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横浜・山下ふ頭の歴史的な建造物に広がるアートな空間「アートスクイグルヨコハマ2024」【鑑賞リポ】

オールアバウト / 2024年7月24日 21時45分

横浜・山下ふ頭の歴史的な建造物に広がるアートな空間「アートスクイグルヨコハマ2024」【鑑賞リポ】

横浜・山下ふ頭で倉庫を活用した現代アートの祭典「アートスクイグルヨコハマ2024」が2024年7月19日からスタート。若手作家を中心に16組のアーティストが作品を展示しています。

横浜・山下ふ頭で倉庫を活用した現代アートフェスティバル「Art Squiggle Yokohama 2024(アートスクイグルヨコハマ2024)」が7月19日からスタート。若手作家を中心に16組のアーティストが作品を展示しています。魅力的なコンテンツを紹介します(画像はプレス内覧会にて筆者撮影)。

Art Squiggle Yokohama 2024について

旧倉庫スペースを生かしたダイナミックな展示に注目「Art Squiggle Yokohama 2024」は、横浜港の景色が楽しめる山下ふ頭の旧倉庫スペースで初めて開催される現代アートフェスティバルです。

タイトルの「Squiggle(スクイグル)」とは、「まがりくねった/不規則な/曲線」という意味。同展ではサブタイトルを「やわらかな試行錯誤ー芸術とわたしたちを感じる45日間」とし、若手アーティストを中心とした16組による作品展示(うち8組は新作を発表)と、その制作プロセスにおける試行錯誤をひも解く展示内容となっています。

<展示作家>
宇留野圭、川谷光平、河野未彩、GROUP、小林健太、酒井建治、土屋未久、中島佑太、沼田侑香、藤倉麻子、光岡幸一、村田啓、MOBIUM、山田愛、楊博、横山麻衣(50音順)

山下ふ頭4号上屋を会場とした理由とは

会場は山下ふ頭の海側にある4号上屋山下ふ頭は、動く実物大ガンダムが展示されていた「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」があった場所で、数年後に大規模な再開発が予定されているエリアです。

同展の会場となっているのは、海側の「4号上屋(よんごううわや)」。港で輸出入するコンテナ貨物の一時的な保管場所として使われていた建物を活用しています。

山下ふ頭は、明治維新から世界と日本をつないで、人、モノ、そして文化が交差し続けてきた場所。そこに建つ上屋もまた、日本の高度経済成長を支えてきた時代のアイコンです。巨大な躯体を支えるトラス構造の建築は、昭和の建築技術の粋を集めた圧倒的なスケール感の内部空間を有しています。

歴史的にも貴重な建築物をアートとともに体験する試みでもあります。

作品の楽しみ方:好きな順番で鑑賞

「ライブラリー&ラウンジ」にはスクイグルをテーマに選んだ書籍約100冊が並ぶ会場は、空間デザイナーの西尾健史さんが空間設計を手掛け、来場者はまるで迷路のように構成された空間を好きな順番で辿りながらアート鑑賞を楽しむことができます。

デザイナーの山口萌子さんによるグラフィックや什器(じゅうき)デザインが並ぶ会場内は心地よく、来場者は思い思いに過ごせる工夫が施されています。

「ライブラリー&ラウンジ」は、アートについて学んだり、考えを巡らせたり、誰かと対話したりできるスペース。ライブラリーには、嗜好の異なる複数の書店が「スクイグル」をテーマに選んだ書籍約100冊が並び、自由に手に取って読むことも。

「スクイグル」しながら、それぞれのペースでアート鑑賞を楽しめます。

注目の作品を紹介

同展では、若手アーティストを中心とした16組による作品(うち8組は新作)が展示されています。注目の作品をピックアップ。

写真作品ができるまでを体験

川谷光平《Untitled》(2020-2024)(一部)まずは、会場内最大規模で常設展示される、写真家の川谷光平さんのインスタレーションから。「写真は、いま、1番身近なメディア」と話す川谷さん。入口(=写真を撮るための準備)から出口(=作品発表)までのプロセスを展示することで、誰でもその瞬間や過程を自分に身近なものとして体験できるのではないか、という趣旨で構成したとのことです。川谷さんの撮影現場や頭の中をのぞき見られるような内容に興味津々。

