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35歳、育休中で貯金470万円。これから先が不安で仕方なく、夜も眠れない日が続いています

オールアバウト / 2024年8月10日 22時20分

35歳、育休中で貯金470万円。これから先が不安で仕方なく、夜も眠れない日が続いています

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。ご相談者は、育休中でマイホームを持つ夢があるという35歳の女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

お金がないことで苦しみましたが、マイホームを持つ夢があります

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、育休中でマイホームを持つ夢があるという35歳の女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

かおさん
女性/パート・アルバイト/35歳
埼玉県/借家(アパート)

家族構成

夫(34歳)、子ども(0歳)

相談内容

こんにちは。いつも拝見しております。

先生の愛のある言葉に私も何度も救われております。今回見ているだけでなく、自身の不安も少しでも減らし前向きな気持ちになるために相談させてください。

現在育休中ですが、貯金がほぼありません。実は大変お恥ずかしい話なのですが、主人が共有の貯金を使い込んでおり、またキャッシングもしていたため、その返済もあり、このような家計簿になっております。私も主人に家計を任せきりにしていたため、責任があると思っております。

一時期は先が見えず死を考えるまで落ち込みましたが、子どもの成長が生きる希望になり、何とか半年頑張ってきました。ただ、これから先が不安で仕方なく、夜も眠れない日が続いています。マイホームを持つ夢があり、それも叶えたいのですが、持つことは可能でしょうか。また老後もかなり不安です。

昔からお金の使い方が上手でなく、趣味もないので独身時代は貯金することばかりでした。今回はそれが功を奏したのかどうかは分かりませんが、ローンを早期に返済することはできました。ですがこれからの人生もっとお金を有意義に使えればと思っております。

一度は貯金額が大幅に減り、お金がないことで苦しみましたが、それはきっと貯金額が減ったことではなく、使い方をあまり知らなかったからではないかと思います。これからは貯める時は貯め、使える時は使いたいです(子どもとの海外旅行など)。

ぜひご教示いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

家計収支データ

かおさんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「かお」さんの家計収支データ

家計収支データ補足

(1)収入について
職場復帰は半年後~1年後になりそうです。育休前は正社員として働いており、年棒制で年額面550万円の収入でした。月に手取り32万円くらい。育休中はその時の手当が入ってきます(現在2回目まで支給済み)。

また、復帰後はパートに降格するので、おそらく手取り10万円くらいなのではと思います。厚生年金加入は継続できます。

夫は、会社の給与形態からボーナスは少ないので、金額は勤続年数が増えれば少し上がる程度です。それもほとんど変わりません。またボーナスは年に1度です。

(2)児童手当について
0歳児ですので、月額1万5000円の給付で、全額、普通預金で貯蓄しています。

(3)ボーナスの使い道について
車の車検や家電予備費、帰省代として利用予定です。車検代9万円、税金3万4500円、保険年払い9万円、家電予備費5万円、帰省代3万5500円。

(4)貯蓄について
データに記載している以外に、私個人の独身時代からの貯金が300万円ほど普通預金としてあります。

(5)家計収支について
食費は外食費込みです。水道光熱費は3万円を超えることもあります、通信費は夫6000円、私3000円、ネット代4250円、家族の小遣いは夫婦それぞれ1万円、雑費は美容代や服飾費。

(6)ローンの返済について
キャッシングの返済は私個人の貯金から全額返済済みです。その他のローンは車のみです。

(7)車両費について
所有台数は1台。マイホームを購入して勤務先が遠くなった場合、もう1台必要になるかもしれません。買い替えは6年後に200万円くらいで考えております。もう1台持つ場合は軽自動車150万円。長く乗りたいです。

ガソリン代5000円、車の保険代9万円(一括年払い)、車の税金3万4500円、車検代(2年に1回、約9万円)。現在ローン返済中、6月に一括で返済予定(約70万円、一括で返済しない場合は1万3800円を残り55回払い)。

