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39歳貯金1120万円、実家暮らし。親に寄生している自覚があり、老後が怖い

オールアバウト / 2024年7月30日 22時20分

39歳貯金1120万円、実家暮らし。親に寄生している自覚があり、老後が怖い

ご相談者は、実家で両親と暮らす39歳の会社員の方。転職することや、親に頼っており今後の生活に不安があるといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

給料はこの10年、ほぼ横ばいで上がる見込みはありません

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、実家で両親と暮らす39歳の会社員の方。親に頼っており今後の生活に不安があるといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

マンボウさん
女性/会社員/39歳
東海/親の家で同居

家族構成

両親(60代後半)

相談内容

親におんぶにだっこな自分の老後が怖いです。転職を重ね現在の職場になり、10年。月1万円を家に入れるぐらいしかしておらず、完全に寄生している自覚があります(電気、水道などのライフラインを親に頼りきり)。

今さら、転職するのも怖いのですが、老後1人になった時、大丈夫か不安で仕方ありません。給料はこの10年、ほぼ横ばいで上がる見込みはありません。ボーナスは半年定期代に消えて貯金できていません(月々の交通費を赤字補てんにしています)。

厚生年金のみ、個人年金はしていません。会社は60歳定年まで働く予定です。その後は私の健康状態にもよりますが、アルバイトとして働き続けられたらと考えています。前例もあるので大丈夫かと思います(接客業です)。

月5万円の貯金しかできておらず(昔は10万円ほどできていたのですが)、貯金が1100万円というのも不安です。

介護については、両親は自身で5000万円ほど用意しており、心配はないと言ってくれています。結婚する予定はないです。最近、スマホのアプリゲームにハマり月1万円も課金してしまっているのも泣きたいです。老後にむけてどのようなことをしていけばよいでしょうか。

家計収支データ

マンボウさんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「マンボウ」さんの家計収支データ

家計収支データ補足(相談者コメント)

(1)ボーナスの使い道について
ボーナスはすべて定期代。交通費は全額支給で月1万8000円ありますが、これは月末の赤字補てんに回しています。赤字補てんがない場合は、無駄遣い用口座に入れています。ボーナスで6000円程度余りますが、これも無駄遣い用口座に入れます。

(2)貯蓄について
預金としてはカウントしていませんでしたが、普通預金口座に30万~50万円(無駄遣い用口座。変動が激しい)あります。

これは生活費口座とは別に口座を作っており、生活費に1万8000円以上の赤字が出た時の補てん、また赤字が出ずに余った時用の入金に使っています。急な出費(衝動買い、医療費、服飾費、美容費用)に使用しているので、預金カウントはしていません。

(3)趣味娯楽費について
書籍代が約2万円、カフェ・外食費が約1万円、ヨガ代(月4回)が約1万円。

(4)加入保険について
掛け捨て型医療共済に加入しています。

(5)家計収支差について
収支差の7000円は、赤字補てんがない場合、無駄遣い用口座に移し替えます。

(6)ご家族について
マンションですが、持ち家になります。弟(既婚)がいます。きちんと書式にしているわけではないですが、両親の介護はできない代わりに、実家は私のものにしたらよいと6年前に言われています。弟の仕事は安定しており、高収入でもあるようで、こちらのことはあまり気にしていないようです。

(7)退職金について
60歳定年まで勤めたら260万円。1年ごとに10万円退職金が増える制度で仮に55歳で辞めたら210万円になります。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:心配は無用。親と同居でも自立できている
アドバイス2:60歳からは月8万円程度の収入が得られると安心
アドバイス3:親の介護は精神的な支えにとどめること。住宅のメンテナンスも大事

アドバイス1:心配は無用。親と同居でも自立できている

そんなにご自分を卑下することはありませんよ。毎月、安定した定期収入があり、貯蓄もしっかりできています。ご自分の収入のなかで、きちんとやりくりされているのですから、ゲームアプリの課金1万円も自分の裁量ですし、それでストレス解消になるのであれば問題ありません。

