに私から見れば過干渉でしたね。それでも電話すると『そんなことなら早くこっちに来なさい』と。それで子どもを連れ、身の回りのものだけ持って家を出ました」

離婚はすんなり成立した。夫は最初は駄々をこねたが、慰謝料はいらないと言うとサインした離婚届を送りつけてきた。養育費だけは取り決めたかったが、「母が『どうして養育費を出さなければいけないのか』と言ってる」という理由で拒否された。どうしても欲しければ1度家に戻ってこいと言われたがそれは避けたかった。

「結局、何ももらわないままでした。これから私が必死で働けば、なんとかなると思うしかなかった。母も『私もパートを続けられるだけ続けるから』と言ってくれたんです」

「あんたが離婚してくれてよかった」

ところがこの母、以前とは違い、世話好きではなくて世話を焼いてもらいたい方向に変わっていた。兄やユミコさんが家を出てから、母は父に頼りきりで、家事もほとんど父がやっていたらしい。何ごとも人にやってもらうことに慣れてしまっていたのだ。

「娘を保育園に迎えにいってごはんを作って食べさせる。そのくらいやってほしかったんですが、週に1回やってくれればいいほう。しかも私の仕事中に『歯が痛いの』と電話がかかってくる。歯医者に行けばいいじゃないですか。でも『ひとりで行きたくないから、連れてって』と。

元気でパートもしている人が何を言ってるんだろうと思ったんですが、父はそういうとき連れていっていたらしい。人に甘える癖がついてしまったんでしょう」

あげく、ある時しみじみと「あんたが離婚してくれてよかったわあ」と言った。これにはユミコさんもムッとして「娘の離婚を喜ぶなんて信じられない」と言い返した。

「『だって私、ひとり暮らしが寂しかったんだもの。これから孫ちゃんが大きくなるから、私、もっと年とって動けなくなっても安心だわ』って。頼る気満々ですよね」

ユミコさんは娘とのふたり暮らしができないかと考えたが、娘の安全を考えれば、今の状況のほうがマシだと思い直した。今は、母にもう少し自立心を植えつけるにはどうしたらいいかを考え中だという。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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