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遺族年金受給者は老齢年金を繰り下げできないのですか?

オールアバウト / 2024年7月23日 18時30分

遺族年金受給者は老齢年金を繰り下げできないのですか?

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、遺族年金受給者の繰り下げについて、専門家が解説します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に回答します。

今回は、遺族年金受給者の繰り下げについてです。

Q:遺族年金受給者は老齢年金を繰り下げできないのですか?

「1964年生まれの女性です。厚生年金には加入したりしなかったりの生活で若い頃に国民年金の未納があります。後から納付できる期間分を払い受給資格期間は満たしましたが満額の480カ月にはなりません。老齢年金を繰り下げ受給したいと思いますが、主人の遺族厚生年金を受けてます。遺族年金受給者は老齢年金を繰り下げできないのですか? 将来的に少しでも受給額を増やす方法はありますか? 現在は厚生年金に加入して働いてます」(五輪女さん)

A:遺族厚生年金を受ける権利があると老齢年金を繰り下げすることはできません

遺族厚生年金を受けている、または受ける権利のある方は、老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)を繰り下げ受給することができません。

老齢年金は、原則65歳から受給できますが、一定の要件を満たした人は65歳になる前に、特別支給の老齢厚生年金を受給できます。

相談者の五輪女さんは1964年生まれの女性ということで、厚生年金に1年以上加入していれば、63歳または64歳に特別支給の老齢厚生年金を受給することができます。

なお60代前半で遺族厚生年金と特別支給の老齢厚生年金の両方の受給権が生じた場合は、どちらかを選択することになります。五輪女さんは65歳になるまでは、遺族厚生年金と特別支給の老齢厚生年金(63歳または64歳に受給権生じる)のうち金額の有利な方を選択することになります。もしも特別支給の老齢厚生年金を選んだ場合でも、遺族厚生年金の受給権を失権したわけではないので、65歳からの老齢年金の繰り下げはできません。

65歳以後はご自分の老齢基礎年金と老齢厚生年金、差額支給の遺族厚生年金が支給されます。

老齢年金の受給額を増やす方法があります。1つは厚生年金にできるだけ長く加入することです。

65歳以後の遺族厚生年金の計算方法として「①夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」(現在の計算方法)の他「②夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1と妻の老齢厚生年金の2分の1の合計」があります。

①か②どちらか金額の高い方からご自身の老齢厚生年金を差し引いた額が差額の遺族厚生年金となります。ご自身の老齢厚生年金が高いと②の方が①より高くなる可能性があります。できるだけ長く厚生年金に加入して自分の老齢厚生年金を増やすといいでしょう。厚生年金保険料は給与から天引きされますが、働いている間も遺族厚生年金は非課税でもらえます。その分、預貯金を増やすこともできるでしょう。

もし、①の方が金額が有利で「遺族厚生年金から自分の老齢厚生年金が差し引かれると差額の遺族厚生年金が少なくなる」と感じるなら、65歳になる前に退職し、失業等給付をもらいながら国民年金保険料の納付月数が480カ月になるまで国民年金に任意加入し、65歳以降の老齢基礎年金を増やすことができます。

どちらにしても、年金事務所で年金見込み額を確認し、増やす方法を検討しましょう。

文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))

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