使いすぎはNGですけれど、みなさんストレスを抱えています。ストレス解消グッズだと思って予算の範囲内で楽しめばいいのです。

さて、老後の不安ということですが、漠然と思っているから余計に不安に感じてしまいますが、試算に基づいてイメージできれば、過剰な心配はなくなるでしょう。

マンボウさんは、毎月5万円の貯蓄ができています。年間60万円ですから、60歳になるまでの21年間で1260万円貯めることができます。現在の貯蓄額が1120万円ありますから、合わせて2380万円。これに退職金260万円が加わり、合計で2640万円。60歳までにこれだけ貯蓄することができるのです。

以前は毎月10万円貯蓄できていたということですが、毎月5万円でも無理なく長く続けることができれば、これだけの資産を残せるのですから、今のペースで問題ありません。書籍代やヨガ代などにお金をかけることも大事です。無駄な出費はありませんから、このペースを維持していくようにしてください。

アドバイス2:60歳からは月8万円程度の収入が得られると安心

60歳で定年退職を迎えたあとも、アルバイトなどで収入を得るとの考え方も立派です。マンボウさんの公的年金受給開始は65歳からですから、それまでの5年間、健康に気を付けて無理なく働くようにしてください。仮に月8万円ほどの収入が得られれば、年間で96万円です。

おそらくこのころには、ご両親に代わって家の固定資産税や水道・光熱費の負担はあるかもしれません。現在、住居費として1万円を家にいれていますので、固定資産税分はこれで十分でしょう。水道光熱費が増えた分、他で調整できれば、毎月の支出は今と変わらず10万円程度に抑えることも可能でしょう。

年間支出120万円とすると、不足分は24万円。約30万円とします。5年間で貯蓄からの取り崩しは150万円となり、65歳時点での金融資産は2490万円です。

65歳からは公的年金の受給がはじまります。年金額にもよりますが、仮に年額120万円(月10万円)とすると貯蓄からの取り崩しはゼロ。年額100万円(月8万3000円)とすると、不足分は年間20万円。2490万円がゼロになるのに、100年以上かかります。

つまり、60歳以降のアルバイト収入、公的年金の受給額、毎月の支出次第ですが、実は、そこまで切り詰めなくても、十分生活していくことができるということです。

これも、毎月5万円貯蓄できており、現時点でも1000万円以上の貯蓄があるからこそです。自信をもってください。

アドバイス3:親の介護は精神的な支えにとどめること。住宅のメンテナンスも大事

将来、気がかりなのは、やはり親御さんの介護です。親御さんはご自身の金融資産でまかなうから心配ないとのことで、ご立派なご両親だと思います。問題はマンボウさんです。これまで同居してきたから、親に甘えてきたからといって、必要以上に親御さんの介護を負担しようと思われるのではないか、ということです。

精神的な支えになり、介護サービスや介護施設などを調べて手配してあげることだけで十分ですからね。ご自分の時間を割いたり、自宅介護で無理をすることのないようにしてください。

さらに、弟さんとはお話ができているようですが、何も問題ないようにみえてトラブルになるのが相続です。できればご両親がお元気なうちに、弟さんを交えて、将来の話はされておくといいでしょう。

そのうえで、将来、もうひとつ気がかりなのは、家のリフォームやメンテナンスです。介護にかかる費用はご両親がご自身たちでまかなうのであれば、家のメンテナンスにかかる費用や、場合によってはリフォーム費用をマンボウさんが負担することを考えておいてもいいかもしれません。

その時期や内容は、今はわかりませんが、いずれにしてもマンボウさんがずっと住み続けるのであれば、かかってくるコストです。こうしたことも老後のイメージとして、もっておかれるといいでしょう。

大丈夫です。何も心配することはありません。ストレスを溜めず、健康に気を付けて過ごしてください。

相談者「マンボウ」さんから寄せられた感想

ありがとうございます。時折、不安で夜も眠れない日がありましたが、お返事いただき安心しました。現状維持+‪α‬を心がけ楽しく生活していきます。またアドバイスいただいた両親の介護問題などは早めに話し合いの機会を作っていきます。このたびはアドバイス誠に感謝いたします。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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