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42歳貯金6500万円。土日はおろか、大型連休もろくに取れず心身が疲弊しきっております

オールアバウト / 2024年8月7日 20時5分

42歳貯金6500万円。土日はおろか、大型連休もろくに取れず心身が疲弊しきっております

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、仕事に疲弊をしており、スローライフを送りたいと考えている42歳の会社員男性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

このままでは身体が持たないため、スローライフな生き方を実現したい

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、仕事に疲弊をしており、スローライフを送りたいと考えている42歳の会社員男性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

ガオレイさん
男性/会社員/42歳
四国/借家

家族構成

妻(41歳)

相談内容

いつも楽しく見させていただいております。このたびはご相談できればと思い連絡いたしました。

学校卒業後、あまり大きな買い物もせずに真面目に生きてきており、堅実な方と結婚もしました。その後、海外駐在期間などもあり、お金は貯まる一方ですが、個人の楽しみを追求する点では全く彩りのない生活です。

特にコロナ時期に中国におり、隔離の連続で心身疲弊しました。その後、日本に戻り、とある経営者の方にこれまでの経験が買われ、住居や車両も会社から貸与されており、日常生活で使用するお金は食費と数カ月に1度の質素な旅行のみです。

しかし複数の海外の顧客と仕事を担当していることもあり、土日はおろか、大型連休もろくに取れず心身疲弊しきっております。

このままでは身体が持たないため、妻とも相談しスローライフな生き方を実現したいと思っています。今この年で田舎に家を借りたり買ったりして、年金生活まで持ちますでしょうか?

もともとお金を使う趣味がないため、家賃含めても年間200万円くらいでは生きていけると思っておりますが考え方は甘いでしょうか?

私の父はとある会社の経営をしており、金銭的に面倒を見る必要はありません。母も今のところ健康問題を抱えておらずマンションの持ち家があり、貯金と年金とパートで、私たちが資金援助する必要はないと思います。

アドバイスをいただければ幸いです。

家計収支データ

ガオレイさんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「ガオレイ」さんの家計収支データ

家計収支データ補足

(1)ボーナスの使い道
特別計画はありませんが、一年に1度海外旅行に行っており、40万円/回程度の出費はございます。また、それ以外にも一年に2、3度旅行し、10万~15万円/回使用します。

(2)貯蓄について
最近まで海外駐在しており駐在中は投資などができないとのことで、全額預金に戻しました。毎月60万円も給料から自動的に普通預金に貯まっております。

(3)趣味娯楽費について
毎月7万円の趣味娯楽費は旅行費用として。

(4)加入保険について
相談者/
・共済(病気死亡300万円、入院5000円)=毎月の保険料3000円

妻/
・共済(病気死亡300万円、入院5000円)=毎月の保険料2000円

(5)今後の働き方、生活について
退職金はおおよそ200万円程度。今後の生活ですが、退職後1年は仕事をせずに旅行やボランティア活動をしたいと思っております。完全リタイアはできればしたいですが、収入にとらわれずにやりたいことをやりたい時間にしていきたく思っております。

妻の実家がある四国に安い中古物件(1000万円程度)を買って暮らしてもいいと思っていますし、海外で1年くらい暮らしてもいいかなとも思います(先月海外旅行をし、生活費は月30万円と見積もりました)。

(6)公的年金について
詳細不明ですが、おそらく私は月3万円くらい、妻は月1万5000円程度と存じます(国民年金除く)。

(7)ご家族について
妻の両親に対しても金銭的援助は必要ないと存じます。義両親(70代)は金融資産1000万円程度しかないと思われますが、義祖父母(80代)が健在であり、義両親に2000万円程度の相続はあると存じます。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:まずは1年休養。長期的な無収入では金融資産に不安が残る
アドバイス2:最低限、生活費をまかなえるだけの収入は得ること
アドバイス3:我慢したり、やりたいことを制限したりすることのない収支管理を

