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9月の日米欧の中銀会合、ポイントは?また「円高・株安」になる?

オールアバウト / 2024年9月12日 12時20分

9月の日米欧の中銀会合、ポイントは?また「円高・株安」になる?

9月12日から20日にかけて、日米欧で中央銀行会合がそれぞれ開催されます。いずれの会合でも注目点が存在する珍しいケースですので、結果次第では円高、株安が再加速する可能性もあります。

9月は第2週から第3週にかけて、日米欧の中央銀行会議が開催されます。12日(木)には欧州中央銀行(ECB)理事会、17日(火)~18日(水)には米連邦準備制度理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FOMC)、19日(木)~20日(金)には日本銀行の金融政策決定会合がそれぞれ開催されます。

FOMCの結果は、東京時間翌日の19日(木)未明に発表されますが、ECB理事会、日銀会合はその日のうちに結果が発表されます。今回の注目点を簡単に整理しておきます。

ECB理事会のポイントは?

欧州中央銀行(ECB)は12日の理事会で、主要政策金利を0.25%引き下げ、4.0%にすると見込まれています。

ECBは今年6月に4年9カ月ぶりに利下げを決定しましたが、今回はその6月以来の利下げ実施の予定です。欧州連合(EU)が発表した8月のユーロ圏消費者物価指数は、速報値で前年同月比2.2%上昇となりました。6カ月連続で2%台半ばが続いていましたが、8月は2.2%台前半まで落ち着くなどインフレの沈静化が確認できたことから、利下げ実施に踏み切ると考えられています。

今回のECB理事会では、今後どのような利下げスケジュールを想定しているかに注目が集まっています。再びインフレが強まる可能性はゼロではありませんし、フランスなど欧州の政治状況も懸念材料です。慎重なラガルドECB総裁は、明確なスケジュールは言及せず「データ次第」というコメントに終始すると見られますが、12日のECB理事会では今後の利下げスケジュールに関する話の有無に注目です。

FOMCのポイントは?

米連邦準備制度理事会(FRB)による米連邦公開市場委員会(FOMC)でポイントとなるのは、利下げ幅が0.25%になるか0.50%になるかです。

今回のFOMCではFRBが利下げに踏み切るのはほぼ確実視されており、その利下げ幅に注目が集まっています。ここ最近の米国の経済指標は弱い内容が続いたことで、景気減速懸念が高まっており、株式市場ではハイテク株を中心に売られ、債券市場では金利が低下(逆に国債価格は上昇)しています。利下げに対する政府高官の発言はまちまちとなっており、今後、どれだけの利下げを実施するのかの方向性は不透明な状況です。

FOMC声明も注目ですが、パウエルFRB議長が、今回の利下げに対してどのような考えを示し、今後どのような利下げのスケジュールを考えているのかが最も注目されています。仮にパウエルFRB議長が景気減速懸念を示唆した場合は、大幅な利下げ実施が見込まれるものの、景気の冷え込みが嫌気されて、株式市場は売りが優勢となるでしょう。

日銀会合のポイントは?

これを受けて、日銀が段階的な利下げ実施を改めて表明するかどうかです。

今回の日銀会合では、追加の利上げ実施は見送られ、現状の金融政策の維持が発表される見通しです。市場では、日銀会合の結果発表後に行われる植田和男日銀総裁の記者会見に注目が集まっています。

7月31日の日銀会合後の記者会見において、植田日銀総裁は「今後も経済・物価情勢が見通し通りに推移していけば追加利上げしていく」方針を示しました。これにより、金融引き締めに積極的な「タカ派」と市場に捉えられ、為替市場では円高が急加速(8月5日に141円68銭)し、株式市場では日経平均株価が史上最大の下げ幅を記録(同日に4451円28銭の下落)しました。その後、内田日銀副総裁が「金融市場が混乱している状況下では利上げは実施しない」と火消しに回ったことで沈静化しましたが、投資家はわずか一カ月前のあの強烈な市場のインパクトは忘れていません。

20日の15時30分から開催される記者会見で、植田日銀総裁が、7月31日の記者会見同様の発言をした場合、為替市場では円高が再加速しドルは130円台に突入する可能性があります。同時に急激な円高進行は株安を引き起こしますので、日経平均も急落するでしょう。さすがに、7月31日と同じような発言はしない、と思いますが、市場は「まさか」を警戒しています。

文:田代 昌之(金融文筆家)

新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
(文:田代 昌之(金融文筆家))

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