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「メンズ日傘」も増えてきたけれど…まだ多い誤解。暑さ対策に「紫外線カット」だけでは物足りないワケ

オールアバウト / 2024年8月9日 20時50分

「メンズ日傘」も増えてきたけれど…まだ多い誤解。暑さ対策に「紫外線カット」だけでは物足りないワケ

もはや日傘なしで外を歩くのは危険なのではという状況の中、さすがに最近は男性が日傘を差す姿を見かけることが増えてきました。ただ、良い日傘の知識はまだ行き渡っていないようです。そこで、傘の専門メーカーであるアンベルに、日傘の選び方を聞いてきました。

ここ数年、徐々に男性が日傘を差している姿を見ることが増えてきました。筆者はかなり前から日傘を使っているのですが、去年(2023年)あたりから、日傘を差しているときに感じていた気恥ずかしさのようなものを意識しなくなっています。

そのくらい、日本の夏の日差しがキツくなってきたということでもあるし、日傘の有用性が理解されてきたということなのでしょう。

「日傘を購入される男性が年々増えているのは確かです。ただ、そもそもの分母が小さいので、会社の売り上げが2割、3割上がるというところまではいきません。それでも、前年の150%ほどで年々、売り上げは伸びています」と、傘の専門メーカーであるアンベル株式会社の代表取締役、辻野義宏さん。

ただ、日傘に対する知識はまだあまり行き渡っておらず、今、男性が日傘として差している傘を見ても、本格的な晴雨兼用傘なのか、雨傘にUVカットの加工を施した簡易的な晴雨兼用傘なのか、それとも雨傘を日傘としても使っているのか、見ただけでは判断できないというのも実際のところだそうです。

なので、日傘にも使うつもりで雨傘を買っている男性も、それなりの数いそうです。

女性たちが表が白、裏地が黒い日傘を選んでいる理由

このところよく見かけるのが、表は白い日傘で内側が黒いタイプのものを差している女性。このタイプの日傘が熱中症対策になる日傘なのだ。画像で女性が差している傘はアンベルの「HEATBLOCK VERYKAL」
今年、女性の日傘を見ると、多くの人が白い傘だけれど内側が黒いタイプのものを差していることに気が付きます。この内側が黒いタイプが、熱中症対策にもなる日傘なのです。

「私もnoteでブログを書いているのですが、そこでも『裏が黒い傘を選んでくださいね』ということを、しきりに訴求しているところなんです。紫外線カットは日焼け対策にはなるのですが、暑さを避けたいという用途には有効ではありません。暑さを避けるためには太陽光を遮断する必要があります。

そのためには、裏がコーティングしてあったり、黒のフィルムが貼ってあったりする傘でないと、熱を遮るのは難しいんです」と辻野さん。

もちろん、何もしないよりは、雨傘でも差したほうがよいのだそうです。それでもきちんと裏側の処理が施されている日傘を使った場合と比べると、汗の量や疲れが全く違います。これは、そういった遮光、遮熱性能の高い日傘を使っている筆者個人の体感でもあります。

例えば、アンベルの晴雨兼用折り畳み傘である「HEATBLOCK VERYKAL」のオフホワイトを使ったときの、筆者の感覚ですが、差した瞬間に、約1℃は体感温度が下がります。この傘は、内側に黒いフィルムが貼られています。

また、先日、同じくアンベルの男性向き晴雨兼用折り畳み傘である「VERYKAL LARGE Flat」を、同行していた某誌の編集者に貸したところ、「こんなに変わるんですね」と驚いていました。こちらは生地の裏側にポリウレタンのコーティングが施されています。

アンベル「HEATBLOCK VERYKAL」のバランスの良さ

アンベル「HEATBLOCK VERYKAL」7150円(税込)。撥水加工済みの晴雨兼用傘。遮光率100%、UVカット100%(UPF50+)、可視光線カット100%、近赤外線カット99%の生地を使用。収納時のサイズは約5cm×26cm、使用時サイズは約96cm×54cm、重量は約214g。色は、オフホワイト、ブルーグレー、ミッドナイトブルーの3色。2024年8月5日現在、人気のため欠品中。8月末から9月上旬に入荷予定とのこと
「HEATBLOCK VERYKAL」という傘の、特にオフホワイトは、紫外線カット100%、遮光率100%に加えて、遮熱効果もとても高い。しかも、使用時は直径約96cmになるのに、重さは約214gと、性能とコンパクトさ、軽さのバランスがとても取れている製品です。

内側にフィルムを貼っている関係上、やや生地が厚くなっているのですが、それでも自動開閉機能に対応しています。生地が厚いほうが、実は遮熱性能も上がるし、豪雨などにも強いのですが、その分、重くなったり畳みにくくなったりします。

