【2024年】彼岸底の9月に株価が特に下がりやすい3業種

9月は3月決算企業の中間決算に向けた売りが彼岸（9月22日の秋分の日前後各3日）の頃に集中し、「彼岸底」と呼ばれています。そんな9月相場の中でも特に下がりやすい傾向がある業種を、過去のデータを使って調べてみました。

9月に買ってはいけない業種は？

9月は、3月決算企業の中間決算に向けた売りが彼岸（9月22日の秋分の日前後各3日）の頃に集中し、「彼岸底」と呼ばれています。そんな9月相場の中でも特に下がりやすい傾向がある業種を、過去のデータを使って調べてみました。

■検証対象：日経平均採用銘柄（225銘柄）
■検証期間：2000年1月1日～2024年7月31日
■1銘柄当たりの投資金額：20万円
■買い条件：8月末の最終営業日の寄り付きで買い
■売り条件：25日経過後の当日に引け成りで売り

このように、8月末に対象銘柄を全て購入し、25日経過後に売却するというルールで、検証を行いました。

9月相場で特に低調だった3業種

検証の結果、冷え込みがちな9月相場でも、特に下落傾向が強かったのは以下の3業種でした。

その1：鉄鋼（3銘柄）

勝率：42.65％
勝ち数：29回
負け数：39回
引き分け数：1回

平均損益（円）：－1,038円
平均損益（率）：－0.52％

平均利益（円）：16,096円
平均利益（率）：8.05％

平均損失（円）：－13,806円
平均損失（率）：－6.90％

合計損益（円）：－71,618円
合計損益（率）：－35.81％

合計利益（円）：466,798円
合計利益（率）：233.41％

合計損失（円）：－538,416円
合計損失（率）：－269.22％

PF（プロフィット・ファクター）：0.867
平均保持日数：25.71日

その2：陸運（2銘柄）

勝率：44.00％
勝ち数：11回
負け数：14回
引き分け数：1回

平均損益（円）：－605円
平均損益（率）：－0.30％

平均利益（円）：10,660円
平均利益（率）：5.33％

平均損失（円）：－9,500円
平均損失（率）：－4.75％

合計損益（円）：－15,735円
合計損益（率）：－7.87％

合計利益（円）：117,261円
合計利益（率）：58.63％

合計損失（円）：－132,996円
合計損失（率）：－66.50％

PF（プロフィット・ファクター）：0.882
平均保持日数：25.69日

その3：非鉄・金属（8銘柄）

勝率：44.32％
勝ち数：82回
負け数：103回
引き分け数：1回

平均損益（円）：－1,303円
平均損益（率）：－0.65％

平均利益（円）：17,388円
平均利益（率）：8.69％

平均損失（円）：－16,196円
平均損失（率）：－8.10％

合計損益（円）：－242,350円
合計損益（率）：－121.18％

合計利益（円）：1,425,802円
合計利益（率）：712.92％

合計損失（円）：－1,668,152円
合計損失（率）：－834.10％

PF（プロフィット・ファクター）：0.855
平均保持日数：25.67日

検証結果を見てみるとどれも勝率が50％を切っており、1トレードあたりの平均損益がマイナスになっています。したがって、「鉄鋼」「陸運」「非鉄・金属」の3業種は、特に下がりやすい傾向があると判断できるでしょう。

9月の低成績銘柄ランキング

では最後に、これらの業種の銘柄の中でも、9月相場で特に成績が不調だった個別銘柄をランキング形式でご紹介します。

「三菱マテリアル＜5711＞」「日本製鉄＜5401＞」「古河電気工業＜5801＞」が勝率35％を切っており、9月相場では、不調と言えるでしょう。

これらの銘柄は、9月相場において冷え込みやすい銘柄だといえるため、売買する際には注意が必要です。

（このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします）

文：西村 剛（証券アナリスト、ファンドマネジャー）

国内運用会社にて中小型株式ファンドマネージャー兼アナリストを経て独立。個人投資家に分かりやすく株式投資を伝授すべく、講演や執筆を行う。『夕刊フジ』3年連続 株-1グランプリ グランドチャンピオン。
(文:西村 剛（証券アナリスト、ファンドマネジャー）)