(8)加入保険について
夫/
・共済(死亡400万円、入院1万4500円)=毎月の保険料4000円

相談者/
・終身医療保険(終身保障、終身払い、入院7000円、病気・事故死亡200万円、他に手術一時金など)=毎月の保険料7640円

子ども/
・共済(死亡100万円、入院6000円、個人賠償責任特約付き)=毎月1140円

保険は見直そうと思って後回しにしすぎております。確実に主人の保険が足りていないと思います。また、学資保険も検討しており、できるだけ早く入りたいです。私の保険も独身時代からそのままなので少しでもご意見いただきたく思います。

(9)働き方について
主人も私も同じ会社に勤めています。勤務先に定年はありませんが、65歳を過ぎるとパート雇用になり1年ごとの契約更新となるので、どちらも働き続けるのは65歳までの予定です。

ただし、体力的にきつい仕事のため、夫が50歳くらいになったら現在の職種から少し給与が安くなる正社員に降りてもらおうと思っています(手取り25万円くらい)。私もできるだけ早めに正社員に戻って働きたいと思っておりますが、子どもが小学校に上がるくらいが理想です(こちらも手取り25万円くらい)。

また退職金は401kで、自分たちで掛金を決めて給与からその分引かれる形となります。現時点で夫100万円、現在月2万円(給与の手取り32万円には含まれていません)。私256万円、現在育休中のため掛金停止中。今のところ主人の掛金を3万円まで増やし、私も育休明けには掛金を3万円にしようかなと検討中です。

(10)子どもの進路について
高校までは公立で、大学はできれば公立、私立も資金を出せるように用意してあげたいです。

(11)公的年金について
夫/これまでの加入実績に応じた年金額44万5035円
相談者/これまでの加入実績に応じた年金額43万221円

(12)マイホーム取得について
ざっくりとしていて申し訳ないのですが、5年以内に一戸建て、3500万円まで(土地代込み)。マンションにするなら3000万円までを考えております。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:家計収支が現状のとおりなら、5年以内の住宅取得は可能
アドバイス2:収入の変動で、老後に残せる金融資産は変わる
アドバイス3:保険の見直しは必要。教育費を考え401kの増額は控える

アドバイス1:家計収支が現状のとおりなら、5年以内の住宅取得は可能

早い段階で気づき、よく家計を立て直されましたね。まだ夫婦ともに若く、これから十分に貯蓄をしていくことが可能ですから、心配しなくても大丈夫でしょう。今後のライフプラン、ライフステージの変化に合わせて、順番に考えていきましょう。

まず、ご自身でも書かれているとおり、メリハリのあるお金の使い方は大切です。

お子さんが小さいので、今後家計は変化していきますが、その時にメリハリのあるお金の使い方ができるかどうかは、「貯蓄を先取り」することにかかっています。NISAを利用しているとはいえ、今は決まった額を貯蓄しているとは言えません。

家計収支のデータどおりであれば、毎月15万円は貯蓄できる家計です。今後家計が変化しても、小遣い、雑費、日用品の合計が6万5000円ありますから、こうしたところで調整していくなど工夫してみてください。

毎月15万円貯蓄できるとしたら、年間で180万円です。住宅取得の目標が5年後ですから、順調にいけば、900万円貯められており、現在の貯蓄100万円を加えて1000万円です。ご相談者名義の300万円、児童手当分の貯蓄は含めません。

ここから頭金500万円、諸費用分として150万円を出し、2500万円の住宅ローンを組むとします。つまり購入価格は3000万円となります。

25年返済、金利1.8%とすると毎月の返済額は10万3600円。現在の住居費から4万円の純増です。2800万円(購入価格3300万円)の住宅ローンであれば、毎月返済額は11万6000円となり5万円が純増になります。

マンションの場合、毎月返済額のほか、管理費や修繕積立金がかかってきます。それを考えると、マンションなら購入価格の上限は3000万円にとどめるべきでしょう。

5年後が目標であれば、早々に家計管理をしっかり行い、先取り貯蓄で頭金を貯めることです。焦ることはありませんが、教育費準備との兼ね合いもありますから、いずれにしても毎月15万円の貯蓄を即実行に移していただきたいと思います。

アドバイス2:収入の変動で、老後に残せる金融資産は変わる

5年後、住宅購入で貯蓄は350万円となりますが、ここからご主人が60歳になるまでに、まだ20年あります。毎月の貯蓄は10万円程度になってしまいますが、それでも年間120万円、20年間で2400万円です。350万円を加えて2750万円。