傘、特に折り畳み傘という製品は、この性能とコンパクトさという相反する要素を、どのようなバランスで製品化するかというところに、製品ごと、メーカーごとの個性が出ます。その点、この「HEATBLOCK VERYKAL」は、とてもバランスが良い製品だと感じています。

筆者は、実は傘の専門家としてテレビやラジオへの出演も多く、傘の記事も多数書いている、意外に珍しい「傘ライター」だったりもするのですが、その経験からしても、この「HEATBLOCK VERYKAL」は、よく出来た製品だと思っています。

実際、筆者がアンベルに取材した時点では、この傘は売り切れていて入荷待ちになっていたほどの人気ぶりです。

特に、おすすめするのは色がオフホワイトのタイプです。辻野さんも、遮光性能は裏のコーティングなどで決まるとおっしゃっていましたが、同時に、遮熱効果は「色と生地の厚み」が重要だということを教えてくれました。

「やっぱり、黒っぽい色だと熱をためやすいんです。白色に近いほど涼しく感じることができます」と辻野さん。実際、「HEATBLOCK VERYKAL」の遮熱率は、オフホワイトだと50%なのに、ブルーグレーは48%、ミッドナイトブルーは42%となっています。

同じ傘でも、色でこれだけ違うわけです。女性の間で白の日傘が流行しているのは、このことを知っているからなのです。

まだまだ多い、日傘にまつわる誤解

左が、裏にフィルムを貼っている「HEATBLOCK VERYKAL」、右が裏にポリウレタンコーティングをした「VERYKAL LARGE Flat」。フィルムとコーティングでは質感がやや異なるけれど、遮光性能は現在、ほぼ同程度にまでコーティングの品質が向上している
「紫外線カットというのは涼しくなるものだと思っている男性も一定数いるように感じています。それでも、ここ数年、日傘を差す男性が増えてきて、少しずつ知識も伝わってきたように思います」と辻野さん。

その一方で、例えば「日傘のUVカットの性能は使っている内に劣化するので、毎年買い替える必要がある」といった誤解が広く伝わっていたりもすると言います。

「確かに、雨傘の表面にUVカットのコーティングをしただけの製品は、使っていくうちにコーティングが落ちていきますから、2年ほどで機能は低下します。ただ、傘の裏側にコーティングやフィルムを貼ったタイプのほとんどは、破れたり穴が開いたりさえしなければ、半永久的に使えます」と辻野さん。

このような誤解が広まるのは、まだ日傘に対する知識が広まっていないということかも知れません。

では、裏にコーティングを施すのとフィルムを貼るのでは性能に違いが出るのかと聞いてみたところ、かつてはフィルムのほうが遮光性能が高かったようですが、今は、性能に差がなくなってきたということでした。それで、アンベルとしては、より生地を薄く、軽くできるコーティングのタイプを増やす方向になってきたのだそうです。

「私は、遮光性、遮熱性を維持しながら、どうしたらより薄く軽く、畳みやすく、いいものを作れるかというところに心血を注いでいます。いろいろな素材を試したり、作り方を検討してもらったりと、さまざまなメーカーさんとやりとりしているところなんです」と辻野さん。
アンベル「VERYKAL LARGE Flat」7700円(税込)。撥水加工済みの晴雨兼用傘。遮光率100%、UVカット100%(UPF50+)、可視光線カット100%、近赤外線カット99.9%の生地を使用。収納時サイズは約6cm×29.5cm、使用時サイズは約108cm×62cm、重さは約260g。色は、ブラック、コバルトブルー、ネイビー、オリーブ、トーブ。遮熱率はトーブが一番高い
そんなアンベルの折り畳み傘で、「HEATBLOCK VERYKAL」よりも、もう少し男性向きに特化したものが欲しいという人には、「VERYKAL LARGE Flat」をおすすめします。

この傘は、遮熱率こそ35%~40%(色によって変わります)と、「HEATBLOCK VERYKAL」にはかないませんが、傘が開いたときの直径は約108cmと大きく、しかし重さはおよそ260gとかなり軽量。

しかも畳むと厚さが25mmになるフラットタイプで、自動開閉機能も搭載。雨傘としての性能も高い、なかなかの万能タイプなのです。大きく開くのにバッグに入れやすく、色も男性が持ちやすいカラーがそろっています。ゲリラ豪雨対策にもうってつけの製品なのです。

納富 廉邦プロフィール

文房具やガジェット、革小物など小物系を中心に、さまざまな取材・執筆をこなす。『日経トレンディ』『夕刊フジ』『ITmedia NEWS』などで連載中。グッズの使いこなしや新しい視点でのモノの遊び方、選び方を伝える。All About 男のこだわりグッズガイド。
(文:納富 廉邦(ライター))

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