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「助けてくださ~い!」“痛みの王様”尿路結石、2カ月連続で発症。絶叫しながらの救急搬送~手術まで

オールアバウト / 2024年8月15日 10時30分

「助けてくださ~い!」“痛みの王様”尿路結石、2カ月連続で発症。絶叫しながらの救急搬送~手術まで

夏になると患者数が増えるという、尿管結石の恐ろしさ。2カ月にわたり、結石と闘った筆者の体験談をつづります。(サムネイル画像出典:筆者の夫が撮影)

突然ですが皆さん、水分摂取はできていますか? 極端に水分摂取量が少ない筆者。朝起きてから夕方まで100ミリリットルも飲まない日もありました。なぜか、ジュースでもお茶でも水でも、とにかく“水分を飲む”ことそのものが極端に苦手なのです。そんな筆者、病魔は前触れもなくやってきました。

「三大激痛の病気、何か知ってる?」

4月上旬のとある夜。筆者は仲の良い女性から電話を受けました。生粋のお嬢さまなこの女性を、「おひいさま」と筆者は呼んでいますが、電話の内容は「三大激痛の病気、何か知ってる?」というもの。おひいさまが言うには、「心筋梗塞、脳梗塞、尿路結石(※諸説あり)」だそうで、いずれもかかったことがない筆者は、「そうなんやー」と他人事丸出しな生返事をしていました。ただその時、ちょっと左の腰が痛くて無意識に左手を腰部に当てたのです。

30分後、腰が痛い……。座って会話ができなくなり、横になることに。1時間後、痛みは腹部~腰背部のあちこちに広がり、相づちを打つのが精いっぱい! 経験したことがない激痛に襲われ、大量の脂汗をかいて悶え苦しむ始末。電話を切ってすぐ夫にSOSを求めると、「どうしたい?」と、冷静に返されました。「だから、考えられないほど痛いんだってば!」と言いたいのに、痛すぎて話せません。少し痛みが引いたタイミングでトイレへ向かい、便座に座った瞬間、これまでの比ではない痛みに大絶叫。この時は腹部全体ではなく左の腰背部に痛みが集約され、床に倒れ込み七転八倒です。そんな筆者を見て、「これはもうダメだ」と、夫が救急車を呼びました。時刻は23時半前後だったと思います。

痛みの正体、それは「尿管結石」

搬送先がなかなか決まらず、隣の市にある基幹病院に搬送されたのは日付をまたいだ午前1時頃。エコー検査を受けた後、医師から「心筋梗塞ではなさそうなので、座薬打ちますね!」と言われ、たった1本の座薬を打っただけで魔法のようにあの猛烈な痛みが消えたのです。医師から告げられた病名は、「尿路結石」の中でも最も痛い、尿管に結石が詰まる「尿管結石」。なるほど。痛みの王様と言われるだけはあります。しかし、おひいさまの電話内容がまさかこんな形で伏線回収されるなんて。

「4ミリと小さなサイズなので、1週間ほどで自然排出されると思います。1日に2リットルくらい、お水をたくさん飲んでください」と医師に言われ、その日は帰宅。その後、2~3週間ほど何も起きず、日常生活を送っていた筆者ですが……。

自然排出されたのでは? あの痛みがまた、やってきた

4月下旬の週末、またも腰背部に痛みが。時間経過とともに増していく痛み。「間違いない」と、今度は自身で受け入れ先の救急病院を探し、夫に連れられ向かうことに。しかし、おかしい。到着してすぐに座薬を打ってもらったのに、効かない! 検査の結果、やはり「尿管結石」。しかも4月上旬の結石がほぼ動いておらず、「自然排出されていなかったみたい」と残念なコメントを医師から受けました。さらに、腎盂(じんう)腎炎の併発も指摘され、それ故に座薬の効きが悪いのかも……と。座薬と鎮痛剤で痛みをしのぐしかないそうで、薬を処方してもらい自宅へ戻りました。しかし、30分ごとに押し寄せる痛みの波! 人生で最もつらい夜だったと言っても過言ではなく、もうろうとしながら夫に、「助けてくださ~い」「座薬打って~!」と叫びながら、明け方までの約7時間を耐え忍びました。

痛みが引いた後日、主治医の元を訪れてCT検査を受けたところ、4ミリはすでに膀胱に落ちたことが判明。「だから痛みも緩和されたのか!」と数日振りに笑顔になった筆者に、神妙な面持ちで「育ってるねぇ」という主治医。「はい?」と聞き返すと、「左の腎臓に6ミリがいるんだよね。これ出てきたら、相当痛いね」と。再発率が高いといわれる尿管結石ですが、「そんなすぐ出てこないと思うので、少し考えます」と楽観的に返答した筆者。まさか、2週間後にその「6ミリ」が出てくるなんて、みじんも思わなかったのでした。

「石井、入院です」

5月下旬、仕事中から左腰背部に走る鈍い痛み。まさかね、まさかこんな短期間で来ないだろうし、前回より全然痛みのレベルは低い。だって、歩けるし! と、言い聞かせながら月~火曜日をやりすごしたものの、日に日に痛みは増してゆく……。水曜日、とうとう観念して主治医の元へ。「先生、お願い。違うと言って」という願いもむなしく、尿管に詰まっている6ミリの結石がCT画像にくっきりと。1センチ以内なら自然排出が望めるかもしれないと、苦手な水分摂取を1日2リットル続け足掻いてみたものの1週間後、もはや歩けぬほど状況は悪化。主治医から、「石井さん、もうダメだ。1週間で1センチしか動いてないよ。破砕前提で泌尿器行こう!」と言われ、紹介状を受け取りました。