ただし、不確定要素があります。ご相談者がいつからフルタイム勤務に戻るかということと、ご主人が50歳で働き方を抑え収入が減るかもしれない、ということです。

仮に、ご主人が40歳から50歳までは現状維持。ご相談者も時短勤務ということなら、年間120万円の貯蓄。10年で1200万円。

ご主人が50歳から減収になっても、ご相談者がフルタイム勤務になっており、25万円ほどに収入が戻れば、世帯収入が50万円となり、毎月貯蓄は15万円できるようになります。年間で180万円です。60歳までの10年間で1800万円です。

合計すれば3000万円となり、住宅購入後の残りの貯蓄350万円を加えて3350万円となります。

この間、子どもの教育費が、都度かかってきますが、大学卒業まですべて合わせて1000万円から1500万円を見込みます。3350万円から差し引くと、1800万~2000万円が老後資金として残る、という計算になります。

定年はなく65歳まで働けるということですから、パート雇用でも収入の範囲内で生活をし、可能であれば、貯蓄の上乗せもできるでしょう。60歳時点の金融資産の取り崩しを最小限に抑えれば、65歳で住宅ローンの返済も終わっていますから、公的年金だけで生活は十分やっていけるはずです。

アドバイス3:保険の見直しは必要。教育費を考え401kの増額は控える

そのほか、大きな出費としては、車の買い換えがあります。6年後に200万円で予定されています。その前年に住宅購入をしていた場合、計算上は350万円残っていますが、貯蓄の上乗せが1年でどれだけできるかによって、柔軟に考えてください。

住宅購入で引っ越ししたら軽自動車が必要となると、さらに慎重に考えてくださいね。計算上は大丈夫ですが、その後の保有コストも計算しておくといいでしょう。

最後に、保険の見直しと401kについてです。

お子さんが生まれ、現在の保険では保障が不足しています。ご主人は保険金額2000万円、保険期間20年の定期保険に加入してください。割安な通販型なら毎月の保険料は2000円程度に収まります。

さらに現在の県民共済では死亡保障が重複しますので、医療共済に変更してください。こちらも毎月の保険料は2000円です。

ご相談者も家計を支えていますから、保険金額1000万円、保険期間20年の定期保険に加入してください。併せて医療共済に加入し直せば、夫婦2人の保険料は8000~9000円程度に抑えられ、必要な保障も確保できます。お子さんの保険は基本的に不要です。

401kについては、増額を検討しているとのことですが、今後のライフイベントを考えると、5年後には現金が必要な住宅購入が控えており、さらに教育費を着実に貯める必要があります。401kで夫婦の老後資金を確保したい気持ちは分かりますが、優先順位としては、現預金でしっかり貯蓄することが先です。

住宅購入をすれば、住宅ローン控除が適用され、税の優遇があります。現行制度では10年間です。もしも老後資金をということであれば、控除期間が終わった10年後からでもいいでしょう。それ以前では、税の優遇が最大限利用できないからです。

まだ若いので、今後ライフプランは変わっていかれると思います。ひとまず5年後の住宅取得を目標に、確実に貯蓄ができる家計にすること、ご相談者は早めにフルタイム勤務に戻ること、住宅購入で背伸びは絶対しないこと。こんなことを念頭において、ご夫婦で話し合ってみてください。

あらためて、住宅購入前にご相談をお寄せください。頑張ってくださいね。大丈夫ですよ。

相談者「かお」さんから寄せられた感想

頑張ってくださいね、大丈夫ですよの言葉にとても救われました、ありがとうございます。さっそく保険に入り、雑費を減らせるよう努力して、5年後に向けて貯金を頑張りたいです。

また401kの増額のところで、住宅ローンの税の優遇が最大限利用できないという意見を聞いて目から鱗でした。できるだけ早くから老後資金をという考えしか持っていなかったのですが、ライフプランに沿った貯蓄が重要であると再認識しました。

私もできるだけ早く正社員として働けるようにするという気持ちも固まりました。また5年後の住宅購入の際にご相談させてください。本当にありがとうございました。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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