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37歳会社員、貯金900万円。どうしても仕事がつらく、非正規雇用で働きたいと考えています

オールアバウト / 2024年9月1日 12時20分

37歳会社員、貯金900万円。どうしても仕事がつらく、非正規雇用で働きたいと考えています

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、仕事がつらく、非正規雇用で働きたいと考えている37歳の会社員の女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。​​​​​​​

非正規雇用で週4日、65歳までは働くつもりです

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。

今回のご相談者は、仕事がつらく、非正規雇用で働きたいと考えている37歳の会社員の女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

桃太郎さん
女性/会社員/37歳
九州/借家

家族構成

1人暮らし

相談内容

セミリタイアがしたい。どうしても仕事がつらく、非正規雇用で働きたいと考えています。仕事をすること自体がつらく、転職を繰り返しています。今年37歳になり、そろそろ正社員で転職をすることが難しくなってきました。

今すぐ非正規に転職することは考えておりませんが、手取りが今より少なくなってしまっても、老後の資金を貯められるかご相談したいです。また、いつ非正規に切り替えられるのか(生活していけるのか)、教えていただきたいです(非正規でも週4日は働き、65歳までは働くつもりです)。

現在は手取りが22万円ほどですが、今の職場に居続けた場合は昇給が見込めます。ボーナスも同様に増額します。

結婚、出産の予定はありません。実家は兄夫婦が住んでおり、私は実家に帰るつもりはありません。

家計収支データ

桃太郎さんの家計収支データは図表のとおりです。
相談者「桃太郎」さんの家計収支データ

家計収支データ補足

(1)ボーナスの使い道
ボーナスの使い道は考えておらず、全額貯金するつもりです。

(2)家計支出の詳細
・支出は多めに見積もっています。
・家賃が高いのはペットを飼っているためです。ペットの飼育代1万円は趣味娯楽費に含めています。
・雑費には奨学金の返済2万2000円が含まれており、45歳まで毎月払い続けます。
・保険や投資を一切していません。

(3)車両費について
毎月1万円の車両費はガソリン代。中古車をキャッシュで購入したばかりのペーパードライバーなので、ガソリン代は多めに見積もりました。買い換え時期もまったくの未定です。ただ、あまりこだわりがありませんので、買い換えるにしても、次も安い中古車にすると思います。

(4)公的年金について
今のまま勤めて年金保険料を払い続けた場合、65歳からの年金の受け取りで月12万5000円、70歳からの年金の受け取りで17万5000円ほどであると考えています。

(5)退職金に関して
退職金はありません。

(6)今後の生活について
大切にしたいと考えていることは、ペットとの時間です。年を取ってきたペットと一緒にいる時間を増やし、丁寧にケアしてあげたいと考えます。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:正社員ではなく非正規雇用の働き方に転じるのかは冷静に判断を
アドバイス2:せめて50歳まで現状維持。その後は65歳まで働き貯蓄の取り崩しを抑える
アドバイス3:ペットのためにも、健康でいること、収入をきちんと得ることが大切

アドバイス1:正社員ではなく非正規雇用の働き方に転じるのかは冷静に判断を

どうしても仕事がつらくセミリタイアをしたいとのことですが、その原因はどのようなことでしょうか。職場環境が合っていない、ストレスで心身ともに疲弊されているということであれば、いったん仕事を辞めて休養され、リフレッシュされることをおすすめします。

しかしながら、今すぐ辞めることは考えておられないようなので、どんな仕事が自分に向いているのか、じっくり考えてみることも大事かと思います。年齢的には、正社員で転職することは可能ではないでしょうか? ただ転職を繰り返していると採用側も慎重になります。今は仕事の実績を積み、次の転職先を見つけるための期間、と考えられるといいと思います。

現在の収支と貯蓄のペースであれば、60歳まで働いたとして、老後資金として残せる資産は十分なものになります。毎月4万5000円の貯蓄と、ボーナスから20万円ほど自由に使い、残り60万円を貯蓄すれば、年間114万円の貯蓄ができます。60歳までの23年間で2622万円になり、今ある900万円を加えれば3522万円です。65歳から公的年金を受け取るまでの5年間を収支プラスマイナスの生活ができれば、老後に何ら不安を感じることもなく過ごせるでしょう。