アドバイス1:まずは1年休養。長期的な無収入では金融資産に不安が残る

心身ともに疲弊しているとのこと。すぐに会社を辞めて休養なさってください。いったん仕事を離れ、リフレッシュが必要ではないでしょうか。

すぐに会社を辞めたとして、現在の金融資産と退職金を合わせて6755万円あります。当面は1年休養するとして、その間の生活費は、おそらく失業給付で半分程度はまかなえると思います。金融資産からの取り崩しを100万円とすると、残りの6655万円をどう使うか、ということになります。

退職することで、住居費や水道光熱費、通信費など、これまで会社負担だったものが自己負担になりますので、年間の生活費は240万円程度を見込んでおきます。

1年休養し、43歳から65歳までの22年間で5280万円が必要になりますから、もしも無収入であれば、65歳時点での金融資産は1375万円となります。60歳までは夫婦ともに国民年金に加入し、年金保険料を払い込み続ければ、おそらく夫婦で年金収入は年額100万円ほどにはなり、65歳以降の生活費の不足額は140万円。年金のみの収入だと、金融資産は早々になくなってしまいます。

アドバイス2:最低限、生活費をまかなえるだけの収入は得ること

1年休養して、その後もずっと働かないという選択はなさらないと思います。夫婦2人で240万円の年収があれば、金融資産の6655万円はキープできます。240万円以上の収入を得られれば、当たり前ですが、その分は金融資産に上乗せでき、65歳からの年金生活に余裕が生まれるでしょう。

スローライフとはいえ、何らかの収入を得る必要はありますが、どんな働き方をするのか、どのくらいの収入を目指すのかは、休養している間に、夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか?

そういう意味では、今すぐに家を購入するのではなく、賃貸で住み替えることをおすすめします。車の購入も必要になるかもしれませんが、1年間海外での生活を考えておられるのなら、しばらくはレンタカーで対応するなど、検討してみてください。動き出すのは1年後とし、それまでは、物事をきっちりと決めすぎず、選択肢を増やしておくことが大切ではないでしょうか?

アドバイス3:我慢したり、やりたいことを制限したりすることのない収支管理を

これまでは、あまりお金のことを考えずとも生活ができ、貯蓄も自然と増えていったわけですが、退職後は、将来の年金生活を踏まえて、収支管理をしていくことになります。収入が少なくなり、旅行を我慢したり、やりたいことを制限したりするようなことになってしまうと、ストレスが溜まったり、生活の変化に対応できなくなってしまうことが心配です。

これまでの経験から仕事の選択肢は数多くあるのだと思います。長く続けられる仕事が見つかることを願っています。

最後に2つアドバイスをします。1つは保険。金融資産がありますので、保険は基本的に不要です。共済で割安なので、そのままでも構いませんが、なくても大丈夫です。

もう1つは、退職した翌年には、社会保険料や税金の負担が重く感じられること。住民税は前年の収入をもとに算出されるため負担は続きますし、国民年金の保険料は夫婦2人分の支払いが続きます。このことは念頭に置いておかれるといいでしょう。

いずれにしても、これまでの生活をリセットし、新たな生活をスタートさせるための1年としてください。これまで忙しく働いてこられたので、案外、時間を持て余すことになるかもしれませんね。働きたい気持ちが出てきたら、社会性を維持するためにも、無理のない働き方をしてください。ご夫婦でこれからの生活、働き方をゆっくり話し合ってくださいね。

相談者「ガオレイ」さんから寄せられた感想

いつも楽しく先生のアドバイスを見ております。今まで仕事以外の事柄に対してあまり関心がなかったため、金銭の管理に関して現実的なご指摘いただきありがとうございます。全く引退するつもりはありませんでしたが、これだけあればなんとか逃げれるかなという過信もございました。

しかしいくらスローライフするとはいえ、今後必要な収入を再考するいい機会となりました。少しの期間休んだ後に起業などリスクがあることはせずに、本当にやりたい事を仕事としつつ、現在の金融資産にも働いていただき、貯蓄の減少を最小限に抑えていきたいと思います。大変具体的なアドバイスと温かいお言葉をいただきありがとうございました。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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