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2024年夏に見てよかった洋画をランキングにしてみた。エンタメ性抜群の作品から厳選したベスト5

オールアバウト / 2024年8月17日 20時35分

2024年夏に見てよかった洋画をランキングにしてみた。エンタメ性抜群の作品から厳選したベスト5

2024年夏に公開された、またはこれから公開される洋画(海外実写映画)から、心から見てよかったと思えたベスト5を発表しましょう!(※サムネイル画像出典:『フォールガイ』より(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.)

アニメ映画に続き、この夏に見てよかったと心から思えた、公開中またはこれから公開される、個人的な洋画(海外実写映画)のベスト5を紹介します。いずれもエンターテインメント性が高いので、シンプルに「面白い映画が見たい」という人に推薦します!

5位:『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』(7月19日より公開中)

人類初の月面着陸における“うわさ”をモチーフとした作品で、劇中で提示されるのは「フェイク映像を撮影する」という極秘ミッション。つまりは人類史を塗り替える出来事の裏にある陰謀がうごめく……のですが、実際の作品の口当たりは「軽妙洒脱(しゃだつ)」という言葉がふさわしいロマンティックコメディー。クスクスと笑いつつも、2人の主人公たちが惹かれ合う様を心から応援できる、すてきな作品に仕上がっていました。

何より、平然とうそをついてしまうPRマーケティングのプロにスカーレット・ヨハンソン、実直で真面目なNASAの発射責任者にチャニング・テイタムという、2大スターのキャスティングの時点で「勝って」いますし、実際に本編を見ても2人が最高に魅力的です。どちらもクセが強いようで本質的にはいい人であることが会話の端々から伝わってきますし、初めこそ水と油のようで、実は相性も抜群の2人をずっと見ていたくなるでしょう。
ラブコメディーだけでなく、クライマックスでのハラハラするシチュエーションも面白く、あるポイントで猫が大活躍する「猫映画」としても秀逸なのがたまりません。上映開始から約1カ月が経ち、現在公開中の劇場はわずかですが、スクリーンに映える場面もあるので、間に合う人はぜひ優先的に駆けつけてほしいです。なお、Apple TV+で近日配信予定です。

4位:『ツイスターズ』(8月1日より公開中)

見た目から分かりやすく竜巻を扱った災害パニック映画であり、1996年の『ツイスター』へのオマージュもありますが、そちらと物語のつながりはほぼないので予備知識なく見ても全く問題なく楽しめるでしょう。かつて『木曜洋画劇場』(テレビ東京系)で放送された古き良き娯楽映画にまた出会えたようなうれしさでいっぱいになる、しかも映画館で見てこその没入感と迫力をたっぷりと味わえる内容となっていました。

アトラクション的なハラハラするシチュエーションが主体でありながら、ドラマ面も魅力的に仕上がっています。主人公は悲しい過去を抱えながらも新たに竜巻に挑む真面目な女性気象学者で、そのライバルとなるのは一見すると軽薄そうなYouTuberのため、初めこそ「なんだよあいつ……」と思ってしまうものの、徐々に「あれ?この人ひょっとしていい人……?」な面が見えてくる過程が面白いのです。
『ザリガニの鳴くところ』での演技が絶賛されたデイジー・エドガー=ジョーンズが、影がありながらも芯のある女性に、『トップガン マーヴェリック』でも強いインパクトがあったグレン・パウエルが「初めこそ最悪の印象だったけど、徐々に好感度が爆上がりしていく」YouTuberにハマりまくりで、その2人の関係性の変化にもニヤニヤできるでしょう。「西部劇」的な荒野での冒険や、あっと驚くスペクタクルを期待する人にも推薦します。

3位:『ポライト・ソサエティ』(8月23日より公開予定)

バラク・オバマ元大統領の2023年お気に入り映画に選出されるなど高い評価を得た、「女子高生が戦う!」というエンターテインメント性を推したアクション映画です。主人公が、尊敬していた姉が芸術家の夢を諦め結婚することを阻止するための行動……いや完全に「暴走」をしてしまう様がコメディーになっていると同時に、その心情そのものは切実なので多くの人が共感できるでしょう。

インド映画のようにも見えますが、実際はイギリス映画であり、物語の舞台は現代のロンドン。南アジア系の移民たちが当たり前に暮らしている光景が映し出されています。主人公はパキスタン系イギリス人の女子高生で、イスラム文化における「女性が結婚し子を持つこと」への期待の高さが、周りからバカにされ反対されようともスタントウーマンを夢見る主人公の気持ちとは全く迎合していないことが重要な意味を持っています。その保守的な価値観を前提にフェミニズムのメッセージを備えつつも、前述した主人公の暴走を通じてミサンドリー(男性嫌悪)の問題も同時に描いていることも誠実でした。そんな風に社会派のメッセージがありながらも、やはり主体となるのはアクション。カンフー映画のギミック、インド映画のゴージャス感、さらには『キル・ビル』などのクエンティン・タランティーノ監督作を思わせる演出などそれぞれがキレキレ。さらには「互いに愛情があるからこそ激しいケンカもしてしまう」という「姉妹あるある」が展開し、そんな2人だからこその絆も示す王道の「シスターフッドもの」の魅力も満載です。最後には爽やかな気分になれるでしょう。