サボテンと人との関わりが「こうだったら」

GROUP《港 / Manicured Cactuses》(2024)(一部)続いて、GROUP《港 / Manicured Cactuses》(2024)。今回の会場が「港」であることから、ヨーロッパから鑑賞用や薬用として伝わったサボテンをモチーフとして採用。「港を介しての伝わり方が別のものであったとしたら……、サボテンと人との関わり方がこうだったかもしれない」と想像して作られた、柱や家具、什器(じゅうき)、楽器など15の作品が並んでいます。

2度と同じ色が見られない……!

河野未彩《HUE MOMENTS》(2024)河野未彩《HUE MOMENTS》(2024) は、光の三原色を応用したカラフルなインスタレーション作品。3灯の光源から色が変化する光をオブジェに投影することで、いろいろな色の影が映し出されるというものです。いつまでも眺めていられる美しい作品ですが、2度と同じ色は見られないそう。

玉砂利と自分を重ねて

山田愛《流転する世界で》(2024)……作家本人がプレス向けに解説反対にとても静かな作品は、山田愛《流転する世界で》(2024)。暗がりの中には直径5メートルの大きな黒い円盤が。その上に「お墓でもらってきた」という玉砂利が並べてあります。玉砂利はきれいに手で洗ってあるそう。1つとして同じ石はありません。長椅子に座って作品を眺めることで「自分の起点を見つめ直すような時間になれば」と山田さんは話します。

ワークショップも実施

光岡幸一《Hyahbling Star》(2024)……鳥がフンをしたシートに差し替えるところに遭遇!このほかにも、黒いシートに鳥が落とすフンで作品が出来上がる光岡幸一《Hyahbling Star》(2024)や、沼田侑香さんのアイロンビーズ体験や中島佑太さんの《今日の遊び場》といったワークショップが行われるものなどもあります。開催日時などの情報は同展のInstagramをチェック。
沼田侑香《Surfing the Net to the Moon》(2024)……アイロンビーズを使った立体的な作品 ​​​​​

「アーティスト・ノート」を作成しよう

作品制作にまつわる関連展示面白いのが、「スクイグル」が垣間見えるコーナーが作家ごとに設けられていて、そこに作品や制作についてのインタビュー記事が掲載された「アーティスト・ノート」が用意されていること。好きな作品や作家の「アーティスト・ノート」を集め、メモした付せんや表紙をつけて、綴じて持ち帰れます。
「アーティスト・ノート」を集めて綴じて持ち帰れる日常に戻った後もこの「アーティスト・ノート」を広げれば、同展の感動がよみがえることと思います。

週末には音楽イベントやキッチンカーも

ドリンクは毎日販売(ソフトドリンク税込300円、アルコール税込600円)週末を中心に音楽イベント「Sound Squiggle」の開催やホットドッグなどを販売するキッチンカー「HAIROLE(ハイローレ)」が出店します(ドリンクは毎日販売)。静かに作品を鑑賞するなら平日に、ライブと合わせて楽しむなら週末に足を運んでみて。

「Art Squiggle Yokohama 2024」情報

期間:2024年7月19日~9月1日
時間:平日・日曜・祝日11:00~20:00(最終入場19:15)、金・土曜11:00~21:00(最終入場20:15)※8月5日は11:00~21:00 (最終入場20:15)
場所:横浜山下ふ頭(神奈川県横浜市中区山下町)
アクセス:みなとみらい線元町・中華街駅4番出口より徒歩15分、ベイサイドブルー 山下ふ頭、終点下車
入場料:一般 前売り2200円/当日 2400円、大学生、高校生1500円(要学生証提示)、横浜市民割 前売り 2000円/当日 2200円(横浜市内在住者、要証明)、中学生以下無料(要学生証提示)、障がい者手帳をお持ちの方と介護の方1名は無料
※前売りは来場日前日23:59までの購入が対象

(文:田辺 紫)

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