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人への好き嫌いが“激しすぎる”夫が迷惑。息子だけを嫌う理由が「男だから」は虐待に等しい

オールアバウト / 2024年8月21日 22時5分

人への好き嫌いが“激しすぎる”夫が迷惑。息子だけを嫌う理由が「男だから」は虐待に等しい

潔癖な性格で、人の好き嫌いが激しいくらいなら、周囲の強力も得てまだフォローはできる。しかし、その矛先が自分の子どもに向けられてしまった場合には、虐待にも等しく、もう離婚せざるを得ない。

他人に対する好き嫌いが激しい人は、おそらく許容範囲が狭いのだろう。もちろん、誰のことも好きになるのは難しいが、大人ならそれを態度には出さないはず。ところが夫が、それをあからさまに表現してしまうとしたら、妻としてはつらいものがある。

第一印象で好き嫌いを決めつける夫

「うちの夫は、何につけても好き嫌いが激しいんです。食べ物もそうだし、スポーツ観戦もそう、あげく人への好き嫌いも多い。そもそも、食べ物やスポーツは嫌いなものがあっても人に迷惑はかけないけど、人との付き合いはそういうものではないでしょ。

でも夫は、あの人嫌いとなったら、とにかく避ける、話をしないというように極端なんです。よくあの性格で社会人としてやっていけるなと思います」

サチコさん(41歳)は困惑しながらそう言った。3歳年下の夫とは結婚して6年。共働きをしながら4歳のひとり息子と3人で暮らしている。

夫は、大学卒業後に入社した職場を3年で辞めている。やはり人間関係がうまくいかなかったからだ。その後はアルバイトをしながら生活していたようだが、28歳のときに友人2人と会社を立ち上げた。大成功とは言わないまでも、現在は派遣社員をふたり雇えるようになっている。

「友人たちは夫の性格をわかっているので、ものすごくフォローしてくれています。息子が生まれてからは夫は在宅で仕事をすることも増えました。それも友人たちのおかげです。夫もふたりにはすごく感謝しているみたい」

近所付き合い、保育園の先生は苦手

一方で、近所付き合いや息子の保育園の先生などは苦手なようで、そこはサチコさんが全面フォローするしかない。

「夫は自分の親や親戚とも関係が悪いんですよ。私は夫の両親が大好きだし、近くに住んでいるのでよく遊びに行くんですが、そのたびに夫は『オレは行かない』って。夫の場合、自分を立ててくれる人が好きとか、そういうことではないんです。彼には彼の正義みたいなものがあって、それに反する人が嫌いみたい」

気持ちはわからなくはないとサチコさんは言う。たとえば建前ばかり言う人、しれっと嘘をつく人など、表と裏のある人を夫は嫌う。嫌っても表面的に付き合えばいいのに、それができない。だから挨拶もしなくなる。結果的に、夫が変わり者扱いされてしまう。

「世渡りが下手なんですよ。それも含めて彼なので、私はしかたがないと思っていますが」

人にはさまざまな性格やクセがある。人への好き嫌いも「彼の個性」と考えているとサチコさんは言った。

子どもへの好き嫌いは虐待

フォローできるタイプの好き嫌いならいいが、そうはいかない場合もある。子どもへの態度を変えるケースだ。

「子どもが3人いるんですが、上ふたりは女の子。夫はふたりともすごくかわいがっていました。ところが3人目に息子が生まれ、2歳くらいになって自我が目覚め始めると、夫は目の敵としか思えないような態度をとることが多くなったんです」

サトエさん(43歳)は思い出したくないのだろう、苦しそうな表情になった。どうして息子にそんなに厳しいのかと尋ねると、「男だから」という答えが返ってきたこともある。

「女の子は甘やかして、男の子にはやたら厳しい。それは差別だろうと言ったんです。そのとき夫は珍しく酔っていたんですが、『男は嫌なんだよ、自分を見ているみたいで』という言葉が返ってきた。夫自身、男の子は厳しくという父親に育てられ、ときには手も飛んで来たらしい。それが嫌だったくせに同じことをしているわけです」

義母は言った「離婚したほうがいい」

すでに父親は亡くなっていたので、夫は父親に抗議することも恨みをぶつけることもできず、その鬱屈が息子に向かったとも考えられる。だが守るべき幼い子に自分の闇をぶつけること自体、サトエさんには信じられなかった。

遊びに来た義母の前で、息子の足を蹴ったことがあり、義母は悲鳴を上げた。

「その後、義母が『離婚したほうがいい』と私に言ったんです。『私も離婚できていれば、息子があんなふうにはならなかった。あなたはまだ遅くない。そうしないと孫くんがかわいそうよ。ああいうのは絶対に治らないから』と。勇気ある義母だと思います。義母に背中を押されて、夫に離婚を切り出しました。

夫は『娘たちはオレが育てる』というので、きょうだいを分断はさせないと拒否。離婚後、夫は実家で母親と暮らしています」

たまに夫が子どもたちに会いにくるときは、義母もついてくる。義母とサトエさんが、息子に冷たくしないかどうかを見張っているのだ。

「離婚当時、5歳、4歳、2歳だった子どもたちも6年たって成長しました。末っ子の息子も小学生になり、生意気だけどかわいい。夫が一緒に生活していたら、きっと頭を抑えつけられて不自由だっただろうなと思います」

子どもたちは、父親を親戚のおじさんのように感じているようだ。元夫は離婚後、カウンセリングにかかって、かなりメンタル的には客観的にものごとをとらえられるようになった。それでも父への複雑な感情からは脱しきれないとぼやいたこともある。

「でもぼやいたということは、自覚があるからなので、彼も頑張っているのだと思います。それにしても、男女で子どもへの好き嫌いをするなんて信じられません」

好き嫌いという感情的な問題で子どもに手を出したことが、サトエさんにはどうしても許せないという。

「早く離れられたのは本当によかった。義母のおかげです。義母とは元夫のいないところで、ときどき情報交換したりお茶したりしています」

人への好悪の感情にどう対応していくかは人それぞれ。他人ならまだしも、夫が家族に対して悪感情をもっていると感じたら、サトエさんのようになるべく早く離れるのがよさそうだ。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。
(文:亀山 早苗(フリーライター))

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