2位:『モンキーマン』(8月23日より公開予定)

『スラムドッグ$ミリオネア』で知られる俳優のデヴ・パテルが構想8年をかけ、主演・監督・脚本まで務めたガチガチのバイオレンス復讐アクション映画です。幼い頃に故郷の村を焼かれて母も殺されて孤児となり、地下のファイトクラブで猿のマスクを被り「殴られ屋」として生計を立てているという、どん底の人生を送っていた青年が、全てを奪った者たちのアジトに潜入する機会を見つけ、これまでの怒りを爆発させるのです。

そのデヴ・パテルは韓国のアクション映画にインスピレーションを得たそうで、実際に彼が好きだという『アジョシ』『オールド・ボーイ』のエッセンスを感じます。『ザ・レイド』『ジョン・ウィック』のスタッフも参加しており、それらのバイオレンス強めなアクション映画の魅力を打ち出しながら、インドの架空の都市を舞台にした(撮影が行われたのはインドネシアのバタム島)ビジュアルには存分に独自性を感じました。
女性やマイノリティへの搾取、腐敗した権力を許している社会への怒りを代弁する復讐劇は痛快にも思えますが、その暴力の痛みをR15+指定も納得の苛烈な描写で示したり、はたまた子どもが巻き込まれることを断固として許さない姿勢も誠実だと思えました。それでいて、アクションシーンのあまりのエクストリームぶりに「笑ってしまうところもある」のもまた魅力的。同じくR15+指定のアクション映画『デッドプール&ウルヴァリン』を併せて見てみるのもいいでしょう。

1位:『フォールガイ』(8月16日より公開中)

1980年代に放送されたテレビドラマ『俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ』のリメイク。事故により一時は現場から離れたスタントマンが復帰するも、危険な陰謀に巻き込まれてしまうというアクション映画です。実は、ハリウッド映画の監督を務める元恋人とのすれ違いも同時並行で描かれる、ラブストーリーの側面も強い内容となっています。(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.アクションおよび物語は荒唐無稽なようで、デヴィッド・リーチ監督自身が元スタントマンだったからこそのリアリティーも備えていますし、何より監督がスタントマンの心情を理解した上で描かれるドラマにグッときます。少し憂いのある役をいつも以上に魅力的に演じたライアン・ゴズリングは、史上最も好きになれるほどの存在感。少しナイーブさを見せている元恋人のエミリー・ブラントとの、もどかしくもあり、だからこそ応援したくなる関係もたまりません。(C)2024 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.映画制作およびスタントマンの世界を知ることができるのも大きな意義で、序盤の「長回し」から撮影現場の規模や空気感がはっきりと伝わるでしょう。劇中で言及される8.5回の「キャノンロール(クラッシュした車の回転)」が実際にギネス世界記録を更新していたり、ライアン・ゴズリングの役には8人のスタントマンがいたりするエピソードも、フィクションの映画とリアルが混じり合ったような感慨深さがありました。
何より、本作には「映画」への愛情が詰まっており、その愛を映画ファンにもそうでない人にも届けるために全身全霊を尽くしている作り手の奮闘が、作品からたっぷりと伝わります。振り返れば全てが愛おしくなる「タイトル回収」と「エンドロール」が待っており、多幸感でいっぱいになれるでしょう。デートに最適な映画として、これ以上の作品はないかもしれません。前述したスタントウーマンを夢見る少女を主人公とした『ポライト・ソサエティ』を併せて見るのもおすすめです。

ほかにもおすすめのホラー映画とサメ映画、そして落ち着いたドラマの映画も

夏のホラー映画まとめとサメ映画まとめで紹介したため今回は選外にしましたが、8月9日より公開中の『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』『#スージー・サーチ』、8月16日より公開中の『ニューノーマル』『デッドストリーム』『エア・ロック 海底緊急避難所』もエンターテインメント性がとても高い内容で、いずれも恐怖を超えて「笑える」場面もあることも魅力的なのでおすすめです。

さらに、ここで紹介した“エンタメ盛り盛り”な作風とはいい意味で正反対、とても落ち着いた作風の、『時々、私は考える』(7月26日より公開中)もおすすめします。
こちらで主演を務めたのは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などで知られるデイジー・リドリーで、“影”のある女性に見事な説得力を持たせています。閑散とした港町で淡々と仕事をする、人付き合いが苦手な女性と、新しい同僚との交流が始まる物語の、危うい「空想」を踏まえたコミュニケーションから気付くことは多いはず。お盆明けで仕事が始またばかりという人も、ぜひ見る候補に入れてみてほしいです。

この記事の筆者:ヒナタカ プロフィール
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「CINEMAS+」「女子SPA!」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。
(文:ヒナタカ)

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