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モラハラ男は結婚後に豹変する?「そんな彼を選んだのはあなた自身では」に傷つく女性たち

オールアバウト / 2024年8月7日 22時5分

モラハラ男は結婚後に豹変する?「そんな彼を選んだのはあなた自身では」に傷つく女性たち

結婚前は「リーダーシップがあってすてき」と思いがちだが、結婚してフタを空けてみると、その本性は「モラハラ男だった」なんていうことは、よくある。周囲からは「そういう人が好きなのでは?」と思われがちだが、なかなかそこを見抜くのは難しいものだ。

モラハラ夫、DV夫の話は後を絶たない。だがそこで悩み傷ついている女性たちに追い打ちをかけるのは、「どうして見抜けなかったの?」「そんな人を夫に選んだのはあなた自身でしょ」という言葉だ。最初からわかっていれば、誰も結婚などしないはず。

結婚後に“豹変”する夫たち

決断力、リーダーシップに優れていると思っていた夫が、結婚してみたらモラハラ夫だったというのはよくある話。結婚前はいい面しか見せないため、なかなか見抜くのは難しいものだ。

「私もそうでした。1年弱、付き合っていたのに何もわかっていなかった。というか、彼はリーダーシップがあってみんなに慕われている存在だったんです、確かに」

トシコさん(37歳)はそう言う。彼女は大学を卒業して入った会社を3年で辞めた。人間関係に悩んだ末の決断だった。半年休んで転職した先で出会ったのが、夫となった彼だ。3歳年上の彼はトシコさんに仕事を教えてくれた。

「厳しかったけど、食らいついていきました。そんな私を評価してくれたんです。1年間、一緒に仕事をしてから別の人とコンビを組みましたが、彼とのほうがずっと仕事をしやすかった。ただ彼があるとき、『仕事でコンビを組んでいるとプライベートじゃ付き合いにくいでしょ』と言ったんです。そこから付き合い始めました」

振り返れば交際中も不思議だった彼の言動

デートはいつも彼がスケジュールを組んでくれた。あとから考えれば、付き合っているとき、頭の中にクエスチョンマークが浮かんだこともある。

「あるとき帰りに事故があって、電車が止まってしまったことがあるんです。夕食をとっていた店で聞いたんですが、その情報を得るや、彼はすぐにタクシーをつかまえた。まだ食べているのにですよ。それで食事を途中でやめてタクシーで送ってくれたんです。

その車中で『こんなに甘やかしちゃダメなんだけどさ』と言いました。そのときはよくわからなかったんですが……」

恋人だからといって、タクシーで送るのは贅沢だという意味だったらしい。それがけっこう引っかかった。しかも彼女には、その日の彼の対応に多少なりとも不満があった。電車が止まったとしても、ゆっくり夕飯を食べればよかったのではないか。

「まだ止まってるのかなあ」と言いながら駅まで行って、やっぱり止まってたねと近所の居酒屋で夜を明かしてもいい。翌日はふたりとも休日だった。不測の事態を楽しんでもよかったのではないか、と。

ちゃんとした人なのだとは思ったが、おもしろみがないとも感じた。

結婚を機に豹変した!?

結婚すると、「甘やかしちゃダメ」という彼ならではの特性が突然、表面にあらわれた。新婚旅行はイタリアに1週間だったのだが、着いてすぐ彼女は若い男の子数人に囲まれた。おそらくバッグをひったくろうとしたのではないかと彼女は考えている。

「そのとき彼は、逃げろと言っていきなり走り出したんです。私はキャリーバッグを引いているのに。しかたがないからギャーギャーわめいたら現地の男性が彼らを追い払ってくれました。

日本語で『ふざけんな!』と言ったら、悪口だとわかったんでしょうね。助けてくれた男性が笑っていました。気をつけてと英語で言われたので、ありがとうと答えて」

男性が立ち去ると彼が戻ってきた。ひとりで逃げるなんてひどいと言うと、「きみが逃げないのが悪い」と言われた。もし襲われたらどうするのよと聞いたら「ふたりしてやられるよりいいんじゃない?」と彼は言った。

「そういう考え方なのかと驚きましたね。コイツは信用できないと思った。自分さえよければいいというのは旅行先でも感じたし、帰国して日常生活が始まってからもよくわかりました」

食事を作れば「イマイチなんだけど、どうして分量通り作れないの?」と言われ、何かというと「頭を使えよ」と言われた。

「ああ、そういえば仕事のときも、頭を使えってよく言われたなと思い出しました。あのころはこっちも仕事を覚えるのに必死だったから、それがパワハラだとも思わなかったけど、夫婦になってから言われると完全にモラハラだと感じました」

どういう教育を受けたきたの、親の顔が見たい、きみの言っていることは論理的じゃない、意味がわからない、主語はどこにあるの……などなど、一言いえば、何重にもそういう答えが返ってくる。

「1年も経たないうちに気力がなくなって疲れちゃいましたね。母や友だちに愚痴っても『だって、そういう人だとわかっていて結婚したんでしょ』と言われる。エリート系にはよくあるタイプだよね、でもそういう人がよかったんでしょとも言われた」

職場の先輩から指摘された

自分がどんどん元気でなくなっていくのがわかった。思考能力がなくなり、夫に文句を言われないためにどうするかという発想だけで動くようになった。会社では夫と違う部署に異動したのだが、どこかに夫の目があるような気がして落ち着かない。

「そんなとき、特に仲がよかったわけでもない女性先輩から『一緒にランチしない?』と誘われたんです。そして『間違ってたら申し訳ないけど、あなた、大丈夫? 自由に快適に結婚生活送れてる?』とさりげなく聞いてくれた。私、その言葉を聞くなり号泣しちゃったんですよ」

自分でも思いがけなかった。それだけ我慢していたしストレスがたまっていたのだと初めて自覚した。泣きながら先輩に現状と思いを打ち明けた。

「彼女が力になってくれ、弁護士も紹介してもらって、それからすぐ離婚交渉に入りました。『そういう人だとわかっていて結婚したんでしょ』という言葉は、彼女自身も経験したそうです。自分でもわかっていることを他人に言われると、より傷つくのよねと先輩に共感してもらって、私は本当に救われたんです」

追いつめられていても、他人からはそう見えないこともある。夫に苦しめられ、さらに親しい人たちにわかっていたんでしょと言われると、当事者は逃げ場がなくなる。結婚後に豹変する相手もいるのだということを理解してほしいとトシコさんはしみじみと言った。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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