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【変化するPTA】学校に頼らない「PTA会費」の集め方はなぜ大事? 保護者以外からも“寄付”が可能に

オールアバウト / 2024年9月6日 21時45分

【変化するPTA】学校に頼らない「PTA会費」の集め方はなぜ大事? 保護者以外からも“寄付”が可能に

PTA会費は学校が教材費などと抱き合わせで口座から引き落とすことが多いですが、このやり方、実は問題点もあります。最近は振込や決裁サービスを利用して、単独でお金を集めるPTAも増えてきました。会費をゼロにして寄付を集めることだってカンタンです。

「PTA会費は、教材費と一緒に口座から引き落とされるものでしょ?」
子どもを学校に通わせている保護者は、そう思っている人が多いのではないでしょうか。

実際、今多いのはそのやり方です。学校がPTAに代わって、学校徴収金(教材費や給食費など)を納めるために保護者が学校に伝えた銀行口座から、PTA会費も一緒に引き落とす、という方法がよく見られます。

まとめて引き落とした方が手間や手数料を省けるので、こういったやり方が定着したものと思いますが、でも筆者はこのやり方、できれば避けた方がいいと思うのです。

これまでだって手間がかからなかったわけではないのです。保護者がやっていなかっただけで、口座への入金やお金の管理などといった作業は、担当の教職員が担ってくれていました。

その場合、公務員である教職員が勤務時間中にPTAという他団体の業務を行うことになってしまいますし(「業務委託の契約を結べばOK」という説もありますが微妙です)、一緒に引き落とされることで、ますます学校とPTAの区別がつきづらくなることも考えられます。

PTA会費が単独で集められていれば、「学校とPTAは別の団体だよね」と認識されやすくなりますし、PTA会費の返還を求める調停や訴訟が起きるリスクも少しは減らせるでしょう。

「PTAが単独でお金を集めたら、すごく手間がかかるんじゃない?」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではなさそうです。手集金はさすがに面倒ですが、今はキャッシュレスな決済方法がたくさんあります。

そこで今回は、PTAが単独で、なるべく簡単に会費や寄付を集めるやり方について、いくつかの例をご紹介できればと思います。

「引き落とし」でなく「振込」でもちゃんと集まった

例えば、最近ちらほら聞くのが、PTA会費を「銀行振込」にした、という例です。

筆者が直接聞いたのは東京都の2つのPTAの例ですが、どちらも2023年度までは会費を現金で徴収していました。集まった数十万円の会費は、会計担当のPTA役員さんが銀行に運んで入金し、管理していたそうです。

でもこのやり方は、子どもに現金をもたせて登校させる保護者側にも、お金を集めて計算し、銀行に入金する役員さんの側にも不安や負担があったため、2024年度からは振込方式に切り替えたとのこと。

どちらのPTAでも、導入時には心配する声もあがったといいます。学校徴収金と一緒に引き落とされるのと違い、振込は各保護者がそのための手続きをしなければならないので、「面倒だ」と考えてみんな払わなくなるのでは、と予想する人が多かったのです。

でも実際にやってみたら、そうでもありませんでした。

「うちのPTAは5年前に加入届を導入し、今年度は8割の加入率です。PTAの口座は、学校の教材費などを引き落としている口座と同じ『ゆうちょ銀行』なので、無料または100円の手数料*で会費を振り込んでもらえます(*保護者は全員ゆうちょ銀行に口座をもっているため『ゆうちょダイレクト』の手数料が適用される)。おかげで回収率は8~9割に達しています」(練馬区立貫井中学校PTA会長・入江宏基さん)

「振込は手数料がかかるからというので、ずっと手集金でした。でも今年度はPTA会費を値下げすることになったので、手数料がかかることに理解を得やすいだろうと考え、振込に切り替えました。結果、期限までに8割の入金がありました。手集金だった昨年度も最終的に9割の入金だったので、それほど変化はありません」(某市立小学校PTA役員・Yさん)

なお、入江さんのPTAでは、あとで入金情報と会員情報を照合しやすいよう、振込時期を学年ごとにずらして指定し、さらに振込の際は、依頼人名を「生徒(在籍する末子)の学年・クラス・出席番号・名前」(例:2-B 5 オオツカレイコ)にしてもらったということです。

教職員分のPTA会費については、どちらのPTAも学校側の希望により振込にはせず、副校長先生が現金で集めてくれたそうです。

カードやコンビニで決裁できるサービスもいろいろ

お金を集める方法は、振込だけではありません。最近はカード決済やコンビニ決済が可能なオンラインのサービスもいろいろとあります。例えば、「月額パンダ」「マイペイメント」「会費ペイ」「コングラント」などなど。

筆者が気になっているのは「会費ペイ」と「コングラント」です。「会費ペイ」は入会申込の仕組みを備えているので、PTAは別途「入会届」を用意しなくて済みそうです。

NPOの寄付集めでよく使われる「コングラント」は、1000~2000円程度のお金を集める場合などに手数料をだいぶ抑えられます(フリープランで、手数料は入金額の8%+5円)。団体(PTA)への入金時には毎回事務手数料がかかりますが、「クラウドファンディング」の設定を利用すれば入金は1度で済みます。

会費をゼロにして、代わりに寄付を募るのもカンタンです。現役会員だけでなく、OBやOG、近所の人(地域住民)、卒業生などにも、気軽に協力を呼びかけられます。

他にも、最近はPayPayなどでPTA会費を集める例も聞きます。今回紹介した以外にもよい方法はたくさんあるでしょうから、興味がある方は、この機会に検討してみてはどうでしょうか。おすすめのやり方があれば、筆者にも教えてもらえると喜びます。

この記事の執筆者:大塚 玲子 プロフィール
ノンフィクションライター。主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。著書は『さよなら、理不尽PTA!』『ルポ 定形外家族』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』ほか。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。(文:大塚 玲子)

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