翌日、紹介された基幹病院の泌尿器科へ。そして、男性医師は「とりあえず、今日これからステント入れましょう。もう点滴も座薬も効かないんでしょ。今日入院で、明日には退院できますよ」って、えっ? 入院? 「静脈麻酔なんで、ぼーっとしている間に終わります」「後日、手術で石を取りましょう」と次々に説明する医師。「えっ? あの、なんかおなかに衝撃波を当てて結石を砕くのって、日帰りでできるあれはできないんですか?」と、心臓をドクドク鳴らす筆者。「体外衝撃波結石破砕術(ESWL)ですよね。結石が腎臓に近すぎて出力上げられないんで、無理です。今日、ステント入れて、2週間後に内視鏡で取ります」と説明を受けるのですが、人生で手術は初めて。しかも、入院も初めて! もう、脳内大パニックです。でも、もう、これしか道はない。「お願いします」と頭を下げ、編集部に「石井、入院です」と連絡しました。

人生初の手術室

すぐに術前検査で血液検査やレントゲンなどを回り、そのまま病棟へ。病棟に着くと、看護師が「これから手術なので、着替えてください! あと、血栓防止の靴下も履いてください」と、めちゃくちゃきついハイソックスを手渡されました。これは1人で履けず、看護師さんに手伝ってもらうことに。そして、半泣き状態のまま手術室へ。ドアが開くと、そこには笑顔がまぶしすぎる天使のような美しい“オペ看”の女性がいました。手を引かれて手術台の横にあるステップを1段、1段登ります。恐怖は最高潮を迎え、振り返ると天使が優しくほほえんでいました。そして、意を決して手術に挑む筆者、あっという間に尿管へのステント留置は無事終了です。「ぼーっとしている間に」と言われたけれど、何回か「痛い! いたぁーーい!」と絶叫した記憶があるのは、なぜだろう……。

画像は筆者撮影(以下同)。血栓防止のハイソックスを術前に履く。術後翌日まで履き続けるそして翌朝、無事に退院。ステント生活がここから約1カ月、始まります。このステント、体を動かすとおなかが痛み、なかなかにつらい。さらに困ったことに、頻尿になります。冗談抜きで1時間に2~3回はトイレへ。この頻尿のせいで夜もまともに眠れません。

腎臓~膀胱まで体内に入っていたステント実物そんな状態でどうにか2週間を過ごし6月中旬、「経尿道的尿路結石破砕術」の手術を受けました。前回の手術と違い、今度は全身麻酔で3泊4日の入院です。手術は2日目。相変わらずガタガタと震えながら手術室へ向かうと、「石井さん、覚えていますか? この前もご一緒しましたね」とマスク越しに輝く笑顔。ステント留置の手術でお世話になった看護師の女性の姿に、ほっとしたのを覚えています。全身麻酔をされる前は、絶対に寝ない、落ちない、踏ん張るぞと決めていたのに次の瞬間、「石井さん、終わりました」という声が。術後に発した筆者の言葉は、「ありがとうございます。記事用のサムネ写真、撮らせてください」でした。

いやぁ、全身麻酔ってすごいものですね。入院2日目の12時だったか13時頃から約1時間の手術だったのですが、とにかくめちゃくちゃだるい、眠い。意識がはっきりしたのは23時前後で、翌朝、点滴とカテーテルを外してもらい、トイレへ向かおうとしたのですが、ぐにゃぐにゃと世界がゆがみ、目まいに襲われ真っすぐ歩くことができません。幸い、術後の痛みはほぼなく、相変わらずステントの痛みが残っているくらいで、血尿も思ったほど出ませんでした。4日目の退院する朝になると、目まいは治まりましたが、突然だるくなったり、そしてまだ体内に留置されているステントの放散痛が相まって、「全身麻酔ってこんなにも体への負担があるのか~」と思いながら、退院後3~4日はぐったりしていました。ただ、これは体力が乏しい筆者の経験なので、皆さんが同じというわけではないですよ。

ステントは退院から2週間後に何もなければ抜去、そこで治療は終了しました。看護師さんの「石井さん! 卒業です!」っていう言葉に小躍りしながら歓喜。改めて水分摂取と食事の大切さ、そして医療従事者への感謝など。この2カ月で筆者もいろいろと学びました。仕事中も、1時間半ごとにタイマーをセットして、水分摂取を心がける、ずっと座りっぱなしではなく少し体を動かしてみる、トイレもこまめに行くだとか。再発率も高いと言われる尿管結石ですが、また病棟に「ただいま~」と戻らないで済むように、日々の生活を気を付けたいと思う筆者です。最近は、日が沈むのも早くなり、秋の足音が近づいてきました。とはいえ、まだまだ暑さは続いています。水分不足になるとできやすい結石、皆さまもどうぞお気を付けて。
(文:石井 有紀)

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