しかし早くに非正規雇用に転じた場合、今の収入と同レベルだとしても、ボーナスはゼロもしくは大幅に減額となり、年間の貯蓄額は減ってしまいます。

仮に、週4日勤務で月収が手取りで12万円だとします。現在の生活費のすべてはまかなえず、貯蓄を取り崩す生活になってしまいます。さらに、週4日勤務で収入が減るにもかかわらず、正社員とそれほど差がある仕事内容でなかった場合、仕事へのモチベーションが維持できるのか心配です。

こうしたことも考えて、正社員ではなく非正規雇用の働き方に転じるのか、冷静に判断されることを願います。

アドバイス2:せめて50歳まで現状維持。その後は65歳まで働き貯蓄の取り崩しを抑える

それでも正社員で定年まで働き続けるのが難しいのであれば、50歳ぐらいまでは現状維持で過ごすことはできないでしょうか?

年間114万円の貯蓄をキープし、50歳までの13年間で1482万円、今ある900万円を加えて2382万円。奨学金の返済が8年後に終わるので、その後は貯蓄に回すとしたら132万円が加算でき、合計2514万円になります。

50歳から65歳までは非正規雇用、パート・アルバイト的な働き方で、手取り収入が11万5000円、生活費15万3000円だと、年間で46万円ほどの不足となり、15年間で690万円を貯蓄から取り崩します。2514万円が1824万円になり、65歳以降は年金と貯蓄からの取り崩しで生活していくことになります。

年金は手取り120万円とすると、生活費の不足は約63万円。1824万円が底をつくのは28年後、93歳ということになります。

ただし、計算では毎月の生活費をベースにしていますので、突発的な支出があれば、貯蓄の取り崩しは早くなります。ペットのケアをしていきたいとのことです。ペットも年を重ねれば医療費がかさみます。もちろんご自身の医療費や楽しみのためにもお金は必要です。

そう考えると、早期にセミリタイアをするのは現実的ではないと言えます。一度正社員の道を諦めてしまうと、その後に収入を上げる機会が失われてしまいます。

50歳まで現職で働き、できるだけ多くの老後資金を確保されてはいかがでしょうか。

アドバイス3:ペットのためにも、健康でいること、収入をきちんと得ることが大切

家計の支出を見る限り、無駄遣いはなく、これ以上、生活コストを削減するのは難しいでしょう。今ある900万円を虎の子として手を付けず、生活ができるだけの収入を続けるという考え方もあるでしょう。

しかし、この先の人生のほうが長いわけで、何が起きるか予測はできません。老後資金がいくらあれば安心かは人によって異なります。ご相談者はまだ若く、老後を迎えるまでにまだまだ時間はあります。その時間をどう過ごすかは、ご相談者が決めるしかありません。

マネープランとしてアドバイスできるのは、現職にできるだけとどまり、貯蓄のペースを維持することがベストということになりますが、もしやりたい仕事、楽しいと思える仕事があるなら、いったん仕事を辞めて、1年ぐらいゆっくり休まれてもいいかもしれません。でも早期セミリタイアは難しいのに変わりはありません。

せっかく車を購入されたのであれば、気分転換にドライブをするなど、息抜きすることも大事でしょう。何より、大事にされているペットのためにも、健康でいること、収入をきちんと得ることが大切であると考えます。

ご希望に合ったアドバイスではなかったかもしれませんが、もう少し働くことを頑張ってみてください。どのような働き方であっても、今の収入をキープすることを忘れないでくださいね。

相談者「桃太郎」さんから寄せられた感想

アドバイスをいただき、誠にありがとうございました。正直、自分自身で「現状でセミリタイアなんて、とても甘い考えだな」と思いながら、仕事から逃げたい一心でご相談しました。

現状維持の大切さ、また、50歳で非正規雇用になった場合のシミュレーション等、具体的にアドバイスをいただいたことで、とても気持ちが軽くなりました。ペットのためにも、仕事を頑張りたいと思います。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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