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市場で「防衛関連銘柄」が話題なのは、なぜ?

オールアバウト / 2024年7月19日 11時30分

市場で「防衛関連銘柄」が話題なのは、なぜ?

日経平均やTOPIXが史上最高値を更新しているなか、「防衛関連」銘柄に関心が集まっています。なぜ今「防衛関連」なのか?どんな銘柄があるのか?などの基本的な話をご説明できればと思います。

日経平均やTOPIXが史上最高値を更新

7月4日、日経平均株価に遅れること3カ月少し、ついにTOPIX(東証株価指数)も史上最高値を更新しました。銘柄の入れ替えを定期的に行っている日経平均株価とは違い、TOPIXはまさに日本株全体(現在のTOPIX構成銘柄はプライム市場だけですが改革が進んでいます)を象徴する指数ですので、TOPIX史上最高値更新の方が、私は感慨深いものがあります。

さて、日経平均株価やTOPIXが史上最高値を更新しているなか、さまざまなテーマに沿った銘柄が買われています。「半導体関連」であれば、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、スクリーンホールディングス<7735>などが含まれますし、「アップル関連」ですと、村田製作所<6981>、太陽誘電<6976>、TDK<6762>などがあります。

今回、こうした市場で注目されているテーマから「防衛関連」にスポットを当てたいと思います。

なぜ、「防衛関連」が注目されているの?

なぜ、「防衛関連」が注目されているのでしょうか。日本で生活していますと、「防衛」という言葉は耳馴染みがないかと思いますが、周辺を海で囲まれている日本は、実は重大な「地政学リスク」を抱えています。隣国の北朝鮮がミサイルを頻繁に発射していますし、米中対立や台湾海峡など日本周辺にはさまざまな問題が存在します。

そこで、日本政府は防衛能力の強化に乗り出し、2022年12月、防衛費の大幅な増額や反撃能力の保有・強化などを盛り込んだ新しい「防衛3文書」を決定しました。防衛費をGDP(国内総生産)比で2%と従来の1%と比べますと倍増する計画です。防衛費は2027年度までの5年間で43兆円を投じる計画ですので、2022年度に比べ1.5倍に増えます。

予算増額を受けて、防衛産業自体の市場規模は拡大が見込まれています。防衛産業は、主に弾薬や、航空機・艦船、通信機器などの開発・生産を行っている産業ですので、知名度が高い日本を代表する大企業が多く含まれています。

「防衛関連」銘柄にはどのようなものがある?注目銘柄は?

それでは「防衛関連」銘柄にはどのようなものがあるのでしょうか。

●代表的な銘柄は三菱重工業やIHI
代表的な銘柄は三菱重工業<7011>でしょう。2024年3月期の「防衛・宇宙事業」の受注高は1兆8781億円と前期比3.4倍と過去最高を記録しました。株価も上場来高値(株式分割考慮)を更新しており非常に強い動きが見られます。

また、IHI<7013>も代表的な銘柄と言えます。同社は、民間エンジン・防衛事業を成長事業として位置づけており、防衛省の次期戦闘機開発プロジェクトではエンジン担当として参画しています。日本とイギリス、イタリア(日英伊)の3カ国でグローバル戦闘機プログラム(次期戦闘機の共同開発など)も進めており、中心的な役割を担っています。

●そのほかに「防衛関連」銘柄は?
後は、装甲車や火砲などを展開している日本製鋼所<5631>や、自衛隊向け潜水艦やヘリコプターなど航空機を開発している川崎重工業<7012>、レーダーシステムやミサイルなどに経営資源を投入する方針を示している三菱電機<6503>、防衛省向け救難飛行艇を開発している新明和工業<7224>なども「防衛関連」銘柄として挙げられます。
主な「防衛関連」銘柄一覧

今後、どういったニュースに気を付けたらいいの?

今後、こうした銘柄を注目していくにあたり、どのようなニュースを確認していくのがいいでしょうか。

例えば、日英伊で進めているグローバル戦闘機プログラムは、政府が第三国への輸出を容認することを決定しました。また、ASEAN(東南アジア諸国連合)は多国間の防衛外交を積極化しており、日本政府も安全保障分野の協力を拡充しています。

このように、日々、「防衛力整備計画」「アジアの安全保障」「国家安全保障戦略」といった「防衛関連」のニュースが伝わっています。日常生活とは非常に離れたテーマですが、日々安全で平和な生活を送る上では、非常に大事なテーマと考えます。こうしたニュースに目を通すことによって、日本を含むアジアや世界で今何が起こっているのかを知ることもできます。

文:田代 昌之(金融文筆家)

新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
(文:田代 昌之(金融文筆家))

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